中古マンションの購入で失敗しないために確認すべき4つの管理状況とは

2019.4.17
FINANCE
(写真=Wondervisuals/Shutterstock.com)
(写真=Wondervisuals/Shutterstock.com)
中古マンションの購入でもっとも注意したいのは建物の管理状況だ。マンションは管理で買えと言われるが、日々のメンテナンスを怠り、管理が行き届いていないマンションは築年数以上に老朽化が激しく資産価値が大きく下がる。マンション選びに失敗しないためにも、管理状況をきちんとチェックしたい。

なぜ中古マンションは管理で買えと言われるのか

マンションは築年数が古くても管理状況が良ければ資産価値は維持できるため、購入するなら管理状態の良い中古マンションを選ぶべきだ。

マンション共用部の管理は管理組合が行っている。管理には日々の清掃やエレベーターのメンテナンス、貯水槽、下水管の清掃、電灯の交換といった日常管理と、長期修繕計画に基づいた大規模修繕工事よる建物全体の維持管理の2つがある。

マンションを購入すると管理組合への参加が義務付けられ、管理費と修繕積立金が徴収される。管理費は日常管理に使われ、修繕積立金は将来大規模修繕工事を行うために毎月積み立てられる。管理費が不足すると経費削減で清掃の回数を減らす、電球が切れても放置するといった事態が起こる。廊下にゴミが散乱し、エレベーターホールが暗いのは見た目も防犯上も良くない。

修繕積立金が使われる大規模修繕工事では、外壁塗装、屋上防水、給排水管の取替えなどを行う。12年周期で行われるのが一般的だが、実際は約35%のマンションで標準とされる12年周期の大規模修繕工事ができていないというデータがある(国土交通省の平成28年度「マンションの管理適正化に関する調査検討業務」より)。大規模修繕をしないと外壁の落下や水漏れが起こりやすくなり建物の老朽化が顕著となる。

管理組合が機能しておらず、管理の行き届いていないマンションは、管理費や修繕積立金が不足し、運営が上手くいっていないケースが多い。新築マンションの場合は管理組合の状況を確認することは難しいが、中古マンションの場合は、建物の清掃状況や外壁の状態を見ることで、管理組合がきちんと建物を管理しているかを見極めることが可能だ。

中古マンションの管理状態は、以下の4つのポイントで確認したい。

ポイント1……管理費が妥当かどうか

管理費についての調査では、全体の84.4%が妥当、4.8%が不足という結果だった。管理費については不足しているマンションは少ないと言える。

管理費の平均額は1万661円だ。これはあくまで平均であり、同じ建物内には1LDKもあれば3LDKもあるので、管理費が妥当かどうかは㎡当たりで比較する必要がある。

管理費は戸数よっても異なる。20戸以下では平均201円/㎡、101戸~150戸では平均128円/㎡で、戸数が多い方が管理費は安くなる傾向にある。20戸以下のマンションで60㎡の場合、201円×60㎡=1万2,060円が目安となる。(※データは全て国土交通省「平成25年マンション総合調査結果」より)

ポイント2……修繕積立金や長期修繕計画は計画通りか

修繕積立金についての調査では、全体の77.6%が妥当、16.0%が不足という結果だった。修繕積立金は不足しているマンションが多く、購入の際は特に注意が必要だ。大規模修繕工事を行うには長期修繕計画を立てる必要があるが、作成している管理組合は全体の89.0%だ。購入したいマンションに長期修繕計画がない場合は、修繕積立金の金額が何を基準に決められているかを確認したほうがいい。

修繕積立金の平均額は1万783円。マンションの築年数によっても金額は違い、昭和44年以前のマンションでは1万3,841円、平成12年~16年以前では9,856円となっている。築年数が新しいほど修繕積立金が安い傾向にあるのは、新築当初は分譲会社が売却しやすいように管理費や修繕積立金を安く設定し、段階的に値上げを行う長期修繕計画を立てているためだ。(※データは全て国土交通省「平成25年マンション総合調査結果」より)

中には、高齢者が多く収入が少ないなど住民の同意を得られず、修繕積立金の値上げができない場合もある。そういったマンションでは大規模修繕工事が計画的に行えず老朽化が進むことになる。

また長期修繕計画で算出された必要額が計画通りに積み立てられていればいいのだが、計画より少ない場合は、大規模修繕を行うために修繕積立金の値上げや臨時徴収される可能性が高い。

マンション購入時に不動産会社に依頼すれば、重要事項調査報告書や長期修繕計画等の資料は入手可能だ。重要事項調査報告書には管理費や修繕積立金の値上げ予定、修繕積立金の積立額、大規模修繕工事の実施状況などが記載されているので必ず確認しておきたい。

ポイント3……2つの資料で管理組合の活動状況を確認

管理組合の運営状況を確認することも重要だ。上述の重要事項調査報告書には管理費や修繕積立金の滞納状況のほかに、バルコニーやトランクルームの専用使用権、駐車場・駐輪場の有無や使用方法、耐震診断検査とアスベスト使用調査の実施状況などが記載されている。

管理組合の毎年の活動状況は総会議事録を見ればわかる。総会では毎年重要な案件について理事会が議案を提出し議論され、その内容が総会議事録に記載される。総会議事録を見れば管理組合がどれだけ真剣に取り組んでいるか、いままで大きなトラブルはないのかがわかるのだ。

ポイント4……6つの場所で建物の管理状況をチェック

建物は最低でも次の6つをチェックしたい。

外壁

大規模修繕で重要な工事のひとつが外壁だ。外壁が傷むと見た目が悪いだけでなく、塗装の剥落やひび割れが起こりやすい。そこから水が入ることでコンクリートの劣化が進む。外壁塗装が適切に行われているかは資産価値を維持するためにも非常に重要だ。

玄関

マンションの顔とも言える場所が玄関だ。玄関の清掃や電球が切れていないか、チラシが散らかっていないかでマンションの管理状況がわかる。掲示板があれば掲示内容が更新されているかもチェックしたい。

廊下

共用部分で一番広いのが廊下。廊下の清掃がきちんとされているマンションは管理状況が良いと言える。

駐車場

駐車場が平面か機械式なのかも重要だ。機械式駐車場は維持費や修理費が非常に高く、駐車装置の取り換えとなると1台100~150万円にもなる。寿命は20~25年が一般的なので、2度目の大規模修繕工事で駐車場のメンテナンスが行われることが多い。長期修繕計画できちんと費用が見込まれているかも併せて確認しよう。

駐輪場

自転車が所定の場所に置かれていない、使われていないボロボロの自転車がある場合は注意が必要だ。撤去処分にも費用や手間がかかる。

ゴミ置き場

最近はゴミの分別が細かい自治体が多いため、ゴミの分別がしっかりされているのかも大事だ。シールの貼られていない粗大ごみが放置されている場合は住民トラブルになりかねない。

中古マンションの内覧時に売主や他の入居者に聞くのも効果的

中古マンションを内覧する際に、これらすべてを短い時間でチェックするのは難しい。そのため売主や他の入居者に話を聞くのもいいだろう。実際に住んでいる人の意見や問題点を聞き出せるチャンスがあれば試してみたい。高い買い物だけに後悔しないためにもしっかり見極めたい。

文・山本智也(宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター)
 

【関連記事】
iDeCo(イデコ)を40代から始めるのは遅いのか
ゴールドカードのメリットや作り方 年会費無料のクレジットカードも紹介
「ふるさと納税」するなら知っておくべき5つのこと
ポイント還元率の高いクレジットカード11選
40代が知っておきたい保険の知識まとめ

PREV 年会費無料「イオンゴールドカード」の魅力は?空港ラウンジも使えるクレジットカードを紹介
NEXT iDeCo(イデコ)を投資初心者が始めるときの注意点とは

READ MORE...