生命保険の受取人と契約者の関係で受け取りにかかる税金が変わる——知っておきたい3種類の税金とは

2019.4.13
FINANCE
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
生命保険の加入時には受取人を指定するが、それによって保険金受取時の税金の種類が変わるのをご存じだろうか。契約者や被保険者との関係にもよるが、どのようなパターンがどの税金に当てはまるのかは知っておきたい。

生命保険の受取人になれる人は保険会社ごとに決まっている

生命保険の受取人は、誰でも指定できるわけではない。受取人の指定範囲は保険会社ごとに決まっており、基本的には以下の通りだ。
  • 配偶者
  • 1親等以内の親族(親、子)
  • 2親等以内の親族(祖父母、兄弟姉妹、孫)
保険会社によっては3親等以内(叔父、叔母、甥、姪)や内縁関係でも保険金受取人に指定できることもある。2親等を超えて受取人を指定したい人は、保険契約の前にホームページなどで受取人の指定範囲を確認しておいたほうがいいだろう。

生命保険の受取人は複数指定できる

複数の人を保険金受取人として指定することもできる。子どもが2人以上いる家庭に多いケースだろう。受取人を複数指定する時は、割合で保険金を設定する。2人なら50%ずつ、3人なら30%・40%・30%というように自由に設定できる。

受取人が複数いる場合は、トラブルに注意したい。保険金請求には受取人全員の戸籍謄本などが必要であったり、代表者が一括して受け取ったりと通常とは異なる請求手続きになるからだ。トラブルを避けるためには、保険契約を受取人ごとに分けておくほうがベターだ。

生命保険の受取にかかる税金は3種類

保険金受取には、税金がかかることがある。税金の種類は、契約者・被保険者・受取人の関係によって変わる。契約者とは保険料を支払う人のことで、被保険者とは保険をかけられている人のことだ。パターン別に保険金にかかる税金について確認しよう。

相続税……契約者と被保険者が同じ人

契約者 被保険者 受取人 税金
相続税

契約者と被保険者が同じ人だと相続税の対象だが、保険金すべてが課税対象ではない。相続税の対象になるのは、「基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えた金額である(2019年4月現在)。この金額は現金だけでなく、不動産や車など換金できるものも含まれるため、家庭によっては超えることもあるだろう。

所得税……契約者と受取人が同じ人

契約者 被保険者 受取人 税金
所得税

契約者と受取人が同じ人の場合、所得税の対象となる。保険金を一時金で受け取ると「一時所得」、年金形式で受け取ると「雑所得」に分類され、受け取り方によって課税方法が異なる。

一時所得の課税対象=(受取保険金総額-払込保険料総額-特別控除50万円)×2分の1
雑所得の課税対象=その年の受取総額-その金額に対する払込保険料

雑所得はその他の所得と合わせて最終的に計算されるため、原則は確定申告が必要であると覚えておこう。

贈与税……契約者・被保険者・受取人ともに違う人

契約者 被保険者 受取人 税金
贈与税

契約者本人と被保険者が異なり、契約者以外の人が受け取る保険金は贈与税の対象になる。基本的な課税対象になるのは、保険金額から贈与税の基礎控除110万円を引いた金額である。注意したいのは、贈与税の基礎控除は1年間に受け取った財産の合計額から差し引かれることだ。保険金+その他の受取財産が年間110万円を超えていれば、贈与税がかかる。

保険金受取で税金がかかりにくいのは相続税

保険金の受取人は決まった範囲内なら自由に設定できるが、契約者や受取人の関係によって税金の種類が異なる。被保険者の同意があれば契約後でも変更できるが、安易な受取人指定は思わぬ税金がかかることもあるので注意しよう。一般的に最も税金がかかりにくいのは基礎控除の多い相続税であり、保険を検討する時には受取人についても考慮したい。

文・國村功志(資産形成専門ファイナンシャルプランナー)
 

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