マンション購入で見落としがちな5つのお金とは

2019.4.7
FINANCE
(写真=eamesBot/Shutterstock.com)
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マンションを購入するとき気になるのが、住宅ローンの返済額だ。住宅ローンの返済は家計に占める割合が大きく、どの程度の返済なら支払えるかは購入時に十分検討するだろう。しかし、マンション購入後にかかる費用は住宅ローンだけではない。固定資産税や都市計画税、管理費、修繕積立金など、住宅ローン以外の支払いは意外に多い。

マンション購入後、住宅ローンの返済以外に必要な5つのお金

家計に占める住宅ローン返済の割合は、世帯平均で20.2%だ(総務省統計局の2015年家計調査より)」。住宅購入時に住宅ローンの返済額を心配するのは当然だろう。しかし、購入後に住宅ローン以外に必要なお金は他にもある。それが固定資産税や都市計画税、マンションなら管理費、修繕積立金などだ。他にも、購入の1年後には不動産取得税を納めなければならない。

・固定資産税
毎年1月1日の土地・家屋の所有者に対して、各市町村が固定資産税評価額をもとに課す税金。「土地課税標準額×税率1.4%」、「家屋課税台帳に登録されている価格×税率1.4%」で計算される。マンションは、200平方メートルを下回る場合は課税標準が1/6、上回る場合は1/3になる。

・都市計画税
毎年1月1日の都市計画法による市街化区域にある土地・家屋の所有者に対して、固定資産税とあわせて課される税金。たとえば、東京23区では「土地課税標準額×税率0.3%」、「家屋固定資産課税台帳に登録されている価格×税率0.3%」で計算される。(上限0.3%で各市町村によって異なる)

・管理費
マンションの管理組合に対して、共用部の日常清掃などの費用として支払うお金。平成25年度の全国平均は、1戸あたり毎月1万5,257円だ。

・修繕積立金
マンションの管理組合に対して、長期修繕計画に基づく大規模修繕費用として支払うお金。平成25年度の全国平均は、1戸あたり毎月1万1,800円。

・不動産取得税
住宅を購入して6ヵ月~1年半後に都道府県より納税通知書が送られてくる。納税額は、土地・建物の課税標準額×税率3%で計算される。(原則4%だが住宅に関しては平成20年4月1日から平成33年3月31日までは軽減税率3%が適用される)

このように、マンション購入後にかかるお金は意外と多い。住宅ローン以外の費用も正しく見積もっておかないと、生活が破たんすることにもなりかねない。

購入後に掛かる費用は?新築と中古マンションでシミュレーション

マンション購入後、住宅ローン以外にどのくらいお金が必要なのだろうか。40代ビジネスパーソン(年収800万、世帯年収1,200万、妻、子供2人)が、新築マンション、中古マンションを購入した場合をそれぞれシミュレーションしてみよう。

新築マンションの場合、住宅購入後にかかるお金は年間234万円程度

東京都23区内で物件価格6,000万円のファミリーマンション(70平方メートル)を購入し、頭金200万円を入れて融資額5,800万円、固定金利1.0%、期間35年の住宅ローンを組んだ場合を考えてみよう。購入後に掛かる費用はエリアや物件によって変わるが、管理費は1万7,000円、修繕積立金は7,000円とする。すると1年間で必要な金額は以下となる。

住宅ローン返済額……16万3,725円×12ヵ月=196万4,700円
固定資産税・都市計画税……約10万円
管理費……1万7,000円×12ヵ月=20万4,000円
修繕積立金……7,000円×12ヵ月=8万4,000円

住宅購入後にかかるお金は、年間で約235万円だ。

新築マンションの住宅ローンについては、物件が高く評価されやすいので自己資金が少なくて済み、低金利、長期間で組めるので毎月の返済額を抑えることができる。ただし、購入時は修繕積立金が低めに設定されているケースが多く、将来値上げされることも想定しておいたほうがいいだろう。

中古マンションの場合、住宅購入後にかかるお金は年間208万円程度

東京都23区内で物件価格4,000万円の築25年のファミリーマンション(70平方メートル)を購入し、頭金500万円を入れて融資額3,500万円、固定金利1.0%、基幹25年で住宅ローンを組んだとしよう。管理費1万3,000円、修繕積立基金1万円とした場合、年間で必要な金額は以下となる。

住宅ローン返済額……13万1,905円×12ヵ月=158万2,860円
固定資産税・都市計画税……約8万円
管理費……1万3,000円×12ヵ月=15万6,000円
修繕積立金……1万円×12ヵ月=12万円

住宅購入後にかかるお金は、年間で約194万円だ。

中古マンションの住宅ローンについては、新築マンションと比べて物件の評価が出にくいので減額されるケースが多く、期間も短くなる傾向がある。また、新築と比べると修繕積立金が高いケースが多い。

マンションは10年後にリフォームが必要となることも

長期的な視点で見ると、マンションはリフォームが必要になることがある。一般的に新築マンション(70平方メートル)は、10~15年後に壁紙や床の張替え、給湯器の交換などで100万円程度必要になる。キッチンや浴槽なども交換するならプラス100~200万円だ。

中古マンションは、リノベーション物件として設備を入れ替えているなら、新築と同様の考え方で問題ない。だが、売主が居住中の物件を購入する場合は、購入後費用のかかる設備故障が起こることも考えられる。購入する前に、設備の状況はきちんと確認しておくべきだろう。

戸建の場合、大規模修繕工事の費用は自身で積み立てが必要

戸建の場合は、管理費や修繕積立金がない分、マンションと比べると毎月の出費は少ない。

上述したビジネスパーソン(年収800万、世帯年収1,200万、妻、子供2人)が、東京都練馬区で物件価格6,000万円の新築戸建て((土地100平方メートル・建物90平方メートル)を購入し、頭金200万円を入れ、融資額5,800万円、固定金利1.0%、基幹35年の住宅ローン)を組んだとする。年間で必要な金額は以下となる。

住宅ローン返済額……16万3,725円×12ヵ月=196万4,700円
固定資産税・都市計画税……約12万円

住宅購入後にかかるお金は、年間で約208万円だ。

戸建は築年数が経つと外壁や給湯器の修繕が必要になる。30年以上住んでいる場合は、外壁工事は平均1.8回行われ、合計平均費用は135万円。他にも室内のリフォームや水回りの入れ替えなども含めると、築年数の平均35.8年で平均556万円掛かる(アットホーム株式会社の2016年「新築一戸建て購入後30年以上住んでいる人に聞く『一戸建て修繕の実態』調査」より)。月にすると約1万3,000円の積み立てが必要だ。

マンションの場合は住宅購入後のランニングコストに特に注意を

戸建の場合は、住宅ローン以外の返済は大規模修繕を積み立てるとしても年間27万円程度だが、マンションの場合は年間35~38万円程度にも及ぶ。購入時に住宅ローン以外のお金の見積もりを忘れ、購入後に年間35~38万円もお金が必要となると、生活に支障が出るケースもあるだろう。特にマンションは、住宅ローン以外の費用をきちんと見積もったうえで購入することが重要だ。

文・山本智也(宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター)
 

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