百貨店系クレジットカードは本当にお得なのか?デメリット、メリット、おすすめカードなど紹介

2020.7.27
運用・家計
(写真=NIKCOA/stock.adobe.com)
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百貨店・デパートのクレジットカードにはどんな特徴があるのか? 超高還元率も可能なその魅力に迫るとともにデメリットも解説。また、カード選びの参考として、3種のカードも併せて紹介する。

目次
1,百貨店・デパート系クレジットカードとは?
2,百貨店・デパート系クレジットカードの3つのメリット
3,百貨店・デパート系クレジットカードの3つのデメリット
4,百貨店・デパート系クレジットカードおすすめ3選
4-1,エムアイカード プラス
4-2,タカシマヤカード
4-3,TOKYU CARD
5,百貨店・デパート系クレジットカードの選び方

1,百貨店・デパート系クレジットカードとは?他のカードと何が違う?

百貨店・デパートが提携、あるいは発行するクレジットカードには、対象の店舗やグループ店舗などで大幅なポイントアップや割引などを受けられるものが多い。いわゆる流通系クレジットカードのカテゴリーに入れられることも多いが、スーパーやコンビニ等のクレジットカードと比べて、そのポイントアップ率が高いことが違いとなっている。

またコンビニ系クレジットカードは年会費無料のものが多いが、百貨店・デパート系クレジットカードの多くは、一般カードでも1,000円~2,000円程度の年会費がかかる。

ここから、すでにその百貨店の顧客である人をターゲットにしていると推測され、既存顧客を囲い込んでいくことを目的としていると推測される。ただその発行意図は何であれ、利用者側からすれば、年会費とのバランスさえとれれば大きなお得を与えてくれるカードであることは間違いない。

2,百貨店・デパート系クレジットカードの3つのメリット

一般的に百貨店・デパート系クレジットカードはどのようなメリットがあるのだろうか?

メリット1,対象店舗で超高還元率!最大10%も

クレジットカードのポイント還元率といえば通常は0.5%~1%程度。しかし百貨店・デパート系クレジットカードでは対象店舗で利用すると5%~7%、カードによっては10%もの超高還元率となる。対象店舗をよく利用する人にとっては大きなメリットといっていいだろう。

メリット2,対象店舗での優待・特典が提供される

カードによっては、対象店舗での割引優待や駐車場の優待などのほか、手荷物をクロークに無料で預けられる等、ショッピングが便利になるサービスを利用できることがある。また、鉄道系百貨店のクレジットカードの場合、鉄道や系列バス、沿線の商業施設やレジャー施設での優待が提供されるクレジットカードもある。

メリット3,即日発行できるカードも

百貨店・デパート系のクレジットカードには即日発行できるものが多い。事前にネット申し込みを行い店舗で受け取る場合もあるし、店舗に設けられた専用カードカウンターで受付と発行を行うケースもある。

即日発行のカードは対象店舗でしか使えなかったり、利用金額がかなり制限されていたりする「仮カード」で、本カードは後に郵送される場合もある。いずれにせよ、スピード発行が可能であることには違いないので、すぐにカードが欲しいという人も申し込みやすいだろう。

3,百貨店・デパート系クレジットカードの3つのデメリット――利用状況次第で年会費のほうが高くつく

メリットを見てきたが、次に百貨店・デパート系クレジットカードの3つのデメリットも紹介していこう。

デメリット1,通常ポイント還元率は高くない

対象店舗で高還元率になる一方、通常のポイント還元率は高いとはいえないカードが多い。還元されるポイントを重要視してクレジットカードを作る場合は、ほかのカードの使い分けも必要となってくることもある。

デメリット2,ポイントアップや割引優待対象が分かりにくい

同じ百貨店内でもポイント・優待対象外の売り場や商品があったり、飲食店ではポイント付与率が異なっていたりと、ポイントや優待の適用範囲が分かりにくい傾向がある。一部には、ポイントの適用範囲について誤解を招く広告内容であるとして、消費者庁から改善を求められたカードもある。

デメリット3,一般カードでも年会費がかかる

年会費無料の一般カードが数多く発行されている中、百貨店・デパート系クレジットカードでは一般カードでも年会費がかかることが多い。その百貨店・デパートをよく利用するなら問題ないが、たまの利用なら年会費とのバランス上、お得になる分よりも年会費コストのほうが高くつくか、あまり変わらないというケースもありうる。

4,百貨店・デパート系クレジットカードおすすめ3選――鉄道利用でもお得なカードも

ここからは、代表的な百貨店・デパート系クレジットカードを3つ紹介しよう。発行元のデパート・百貨店をよく使う人は、チェックしてもらいたい。

4-1,エムアイカード プラス……三越・伊勢丹で最大10%還元

「エムアイカード プラス」は、三越伊勢丹グループのクレジットカード。三越や伊勢丹、丸井今井、岩田屋など、三越伊勢丹グループ百貨店でポイントアップや優待を受けられる。年会費は2,200円(税込)で初年度無料。家族会員は年会費無料。国際ブランドはVISAとアメックス(アメリカン・エキスプレス)から選べる。来店で受け取る場合は、最短60分で発行される。

・通常のクレジット利用ポイントは還元率0.5%でエムアイポイントが貯まる

  ポイント還元率
国内利用 0.5%(200円につき1P)
海外利用 VISA:1%
(100円につき1P)
アメックス:1.5%
(200円につき3ポイント)
国内のクレジット利用では、200円につき1ポイント(1円相当)のエムアイポイントが付与される。ポイント還元率は0.5%だ。

海外のクレジット利用では、VISAの場合は100円につき1ポイントが付与され、ポイント還元率は1%。アメックスの場合は200円につき3ポイントが付与され、ポイント還元率は1.5%。ポイントの有効期限は最短で13ヵ月、最長で25ヵ月だ。

海外での利用では、還元率は比較的高いと言えるだろう。

・ポイントの利用先は三越伊勢丹グループに加えて、マイルにも移行できる

ポイントは三越伊勢丹グループ百貨店、クイーンズ伊勢丹、同グループ各オンラインストアで1ポイント→1円として支払いに使える。

その他、JALやANAのマイル、WAONポイント、ビックポイントと相互交換ができる。また、ISETAN DOOR、スターバックス、一休.com、紀伊國屋書店、エムアイポイント券などのポイント、チャージ、クーポンへの交換・移行もできる。

・三越伊勢丹グループ百貨店でのポイントアップ

三越伊勢丹グループ百貨店(百貨店以外の関連店舗も含む)における前年の年間購入額に応じて、同百貨店におけるポイント付与率が決定する。詳細は以下のとおりだ。

三越伊勢丹グループ百貨店などでのポイント還元率
三越伊勢丹グループ百貨店などでの
前年利用金額(税込)
三越伊勢丹グループなどでの
ポイント還元率
100万円以上 10%(税抜100円につき10P)
30万円以上 8%(税抜100円につき8P)
30万円未満 5%(税抜100円につき5P)
さらに、前年利用金額が以下を超える場合は、ボーナスポイントがプレゼントされる。

三越伊勢丹グループ百貨店でのボーナスポイント
三越伊勢丹グループ百貨店などでの
前年利用金額(税込)
ボーナスポイント
500万円以上 2万5,000ポイント(2万5,000円相当)
300万円以上 1万5,000ポイント(1万5,000円相当)
200万円以上 1万ポイント(1万円相当)
なお、1品3,000円(税別)未満の商品、食料品、レストラン、喫茶の利用分に関しては、ポイント還元率は一律で1%(税別100円につき1ポイント)になる。

・ポイントアップ加盟店

三越伊勢丹グループのスーパーや、その他のポイントアップ加盟店での利用でもポイントアップが適用される。対象店舗の一部を紹介しよう。
 
店舗・サービス ポイントアップ
Booking.com(宿泊予約) 4.5%
伊勢丹海外店 3%
JTBグランドツアー 2.5%
スターバックスカード
オートチャージ・オンライン入金
一休.com
Relux
ルクア大阪 2%
得タク 1.5%
伊勢丹会館 1%
伊勢丹スイング
クイーンズ伊勢丹
ISETAN MiRROR
FOOD & TIME ISETAN YOKOHAMA
ビックカメラ
ソフマップ
三越伊勢丹ニッコウトラベル 0.5%
三越海外店
国際ブランドにアメックスを選んだ場合は、アメックス独自のボーナスポイント対象店舗でもポイントアップが適用される。

・三越伊勢丹グループ百貨店での優待

三越伊勢丹グループの各百貨店のほか、周辺施設でも優待を受けられる。その一部を紹介しよう。
 
店舗 優待 内容
三越各店 三越展覧会優待 文化展・美術展などの有料催事が
会員と同伴者1名まで無料
日本橋三越本店 三井記念美術館優待 入館料税込1,000円→800円
三越カルチャーサロン優待 入会金税別6,000円→4,000円
フォトスタジオ佐藤写真 10%オフ
札幌三越 駐車場優待 2,000円(税込)以上の購入で
通常2時間無料のところ
3時間まで無料に
新潟三越 駐車場優待 カード購入により1時間サービス
伊勢丹各店 ブライダルクラブ優待 ブライダル関連の商品が
最大10%オフ
リクルート&
フレッシュマンクラブ
リクルート関連商品が5%オフ
伊勢丹立川店 駐車場優待 カード提示で1時間延長

・優待店割引

全国のホテル、レストラン、レンタカー、美容、レジャー施設、商業施設などで割引などの優待が提供される。

・トラベルサービス優待

海外旅行に便利な、スーツケースレンタル10%オフ、海外レンタルWiFi20%オフ、海外レンタカー事前予約料金より10%オフなどの優待を受けられる。

三越伊勢丹グループ百貨店で最大10%還元となるので、対象店舗をよく利用する人にとっては取得して損のないカードと言えるだろう。グループ外の提携店舗におけるポイントアップや割引優待も充実しているので、メインカードとしての使い勝手も良いはずだ。

4-2,タカシマヤカード……高島屋で常時8%還元、最大10%も

「タカシマヤカード」は高島屋のクレジットカードで、同店でポイントアップや優待を受けられる。海外・国内旅行傷害保険が付帯するのも特徴だ。年会費は2,000円(税別)で初年度無料。家族会員は年会費無料。国際ブランドはVISA、Mastercard、JCB、アメックス(アメリカン・エキスプレス)から選べる。店頭申し込みの場合は、最短で当日に発行される。

・通常のクレジット利用ポイント0.5%でタカシヤマポイントが貯まる

国内のクレジット利用では200円につき1ポイント(1円相当)が付与され、ポイント還元率は0.5%。ポイントの有効期限は、最長16ヵ月だ。

・ポイントは高島屋のお買い物券に交換できる

2,000ポイントごとに、高島屋で利用できる2,000円分の「お買物券」、高島屋オンラインストアで利用できる2,000円分の「オンラインポイント」に交換できる。また、2,000円分のお買物券を500 ANAマイルへ交換することもできる。なお、お買物券に有効期限は設定されていない。

・高島屋などでのポイントアップ

高島屋では常時8%還元、高島屋専門店では3%還元、各店での食料品・特価品・レストラン・喫茶などでは1%還元。対象店舗の一部とそのポイント還元率を見てみよう。
 
対象店舗 ポイント還元率
高島屋各店(一部除く) 8%(1商品税別100円ごとに8P)
高島屋オンラインストア
(特価品・食料品は除く)
タカシマヤファッションスクエア
各地の高島屋S.C.専門店 3%(1伝票税込200円ごとに6P)
高島屋各店の食料品・特価品
レストラン・喫茶
1%(1商品税別100円ごとに1P)
高島屋オンラインストアでの
食料品・特価品
いよてつ高島屋 3%(1伝票税込200円ごとに1P)
高島屋海外店
この他、高島屋各店で不定期に開催される「ポイントアップ特別ご優待会」の期間中は、高島屋でプラス2%となるため、最大で10%のポイントを獲得できる。

・優待店割引

全国のホテル、旅行代理店、レストラン、レンタカー、美容、レジャー施設、各種チケット、商業施設、医療施設、ライフサービスなどで、割引やポイントアップなどの優待を受けられる。優待対象レストランには、高級店も多い。

・旅行傷害保険

旅行代金をカード払いにした場合、海外最高2,000万円・国内最高1,000万円の旅行傷害保険が付帯する。

高島屋では無条件に8%還元となるため、年間利用額などの条件を意識する必要がない。その意味では、サブカードとしても使いやすいカードと言えるだろう。

4-3,TOKYU CARD……鉄道系クレジットカードとしての面も

「TOKYU CARD」は東急グループのクレジットカードで、東急百貨店だけでなく東急線でもお得に使える。交通系クレジットカードの性格も併せ持つカードと言えるだろう。

一般カードとゴールドカードの違いのほか、JALマイレージカード機能の有無、交通系電子マネー「PASMO」機能の有無、コンフォートメンバーズ機能(東急ホテルズでの優待)の有無などによって、6種類のカードが用意されている。ゴールドカード以外の4つのカードについて表にまとめると、以下のようになる。
 
カード名 国際
ブランド
年会費
(税別)
JAL
マイレージ
機能
PASMO
機能&
定期券機能
東急
ホテルズ
優待
TOKYU CARD
ClubQ JMB
(コンフォート
メンバーズ
機能なし)
VISA
Mastercard
1,000円
※初年度無料
2年目以降
家族会員:
2年目以降300円
TOKYU CARD
ClubQ JMB PASMO
(コンフォート
メンバーズ
機能なし)
TOKYU CARD
ClubQ JMB
(コンフォート
メンバーズ
機能あり)
Mastercard
TOKYU CARD
ClubQ JMB PASMO
(コンフォート
メンバーズ
機能あり)
入会手続きはウェブでできるほか、東急百貨店などにあるTOKYU CARDカウンターでも受け付けている。ただし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は対面による受付は自粛している(2020年6月16日現在)。

・通常のクレジット利用では還元率0.5%でTOKYU POINTを獲得

国内のクレジット利用では200円につき1ポイント(1円相当)が付与され、ポイント還元率は0.5%。ただし、利用明細をウェブのみで確認する「ご利用代金Web明細サービス」に登録すると、200円ごとに2ポイントが付与される(ポイント還元率1%)。ポイントの有効期限は、最長3年間だ。

・東急線利用によるポイント獲得

PASMOオートチャージ分に関しては「ご利用代金Web明細サービス」の登録の有無にかかわらず0.5%還元だが、別途「電車とバスで貯まるTOKYU POINT」として0.5%分のポイントが付与されるため、合計で1%還元となる。またPASMO定期券の購入では、1%分のポイントが付与される。「東急線いちねん定期」なら、3%分だ。

・ポイントの利用

ポイントは10ポイント→10円としてPASMOにチャージできるほか、1ポイント→1円として東急グループのTOKYU POINT加盟店での支払いに利用できる。また、JALマイルへ2,000ポイント→1,000マイルのレートで交換できる。

・東急百貨店でのポイントアップ

東急百貨店でのカード利用やカード提示により、購入金額の3%から最大10%までのポイントが付与される(食品・セール品は1%)。ポイント付与率は、同百貨店での前年の購入額によって決まる。

東急百貨店でのポイントアップ
年間購入額(税別) ポイント率
100万円以上 10%
50万~100万円未満 7%
10万~50万円未満 5%
10万円未満 3%
また東急ストアなど、東急グループのスーパーや商業施設でもポイントアップが適用される。

東急プラザ、東急ストア、プレッセ、東急ハンズでのポイントアップ
対象店舗 ポイントアップ
東急プラザ 3%
東急ストア 1.5%
プレッセ
東急ハンズ 1%
東急ストアとプレッセでは、月間購入金額に応じて250~2,500ポイントがボーナスポイントとしてさらに付与される。

・TOKYU POINT加盟店でのポイント獲得

ホテル、飲食店、レジャー・スポーツ施設、カルチャー施設、医療施設など多種多様な分野の店舗の利用でポイントを獲得できる。また三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、横浜銀行、新生銀行で所定の取引を行うことで、ポイントを獲得することもできる。

・東急ベル優待

東急ベルが提供するハウスサービス(ハウスクリーニング、家事代行、リフォームなど)で、先行予約などの優待を受けられる。

・東急ホテルズ優待

「コンフォートメンバー機能あり」のカードを選んだ場合、全国の東急ホテルズでの宿泊やホテル内レストラン・バーでの利用金額100円(サービス料込・税別)ごとに、コンフォートメンバーズポイントが5ポイント貯まる。このポイントは1ポイント→1円としてホテルの支払いに使えるほか、2,000ポイント単位で「TOKYU POINT」2,000ポイントに交換することもできる。

・旅行傷害保険

旅行代金をカード払いにした場合、海外・国内とも最高1,000万円の旅行傷害保険が付帯する。

PASMOオートチャージや定期券購入でもポイントが貯まるので、東急線を利用する人なら東急百貨店の利用があまり多くない場合も取得したほうがいいだろう。なお、公式サイトには「東急沿線在住者の3人に1人がTOKYU CARDを持っている」と書かれている。

5,百貨店・デパート系クレジットカードの選び方――イメージにとらわれすぎず個々のスペックを見てみよう

百貨店・デパート系クレジットカードを選ぶときには、当然のことだが普段よく使っている店舗のカードを選ぶことになる。すでに見てきたように、系列スーパーや商業施設でもポイントアップや優待を受けられることが多いので、百貨店・デパートをあまり利用しないという人でも、メリットを得られるケースは少なくない。

また「TOKYU CARD」のように鉄道系クレジットカードの性格も伴うカードの場合は、鉄道利用だけでもメリットが得られることもある。「百貨店・デパート」というイメージにとらわれず個々のスペックを見ていくと、自分のニーズに合う1枚が見つかるかもしれない。
 
執筆・

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
 

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