ネイティブが日常的に使う、「句動詞」。句動詞への理解が深まると、英会話力は飛躍的に向上します。しかし、私たち日本人にとって「句動詞」を使いこなすのはなかなか難しいものですよね。一見似たような句動詞も多くあるため、混乱してしまうという人もいるでしょう。そこで今回は、間違えやすい句動詞5つをピックアップしてご紹介します。

句動詞とは

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(画像=English Hubより引用)

「句動詞」とは、1つの動詞のような働きをする定形フレーズのことで、例えば「hear from(連絡をもらう)」や「give up(諦める/断念する)」、「look up to(尊敬する)」などが挙げられます。句動詞の構成パターンには、「動詞+前置詞」「動詞+副詞」「動詞+副詞+前置詞」の3つがあります。

間違えやすい句動詞 5選

では、間違えやすい句動詞を例文とともにご紹介していきます。

1. 「get on」と 「get in」

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(画像=English Hubより引用)

「get on」と「get in」は、どちらも「乗る」という意味ですが、実は乗り物によって使い分けなければいけません。バス、電車、タクシー、車、飛行機、船、バイクのうち、「get in」を使うのはどれでしょうか?

答えは、タクシーや車に乗る場合には「get in」を使います。

  • get on:bus(バス)、train(電車)、airplane(飛行機)、ferry/boat(船)、motorbike(バイク)
  • get in:taxi(タクシー)、car(車)など
【例文】
  • I have to get on the early plane tomorrow. 
    「明日の朝、早い飛行機に乗らなければならないの。」
  • I just got in the taxi, so I’ll be there in 10 minutes.  
    「今タクシーに乗ったところだから、10分後に着くよ。」

「get on」を使う乗り物から降りるときには「get off」を、「get in」を使う乗り物から降りる場合には「get out」を使うので、併せて覚えておきましょう。

また、「get off」には「退社する」、「get ~ off」では「取り除く/はずす」などの意味もあります。

【例文】
  • What time do you get off? 
    「仕事、何時に終わる?」
  • Can you get it off?
    「(蓋などを)開けてくれる?」

ちなみに「get out」には「出て行く/出発する」などの意味もあり、命令形で「Get out!」と言えば、「出てって!/消え失せろ!」という意味になります。

2. 「take after」と「look after」

「take after」と「look after」。takeとlookの違いで、意味は大きく異なります。片方は「世話をする」で、もう一方は「似ている」という意味ですが、どちらがどちらか、即答できますか?

『「似ている」にはlookを使い、「世話をする」にはtakeを使うのでは』とイメージする人も多いと思いますが、実際は反対なので注意しましょう!

  • take after~:~に似ている
  • look after~:~の世話をする、~の面倒を見る
【例文】
  • I don’t like to be told that I take after my father. 
    「私は父親に似ていると言われるのが好きではない。」
  • Don’t worry, my sister will look after my baby while I’m out.
    「心配しないで、外出中は姉が赤ちゃんの面倒を見てくれるの。」

3. 「put off」と「put out」

「put off」と「put out」。火や明かりを「消す」という意味を持つのはどちらでしょうか?

何となく、スイッチのオン(on)とオフ(off)のイメージから、「消す」を「put off」と勘違いする人もいますが、正解は「put out」です。「put off」は、「~を延期する」という意味です。また、「put ~ off」の形では「(意欲などを)失わせる」「うんざりさせる」という意味になります。

  • put off~:~を延期する
  • put out~:(明かりや火など)を消す
【例文】
  • She put off going to Spain for as long as she could.  
    「彼女はスペイン行きを可能な限り先延ばしにした。」
  • Don’t forget to put out the fire!   
    「火を消すのを忘れないで!」
  • She always complains about her boyfriend. It puts me off! 
    「彼女はいつも彼氏のことで文句を言ってるよ。もううんざり!」

4. 「cut off」と「cut out」

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(画像=English Hubより引用)

「cut off」と「cut out」も、「off」と「out」で使う場面が異なるので、注意が必要です。「髪の毛を切る」と言いたいときには、どちらを使うのが適切でしょうか?

正解は「cut off」です。

【例文】
  • cut off~:切り離す/切り落とす
  • cut out~:切り抜く/切り取る

【例文】

  • It looks like she cut off a few inches of her hair.
    「彼女は髪を少し切ったみたいだね」
  • The electricity was cut off without warning.
    「予告なく停電になった。」
  • My son likes cutting out pictures.
    「息子は絵を切り抜くのが好きだ。」

5. 「wake up」と「get up」

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(画像=English Hubより引用)

「wake up」と「get up」は、どちらも「起きる」を意味しますが、2つのニュアンスの違いは分かりますか?

wake upは「目を覚ます」を表し、「get up」は、目を覚まして「起き上がる」ことを意味します。

  • wake up:目覚める
  • get up:起き上がる

【例文】

  • I’ll take a nap, can you wake me up at 4pm?
    「昼寝するから、4時に起こしてくれる?」

句動詞の覚え方のコツ

句動詞を習得するためには、意味の暗記に加えて、例文を音読したり、句動詞を使って文を作ったりするとより効果的です。文脈の中で覚えることで理解が深まるので、自分で実際に使いやすくなります。

また、動詞や前置詞・副詞のイメージから、句動詞全体の意味を導くというのも1つの方法です。例えば、「make up」の場合は、「make=作る」+「up=上へ」=「make up(作り上げる)」とイメージできます。make upには「化粧をする」「作り話をする」「ベットを整える」など様々な意味がありますが、基本的な意味は「作り上げる」ことでイメージできるでしょう。

まとめ

1つの単語にいくつかの意味があるように、句動詞も複数の意味を持つ場合がほとんどです。多くの句動詞が存在するので、まずはネイティブが日常的に使うものや、自分で使おうとしたときに瞬時に頭に浮かばなかったものなどから覚えていくのが効果的!前置詞や副詞のイメージも捉えて、楽しみながら句動詞の幅を広げ、どんどん実際に使っていきましょう!

<この記事を書いた人>
reisuke

オーストラリア在住11年目。英語が最も苦手な教科でありながら英語を話すことに憧れ、海外生活を始める。コミュニケーションのツールとして英語を身につけ、現在では英語で夢を見るまでに。日本語教師として活動していることもあり、英語と日本語の文法の違いや国による英語の違い、言語と文化のつながりなどをライターとして発信中。

提供元・English Hub

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