老後2,000万円問題を機に、貯金額を気にする40代の人も増えているだろう。今回は40代の平均貯金残高と貯めておくべき額の目安を見ていこう。貯金が苦手だという人のために、賢い貯金方法も紹介する。40代なら老後に備えて今のうちから貯金しても遅くはないはずだ。

40代の平均貯金額はいくら?平均貯金額は511万円

金融広報中央委員会によれば、40代の平均貯金額は511万円となっている。保険や株式なども合わせた金融資産保有額の平均は942万円だ。(※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](2018年)」より)

一方、40代で金融資産を保有していない世帯も全体の26.0%に上る。40代でも全体の約3割弱は貯金ゼロということになる。

それでは、40代では実際どれくらいの貯金があれば安心なのだろうか。

40代の平均支出額はいくら?1年間で434万円

40代に必要な貯金額の目安を見ていく前に、まずは40代がどれくらい生活費等を支出しているのかを確認しよう。

2017年の二人以上の勤労者世帯(40代)の生活費の平均金額は32万円だ。単純に1年に換算すると、32万円×12=384万円となる。(※総務省「『家計調査年報』/2017年」より)

子供がいる人は、教育費用も大きなウエイトを占める支出だ。文部科学省の「子供の学習費調査」(2016年度)によると、1年間にかかる学習費は以下のようになっている。

【公立の場合】

  • 公立小学校:約32万2,000円
  • 公立中学校:約47万9,000円
  • 公立高校:約45万1,000円

【私立の場合】

  • 私立小学校:約152万8,000円
  • 私立中学校:約132万7,000円
  • 私立高校:約104万円

    また、4年制大学に通った場合、入学費用と4年間の在学費用は以下のようになる。(※日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査(2019年)」より)

【国公立の場合】

  • 国公立入学費用:約80万1,000円
  • 国公立在学費用:約114万8,000円

【私立の場合】

  • 私立文系入学費用:約90万4,000円
  • 私立文系在学費用:約160万1,000円

  • 私立理系入学費用:約85万5,000円

  • 私立理系在学費用:約185万3,000円

    そのため、小学校から大学までの教育費は、だいたい以下のような金額になる。

  • 小学校から大学まで公立の場合:約1,000万円
  • 小学校から大学まで私立(文系)の場合:約2,350万円
  • 小学校から大学まで私立(理系)の場合:約2,450万円

    仮に現在40歳の人の60歳までの生活費と子供の学費(全て公立の場合)を計算すると、必要な金額は以下のようになる。

    32万円×12ヶ月×20年+1,000万円=8,680万円

    現在40歳の人であれば少なくとも今後20年で約8,680万円を支出すると考えられる。これを単純に年数で割ると1年で必要な金額は434万円となる。

     

40代が必要な老後資金額は?老後には約1,150万円貯金が必要

また、誰にでもいずれやってくる、老後の資金準備も必要だ。2018年の高齢夫婦無職世帯の家計収支は以下のようになっている。(※総務省統計局「家計調査報告(2018年)」より)

  • 実収入:22万2,834円
  • 可処分所得(※1):19万3,743円
  • 消費支出:23万5,615円

    (※1:実収入から税金と社会保険料を差し引いた額) この可処分所得から支出を差し引くと、以下のような計算となり、家計収支では毎月約4万円のマイナスが出る。

    19万3,743円−23万5,615円=−4万1,872円

    仮にこの夫婦がともに65歳から女性の平均寿命である87歳まで23年間生きたと仮定すると、不足金額の合計は以下のような計算で求められる。

    4万1,872円×12ヶ月×23年=1,155万6,672円

    収入や家族構成、支出の傾向など、人により違いはあるが、年金以外で平均約1,150万円が不足するということは参考にしたい。

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40代の貯蓄額の目安は?多くの人が1,000万円を目標に 

ここまでで40代は平均で年間約434万円の支出があり、老後には約1,150万円が不足することが分かった。では実際に40代ではどのくらい貯金があれば安心なのだろうか。

生活費などの支出は毎年の収入で賄うとすると、必要なのは主に老後の資金だ。40代では実際に老後に必要な金額約1,150万円に加えて、予備の資金として500万円程度を用意しておくのがよいだろう。

では仮に約1,650万円を貯金残高ゼロの状態で45歳から15年間で貯めるとすると、毎月どれくらい貯金すべきなのだろうか。以下に計算式をまとめた。

1,650万円÷15年÷12ヶ月=約9.16万円

もし45歳で貯金残高がゼロの場合、毎月9万円を貯金しなければ老後に必要な額は用意できないことになる。もし毎月5万円程度しか貯金できないのなら、45歳の時点では約750万円程度の貯金額を目安にするとよいだろう。

1,650万円―(5万円×12ヶ月×15年)=750万円

このように40代での貯金額の目安がいくらかということは、個人の収入状況や生活費によって大きく異なる。自分の現在の家計状況と比較し、自分がいくら貯金できるか、また貯金はいくらあるべきかをしっかり見極めたい。

40代が賢く貯金するための5ステップ 支出・資産の把握から貯金額の設定まで

実は貯蓄が減ってしまう理由として最も多いのが、「日常生活費への支出」(61.3%)で、次に多いのが「入学金、結婚費用、旅行等の一時的な支出」(36.0%)だ。(※厚生労働省「国民生活基礎調査(2018年)」より)

40代がしっかりと貯金するためには、収入とのバランスのとれた支出を心掛けるとともに、日頃から急な出費に備えて予備の資金を作っておくことも大切である。ここからは目標の貯金額を達成するための方法をステップごとに解説していこう。

STEP1……家計の支出の把握をする

まずは、日頃どのようなものにどれだけお金を使っているかを洗い出したい。それには家計簿をつけるのが有効だ。と言っても個々の品名まで細かくつける必要はない。食費や光熱費、通信費、保険といった大まかな項目がわかるようにしよう。自分でノートに記入しても、家計簿アプリを使っても良い。ほとんどカード決済という人は、明細からも支出を確認できるだろう。

1ヵ月ごとに集計し、どの項目が多いかを把握しよう。できれば1年続けると、支出の傾向がわかりやすくなる。

STEP2……夫婦の資産状況を把握する

夫婦のどちらか片方が支出を引き締めても、もう一人が浪費して使い込むようでは貯金は難しい。万が一、隠していた借金が見つかったりしたら、その返済も行わなければならない。二人で協力することで、貯金の目標も達成しやすくなる場合もあるだろう。お互いの収入面や支出について今一度話し合ってみよう。

STEP3……貯金の目標金額を決める

資産や支出の状況を把握しても、貯金額の目標や目的がないと貯金はなかなか続かないものだ。達成する時期と目標とする貯金額は決めておこう。また、何のための貯金かということも考えたい。教育資金であれば10年後に向けていくら、老後資金であれば20年後に向けていくら、家族旅行のために1年後にいくら、といった具合だ。

STEP4……毎月いくら貯金するのか決める

目標額が決まると、毎月の貯金額も決まってくる。「10年後に1,000万円貯金する」という目標を立てた場合は、1ヵ月に約8万3,333円貯金すれば良いことになる。

ただ毎月の収支から、この金額が出せるのかも検討が必要だ。STEP1で出した支出の金額から、減らせそうな項目がないかを見極めよう。

STEP5……資産運用なども考慮する

現在、預貯金では利息がほとんどつかないので、それ以外の金融商品も視野に入れていきたい。現在持っている資産が預貯金で十分にある場合は、一部を株や投資信託などの運用に回してはいかがだろうか。

老後資金として貯金するなら、長い時間をかけて運用可能なことを踏まえ、iDeCoや積立NISAなどを利用することも考えられる。もちろん資産運用にはリスクもあるため、貯金のように確実に資産が増えない可能性もある。メリット・デメリットを理解した上で目的に適した資産運用を取り入れよう。  

40代が知っておきたい賢い貯金方法3選 自動積立、財形貯蓄、目的別口座

毎月の貯金額が決まっても、うっかり使い込んでしまえばいつまでも貯金は増えていかない。使い込みを防ぎ、確実に貯金するための方法を3つ紹介しよう。

方法1,給料の振込口座から自動積立

毎月の貯金を続けるには「先取り貯金」が有効だ。給料の振込口座から毎月決まった日に定期預金に積み立てる「自動積立定期預金」を使うことで、給料を使う前に貯金ができる。

積立日を給料日翌日に設定しておくのがポイントだ。金融機関によっては、ボーナス日に合わせ増額日を設定できたり、いつでも追加で入金できたりするサービスもある。

方法2,勤務先にある財形貯蓄制度を活用

勤務先に「財形貯蓄制度」がある場合はこれを活用したい。給料から天引きされる「先取り貯金」であり、貯蓄の目的に応じ、「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」などがある。

「一般財形貯蓄」は特に目的を問わない貯蓄である。「財形住宅貯蓄」は住宅購入やリフォーム資金のための貯蓄で、「財形年金貯蓄」は老後資金のための貯蓄だ。

メリットとして、条件を満たせばどの財形貯蓄も住宅購入時に低金利で融資を受けられる点が挙げられる。また、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は元本550万円までなら金利は非課税になる。ただし、それぞれの目的以外で使うために解約すると、さかのぼって5年分までの利子が課税対象となるので注意したい。

方法3,目的別口座を活用

生活費や教育資金、一時的な出費に備えての資金など、目的が違うものを同じ口座で管理していると、せっかく貯まってきた資金を、生活費として使いこんでしまうこともありえる。とはいえ、目的に応じていくつかの銀行に口座を持つのは大変だろう。ここで便利なのが、一部のネット銀行によって提供されている「目的別口座」というサービスだ。

各銀行でサービスは異なるが、目的に応じた資金を最大5から10の口座に分けて管理することができる。毎月の貯蓄額を目的別の口座に振り分けることで、目的ごとの貯金が今どのくらい貯まっているかを見ることができる。目標額まであとどのくらいかもわかりやすく、貯金の意識も高められそうだ。

40代なら貯金は早く始めるほうが有利

今回は40代の平均貯金額や賢い貯金方法を紹介した。今回紹介した40代の平均貯金額が多いか少ないかは人それぞれだろうが、いずれにせよ貯金を始めるのは早いに越したことはない。自分に合った方法で賢く貯金をして、目標を達成しよう。

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文・MONEY TIMES編集部
 

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