松井証券と楽天証券にはそれぞれ違いがあり、強みも異なる。そのため、どっちが自分に合っているのか迷ってしまう方も多いだろう。利用する証券会社は目的や重視するポイントに合わせて選ぶことが大切だ。

松井証券がおすすめな人の特徴
  • iDeCoを活用したい方
  • 投資信託を長期保有したい方
  • 株主優待を重視したい方
楽天証券が向いている人の特徴
  • 投資初心者の方
  • 手数料の安さを重視する方
  • NISAを活用したい方
  • 少額で国内株に投資したい方
  • ポイントで投資を始めたい方

手数料や取扱商品、ツールの使いやすさなどを比較して、自分に合った証券会社を選ぼう。

  1. 松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?目的別に徹底比較!
    1. 初心者におすすめなのは楽天証券
    2. 手数料を重視するなら楽天証券
    3. NISAなら楽天証券
    4. iDeCoなら松井証券
    5. 少額で国内株式に投資するなら楽天証券
    6. 投資信託を長期保有するなら松井証券
    7. ポイント投資を重視するなら楽天証券
    8. 株主優待を重視するなら松井証券
  2. 取引手数料・コスト比較
    1. 国内株式現物取引手数料
    2. 米国株式取引手数料
    3. 投資信託・NISA・iDeCo手数料
    4. 為替手数料、出金手数料など
  3. 商品の取り扱い比較
    1. 投資信託の取扱本数とラインアップ
    2. 国内株式の取り扱い
    3. 外国株式の取り扱い
    4. NISA対象商品
    5. iDeCoのラインアップと特徴
  4. 取引ツール・スマホアプリの使いやすさ比較
    1. パソコン向け取引ツール(高機能ツール含む)
    2. スマートフォンアプリの機能と操作性
    3. 投資情報サービス・分析ツールの充実度
  5. 口座開設のしやすさとサポート体制
    1. 口座開設の手順と所要期間
    2. 顧客サポート
    3. セミナー・投資教育コンテンツ
    4. セキュリティ対策
  6. キャンペーン・ポイント還元比較
    1. 口座開設キャンペーン
    2. 取引で貯まるポイント還元制度
    3. ポイント投資
  7. よくある質問
    1. 松井証券と楽天証券で米国株は取引できる?
    2. 未成年でも口座開設できるのはどちら?
    3. 松井証券と楽天証券の両方の証券口座を持つメリット・デメリットは?
    4. IPO投資に強いのは松井証券?楽天証券?
    5. 投資初心者が失敗しないための証券会社選びのポイントは?
    6. 松井証券と楽天証券ではどちらがセキュリティ面で安心?

松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?目的別に徹底比較!

1.松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?
(画像=MONEY TIMES編集部)

iDeCoを活用したい方や投資信託を長期保有したい方、株主優待を重視する方に合っているのは松井証券だ。初心者の方や手数料重視の方、NISAを活用したい方、少額で国内株式に投資したい方、ポイントで投資したい方には楽天証券が向いている。

目的別おすすめ証券会社
目的 おすすめ
証券会社
理由
初心者 楽天証券 ・サイトや取引ツール、スマートフォンアプリが使いやすく、学習コンテンツが充実
・単元未満株取引やポイント投資など少額から投資できる商品の選択肢が豊富
手数料 楽天証券 ・ゼロコース利用で国内株式の取引手数料が完全無料
・そのほかの手数料も業界最低水準
NISA 楽天証券 ・国内株式、投資信託、6ヵ国の外国株式に投資できる
・楽天カードや楽天キャッシュを使って最大月15万円まで投信積立が可能、
0.5%~最大2%の楽天ポイントが貯まる
iDeCo 松井証券 ・eMAXIS Slimシリーズに投資できる
・iDeCo口座で保有する商品も投信保有ポイントの対象になり、ポイントが貯まる
少額での
国内株式投資
楽天証券 ・単元未満株式取引サービス「かぶミニ」なら1株単位で
国内株式に投資できる・ポイント投資も可能
投資信託の
長期保有
松井証券 ・投資信託の保有残高に応じて付与されるポイントの還元率は業界最高水準
ポイント投資 楽天証券 ・楽天ポイントで投資信託、国内株式、米国株式、
バイナリーオプションを購入できる
株主優待 松井証券 ・優待クロス注文や優待検索機能などが充実
・地方市場(福証・札証)の銘柄も取引可能

初心者におすすめなのは楽天証券

投資初心者には、楽天証券がおすすめだ。

楽天証券は、スマホアプリ「iSPEED」が直感的で使いやすく、学習コンテンツも豊富だ。楽天ポイントを活用した少額投資や単元未満株の取引ができ、投資資金の少ない方でも投資を始めやすい。

コールセンターなどのサポート体制を重視する方には、松井証券もおすすめだ。

より詳しい内容や松井証券との違いは、後半の「取引ツール・スマホアプリの使いやすさ比較」や「商品の取り扱い比較」「顧客サポート」「キャンペーン・ポイント還元比較」で解説する。

手数料を重視するなら楽天証券

手数料の安さを重視するなら楽天証券がおすすめだ。

楽天証券では、条件を満たせば国内株式の現物・信用取引が手数料無料になる。NISA、単元未満株、為替など多くの手数料が無料化されており、コストを抑えたい方に適している。

手数料についての詳細や松井証券の違いは、後半の「取引手数料・コスト比較」で解説する。

NISAなら楽天証券

NISA口座を開設するなら楽天証券がおすすめだ。

楽天証券のNISAでは、投資信託・国内株式・米国株式に加え、中国やアセアン株式にも投資できる。クレジットカード決済による投信積立投資のポイント還元率は最大2%であり、松井証券よりも高い。

NISA口座の取扱商品や手数料などの詳細や松井証券との違いは、後半の「投資信託・NISA・iDeCo手数料」や「NISA対象商品」、「取引で貯まるポイント還元制度」などで解説する。

楽天証券の詳細を見る

iDeCoなら松井証券

iDeCo口座を開設するなら松井証券がおすすめだ。

松井証券のiDeCoは、投資家から人気の高いeMAXIS Slimシリーズをはじめ、低コストのインデックス型投資信託を中心に構成されている。

運用中、証券会社に対して支払う運営管理手数料は0円(楽天証券も同様)であり、最低水準のコストでiDeCoを利用できる。

さらに、投資信託の保有残高に対するポイント還元率は業界トップクラス。iDeCo口座で保有する投資信託も還元対象だ。運用期間が長くなるほどその差は大きくなる。

iDeCo口座の取扱商品や手数料、ポイント還元制度の詳細や楽天証券との違いについては、後半の「iDeCoのラインアップと特徴」や「投資信託・NISA・iDeCo手数料」、「取引で貯まるポイント還元制度」で解説する。

松井証券の詳細を見る

少額で国内株式に投資するなら楽天証券

少額で国内株式に投資するなら、楽天証券がおすすめだ。

楽天証券では「かぶミニ」サービスで1株単位から国内株式を購入できる。数百円程度の少額から株式投資を始められ、分散投資や積立投資もしやすい。楽天ポイントを使った株式投資も可能だ。

松井証券では単元未満株の売却しかできないため、少額で現物の国内株式に投資したいなら楽天証券が選択肢となる。

単元未満株取引を含む国内株式についての詳細や松井証券との違いについては、後半の「国内株式の取り扱い」で解説する。

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投資信託を長期保有するなら松井証券

投資信託を長期保有するなら松井証券がおすすめだ。

松井証券では、投資信託の保有残高に対して最大1%のポイント還元を受けられる。還元率は業界最高水準だ。対象はMMFやETFを除く松井証券の取り扱う投資信託で、iDeCoで保有する商品も含まれる。

同じ銘柄を保有するのであれば還元率は高いほうがよく、保有期間が長くなるほどその差は大きくなります。

ファイナンシャル・プランナー
竹国弘城
岩田 昭男

投資信託の保有に関するポイント還元制度についての詳細や楽天証券との違いは、後半の「取引で貯まるポイント還元制度」で解説する。

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ポイント投資を重視するなら楽天証券

ポイント投資を重視する方には、楽天証券がおすすめだ。

楽天証券では、楽天ポイントを使って投資信託、国内株式、米国株式、バイナリーオプションを購入できる。普段の買い物や楽天グループのサービスを利用して貯まった楽天ポイントの有効活用が可能だ。

松井証券でも「松井証券ポイント」を使って投資信託を購入できるが、対象銘柄は3銘柄に限られる。

ポイント投資や両社の違いについては、後半の「ポイント投資」で解説する。

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株主優待を重視するなら松井証券

株主優待を重視する方には、松井証券がおすすめだ。

松井証券は、優待クロス注文機能や銘柄スコアリング、優待検索などツールが充実。地方市場の銘柄も取引可能で、優待目的の投資に使いやすい。

優待クロス注文機能

優待クロス注文機能とは?

優待つなぎ売り(※)に必要な現物買と信用新規売、さらに権利獲得後の精算まで一度の発注操作で行える機能。

※現物買と信用売を組み合わせて、株価の下落リスクを抑えて株主優待の権利を取得する方法

銘柄スコアリング機能

銘柄スコアリング機能は、企業の業績や財務状況、株価の割安割高感などが一目でわかり、投資判断に役立つ。

松井証券では、楽天証券で取り扱いのない福岡証券取引所(福証)と札幌証券取引所(札証)のみに上場している銘柄にも投資可能だ。

優待投資に役立つツールや国内株式の取り扱いの違いについては、後半の「投資情報サービス・分析ツールの充実度」や「国内株式の取り扱い」で解説する。

取引手数料・コスト比較

12.松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?
(画像=MONEY TIMES編集部)

取引にかかる手数料やコスト面では、楽天証券に優位性がある。

主な取引手数料・コストの比較
松井証券 楽天証券
国内株式
取引手数料
(現物・信用)
(26歳以上)
1日の約定代金合計が
50万円までは0円
(25歳以下)
1日の約定代金合計にかかわらず0円
【ゼロコース ※1】
0円
【いちにち定額コース】
1日の約定代金合計が
100万円までは0円
投資信託
買付手数料
0円 0円
NISA取引
手数料※2
0円 0円
iDeCo
運営管理手数料
0円 0円
為替手数料
米ドル/円・片道
(定時)0銭
(円貨決済)25銭
(リアルタイム)0銭
(定時・円貨決済)25銭
出金手数料 0円 ※3 0円
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:楽天証券のSORとRクロスの利用が条件
※2:投資信託、国内株式、米国株式
※3:即時出金の場合、税込330円/回

松井証券に優位性があるのは、次のようなケースだ。

松井証券の優位性
  • 25歳以下で1日100万円以上国内株式を取引する場合の取引手数料
  • 定時為替取引で米ドルと日本円を両替する場合の為替手数料

これら以外の多くのケースでは、楽天証券のほうが有利になります。

ファイナンシャル・プランナー
竹国弘城
岩田 昭男

両社の手数料、コストについて詳しく見ていこう。

国内株式現物取引手数料

楽天証券の国内株式手数料コースには、一定の条件を満たすと利用できるゼロコースがある。ゼロコースを選択すれば、国内株式をどれだけ取引しても取引手数料はかからない。利用条件は、楽天証券のSORとRクロスを利用することであり、簡単にクリアできるものだ。

一方、松井証券の国内株式取引手数料は、1日の現物取引+信用取引の約定代金合計額に応じて決まる(ボックスレート)。約定代金の合計が50万円以下であれば取引手数料は無料だ。そのほか、若年層を対象とした手数料の優遇があり、25歳以下であれば約定代金にかかわらず手数料が無料になる。

楽天証券にも同様の手数料コース(いちにち定額コース)がある。楽天証券では、1日の現物取引+信用取引の約定代金合計が100万円まで取引手数料が無料だ。楽天証券に若年層を対象とした手数料の優遇はないが手数料無料で取引できる約定代金の上限は松井証券よりも高い。

国内株式取引手数料(税込/現物取引+信用取引合算)【1日定額手数料】
1日の
約定代金合計
松井証券 楽天証券
26歳以上 25歳以下 いちにち定額コース ※1
50万円まで 0円 0円 0円
100万円まで 1,100円 0円
200万円まで 2,200円 2,200円
200万円以上 100万円ごとに1,100円加算
(上限11万円)
100万円ごとに1,100円加算
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:日計り取引(※その日に買った銘柄をその日のうちに売る取引、いわゆるデイトレード)の場合、手数料計算時の約定代金に売却分(片道分)の約定代金を含めずに計算する(デイ割)

楽天証券で「いちにち定額コース」を選択した場合、松井証券のほうが有利になるのは、25歳以下で1日の約定代金合計が100万円を超える場合のみだ。それ以外では、楽天証券と同等か、松井証券のほうが不利になる。

楽天証券でいちにち定額コースを選択した場合の手数料比較
年齢 1日の約定代金合計 松井証券
ボックスレート
楽天証券
いちにち定額コース
25歳以下 100万円以下 0円 0円
100万円超200万円以下 0円 2,200円
200万円超300万円以下 0円 3,300円
26歳以上 50万円以下 0円 0円
50万円超100万円以下 1,100円 0円
100万円超200万円以下 2,200円 2,200円
※すべて税込

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米国株式取引手数料

米国株式現物取引手数料については、米国ETFの15銘柄の買付手数料が無料になる点で、楽天証券がやや有利だ。その点を除けば松井証券と楽天証券で手数料に差はない。

米国株式現物取引手数料(税込)
約定代金 松井証券 楽天証券 ※1
2.22米ドル以下 0米ドル 0米ドル
2.22米ドル超
4,444.45米ドル未満
約定代金の0.495% 約定代金の0.495%
4,444.45米ドル以上 22米ドル 22米ドル
<NISA口座>
約定代金にかかわらず
0米ドル 0米ドル
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:楽天証券指定の米国ETF(15銘柄)の買付手数料は無料

米国株式現物取引手数料のイメージ

1約定あたりの手数料は、約定代金が2.22米ドル以下であれば無料、22米ドル(税込)が上限となる。

投資信託・NISA・iDeCo手数料

松井証券、楽天証券とも、取り扱うすべての投資信託について買付手数料は無料だ。

投資信託手数料
松井証券 楽天証券
買付手数料(税込) 0円 0円
楽天証券松井証券のホームページをもとに筆者作成
※ファンドによっては、売却時に信託財産留保額がかかる場合あり

NISA口座における取引手数料は、楽天証券、松井証券、いずれも国内株式、米国株式、投資信託についてすべて無料です。

ファイナンシャル・プランナー
竹国弘城
岩田 昭男
NISA手数料
取引手数料(税込)
松井証券 楽天証券
国内株式 0円 0円
米国株式
(米国ETFを含む)
0円 0円
投資信託 0円 ※1 0円 ※1
中国ETF
シンガポールETF
取り扱いなし 0円
楽天証券松井証券のホームページをもとに筆者作成
※1:ファンドによっては、売却時に信託財産留保額がかかる場合あり

iDeCoにかかる手数料については、楽天証券と松井証券で差はない。

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為替手数料、出金手数料など

松井証券では、定時為替取引で米ドルと日本円を両替する際の為替手数料が無料(0銭)だ。ただし、米国株式の取引時に円貨決済を選択した場合は、片道25銭の為替手数料がかかる。

一方、楽天証券では、リアルタイム為替取引で米ドルと日本円を両替する際の為替手数料が無料(0銭)だ。それ以外の取引形態では、片道25銭の手数料がかかる。

為替手数料(米ドル/円・片道)
対象取引 為替手数料
松井証券 定時為替取引(両替) 0銭
米国株式円貨決済 25銭
楽天証券 リアルタイム為替取引(両替) 0銭 ※1
定時為替取引(両替)
米国株式円貨決済
外貨建てMMF、米国株配当金の円貨受取
債券円貨決済
25銭
松井証券楽天証券ホームページをもとに筆者作成
※1:提示されるレートには外国為替市場における業者間レートが採用されており、買レートと売レートには乖離(スプレッド)がある

証券口座からの出金する際の手数料は、松井証券、楽天証券ともに原則無料だ。ただし、松井証券でMATSUI BANK以外の金融機関に即時出金する場合は、1回あたり税込330円の手数料がかかる。

出金手数料
出金方法 出金先 出金
タイミング
出金手数料
(税込)
松井証券 翌営業日以降出金 出金先として
登録した金融機関
翌営業日以降 0円
即時出金 即時※2 330円/回
MATSUI BANK出金 MATSUI BANK ※1 即時※3 0円
楽天証券 自動出金
(スイープ)
楽天銀行 毎営業日
22:00以降に自動出金
0円
らくらく出金 楽天銀行
みずほ銀行
即時 0円
指定日出金 出金先として
登録した金融機関
0:00~15:50は翌営業日、
15:50以降は翌々日営業日
0円
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:住信SBIネット銀行マツイ支店
※2:営業日の9:00~14:50はリアルタイムで出金
※3:原則、日中・夜間・休日でもリアルタイムで出金

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商品の取り扱い比較

20.松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?
(画像=MONEY TIMES編集部)

主な商品の取扱商品について松井証券に優位性があるのは、次のような点だ。

松井証券の優位性
  • 国内株式の取扱市場(福証・札証単独上場銘柄も取引可能)
  • 国内株式の夜間取引時間の長さ
  • 米国株式の取扱銘柄数
  • iDeCo口座にeMAXIS Slimシリーズをラインアップ

一方、楽天証券には次のような点に優位性がある。

楽天証券の優位性
  • 投資信託の取扱銘柄数
  • 国内株式の単元未満株取引が可能
  • 外国株式の取扱国数
  • NISA口座の取扱商品
商品の取り扱い比較
松井証券 楽天証券
投資信託 1,907本 2,582本
国内株式取扱市場
(単元株・現物)
東証・名証・福証・札証 東証・名証
国内株式
単元未満株取引
× 売却のみ
国内株式夜間取引
/PTS取引

夜間:17:00~翌2:00

夜間:17:00~23:59
IPO
外国株式取扱国数 1ヵ国 6ヵ国
米国株式
(現物取引)
◯ 4,972銘柄 ◯ 5,099銘柄
米国株式
(信用取引)
△ 917銘柄
(買建のみ)
◯ 1,067銘柄
NISA口座 ・投資信託
・国内株式
・米国株式
・投資信託
・国内株式
・米国株式
・中国株式
・アセアン株式
iDeCo口座 投資信託:39本
元本確保型:1本
投資信託:36本
元本確保型:1本
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※2025年6月29日時点

それぞれの取扱商品について詳しく見ていこう。

投資信託の取扱本数とラインアップ

松井証券では1,907本、楽天証券では2,582本の投資信託を取り扱っている。両社とも取り扱うすべての投資信託で買付手数料は無料だ。

投資信託の比較
松井証券 楽天証券
取扱本数(総数) 1,907本 2,582本
うちノーロードファンド 1,907本 2,582本
うちインデックスファンド 424本 465本
うちアクティブファンド 1,483本 2,117本
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※2025年6月29日時点

国内株式の取り扱い

松井証券では、東京証券取引所(東証)、名古屋証券取引所(名証)、福岡証券取引所(福証)と札幌証券取引所(札証)に上場する銘柄も取り扱っている。一方、楽天証券が取り扱うのは東京証券取引所と名古屋証券取引所の2つの市場に上場する銘柄のみだ。数は少ないものの、楽天証券では福岡証券取引所と札幌証券取引所に単独で上場している銘柄は取引できない。

国内株式の比較
松井証券 楽天証券
国内株式取扱市場
(単元株・現物取引)
・東京証券取引所
・名古屋証券取引所
・福岡証券取引所
・札幌証券取引所
・東京証券取引所
・名古屋証券取引所
単元未満株取引 × 売却のみ
夜間取引/PTS取引
(取引時間)

8:20~15:30
17:00~翌2:00

8:20~16:00
17:00~23:59
IPO 2024年取扱実績 55社 54社
抽選方法 配分予定数量の70%以上
が完全平等抽選
100%完全平等抽選
抽選時事前入金 不要 必要
松井証券楽天証券、のホームページをもとに筆者作成

福岡証券取引所単独上場銘柄は26銘柄、札幌証券取引所上場銘柄している銘柄は19銘柄です。札証単独上場銘柄には、コンビニジム「チョコザップ」で再注目を集めている、RIZAPグループ株式会社<2928>などがあります。

ファイナンシャル・プランナー
竹国弘城
岩田 昭男

楽天証券は単元未満株取引に対応しており、国内株式を1株単位で売買できる。一方、松井証券は単元未満株の売却のみ可能だ。

夜間取引、PTS(私設取引所)取引は両社とも対応している。夜間取引の取引時間は楽天証券が23:59までであるのに対し、松井証券は翌2:00までと長い。

IPOの取扱実績は、ほぼ互角だ。松井証券は、事前入金不要で抽選に参加できる点に強みがある。楽天証券は100%完全平等抽選で誰でもチャンスがある点が強みだが、利用者が多く競争率が高くなりやすい。

外国株式の取り扱い

松井証券では、米国株式のみを取り扱っている。一方、楽天証券では米国のほか、中国(香港・上海A)やアセアン4ヵ国、あわせて6ヵ国の外国株式を取り扱う。

2025年6月29日時点合計の米国株式現物取引の取扱銘柄数は、松井証券が4,972銘柄、楽天証券が5,099銘柄。楽天証券が取扱数で松井証券を上回っている(参考:SBI証券5,356銘柄、マネックス証券5,019銘柄、三菱UFJ eスマート証券1,968銘柄)。

松井証券と楽天証券は米国株式の信用取引にも対応している。ただし、松井証券は買建のみ可能で、売建(空売り)はできない。

外国株式
松井証券 楽天証券
外国株式取扱国 ・米国 ・米国
・中国(香港・上海A)
・シンガポール
・インドネシア
・タイ
・マレーシア
米国株式 ※1 現物取引 ◯ 4,972銘柄 ◯ 5,099銘柄
信用取引 △ 917銘柄(買建のみ) ◯ 1,067銘柄
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※2025年6月29日時点
※1:ETF、ADRを含む

NISA対象商品

松井証券と楽天証券のNISA口座では、投資信託、国内株式、米国株式を取り扱っている。楽天証券では、さらに中国株式とアセアン株式も購入可能だ。

つみたて投資枠で購入できる投資信託の本数は、松井証券が272本、楽天証券が268本。わずかに楽天証券が上回るが、ほぼ互角だ。成長投資枠対象の投資信託は、松井証券が1,192本、楽天証券が1,367で楽天証券のほうが多い。

NISA対象商品
松井証券 楽天証券
投資信託 つみたて投資枠 272本 268本
成長投資枠 1,192本 1,367本
国内株式
米国株式
中国株式(香港・上海A) ×
アセアン株式 ×
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※2025年6月29日時点

iDeCoのラインアップと特徴

松井証券では39本の投資信託と1本の元本確保型商品、楽天証券では36本の投資信託と1本の元本確保型商品をラインアップしている。それぞれに対象となっているファンドの顔ぶれには特色がある。

iDeCo対象商品数
松井証券 楽天証券
投資信託 インデックス型 24本 15本
アクティブ型 ※1 3本 13本
バランス型 1本 5本
ターゲットイヤーファンド 11本 3本
合計 39本 36本
元本確保型 1本 1本
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:バランス型、ターゲットイヤーファンドは除く

松井証券は、eMAXIS Slimシリーズをはじめとしたインデックス型中心のラインアップで、アクティブ型は3本と少ないのが特徴だ。一方の楽天証券は、インデックス型とアクティブ型がバランスよくラインアップされている。

楽天証券の詳細を見る

松井証券の詳細を見る

取引ツール・スマホアプリの使いやすさ比較

松井証券と楽天証券では、投資スタイルに合わせて利用できるパソコン向けの高性能取引ツールやスマートフォンで手軽に取引できる専用アプリが用意されている。

主な取引ツール・スマホアプリ・投資情報サービス・分析ツールなど
松井証券 楽天証券
パソコン向け
取引ツール
・ネットストック・ハイスピード
・FXトレーダー・プラス など
・マーケットスピードⅡ
・マーケットスピードFX
スマホアプリ ・日本株アプリ
・米国株アプリ
・投信アプリ
・FXアプリ
・先物OPアプリ
・MATSUI Bankアプリ
・松井FP~将来シミュレーター~
・株touch など
・iSPEED
・iSPEED FX
・iSPEED 先物OP など
投資情報
サービス・
分析ツール
・マーケットラボ
(会社四季報、株主優待検索、決算情報など)
・株価ボード
・チャートフォリオ
・マネーサテライト
など
・フル板
・トウシル
・QUICKリサーチネット
・四季報情報
・日経テレコン
・バロンズ・ダイジェスト
など
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成

パソコン向け取引ツール(高機能ツール含む)

無料で利用できるパソコン向けの高機能取引ツールとして、松井証券ではネットストック・ハイスピード、楽天証券ではマーケットスピードⅡが提供されている。それぞれの特徴は次のとおりだ。

パソコン向け取引ツールの比較
松井証券
ネットストック・ハイスピード
楽天証券
マーケットスピードⅡ
対応商品 国内株式(現物・信用)、
先物OP
国内株式(現物・信用)、
米国株式(現物、信用)、
株価指数先物OP、
商品先物、CFD
テクニカル
指標
32種類 57種類
チャートの
機能性・操作性
・複数のチャートを同時に表示させたり、
さまざまなチャートを描画したりしてテクニカル分析が可能
・マルチチャートボード……複数銘柄のチャートと
気配を一度に監視できる
・マウスで直感的に移動・拡大・縮小・表示期間の変更作可能
・チャート上に注文中の指値や取得単価などを表示し、
ラインを動かして指値の訂正も可能
同時表示 チャート:最大9銘柄
テクニカル指標:すべて
チャート:最大4銘柄
テクニカル指標:最大5種類
注文機能 ・事前に注文条件を設定しておけば、
売買したい価格帯をクリックするだけで発注できる
・マウス操作だけで指値の訂正・取消、
返済注文の発注も可能
ドラッグ&ドロップの直感的な操作で
注文が可能な板発注ツール「武蔵」を搭載
画面の
カスタマイズ性
・株価ボード、チャート、複数気配、注文発注・
照会機能が一体となっており初心者にも使いやすい
・マイページにはほとんどの画面を自由にレイアウト可能
・1ページに最大10画面、100ページまで作成できる
情報・
分析機能
・株価ボード
登録した銘柄の現在値、出来高などの情報を一覧できる
・ランキング情報
出来高、上昇率/下落率、新高値/新安値など、
さまざまなランキングをリアルタイムで閲覧可能
・株式近接率分析
株価の節目にどのくらい接近しているかを表示できる
・個別銘柄
個別の銘柄に関する情報を一覧、発注、管理まで完結
・ザラバ情報
登録した銘柄の情報をさまざまな形式で一覧表示
・ヒートマップ
株価の騰落が一目でわかる
・アルゴ注文
事前に登録した条件を満たすと自動で発注される
・日経テレコン
日経の記事が閲覧可能
対応OS Windows Windows
(Mac版もあり)
利用料 無料 無料
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成

松井証券のネットストック・ハイスピードは、アクティブに取引する投資家向けに設計された無料の高機能取引ツールだ。クリックだけで発注できる「スピード注文」機能を搭載し、マウス操作だけで指値の訂正や取消、逆指値、返済注文の発注も可能だ。

株式Trading Centerには株価ボード、チャート、複数気配、注文発注・照会機能が一体となっており、初心者にも使いやすい。複数銘柄を一括管理できるマルチチャートボードやマルチ気配ボード、株価ボード、ランキング情報などの情報機能も充実している。

ネットストック・ハイスピードはWindows版のみのため、Macユーザーは注意が必要だ。

【松井証券 株式スピード注文画面(操作イメージ)】
https://youtu.be/6fNos2P8Djw

楽天証券のマーケットスピードⅡは、豊富な情報と直感的な操作性が特徴の高機能取引ツールだ。57種類のテクニカル指標を搭載し、マウス操作でチャートの移動や拡大縮小、表示期間の変更が簡単に行える。チャート上には注文中の指値や取得単価を表示でき、ラインを動かすだけで指値の訂正の可能だ。

注文機能では、ドラッグ&ドロップで直感的に操作できる板発注ツール「武蔵」や、条件を満たすと自動で注文が出せる「アルゴ注文」に対応。

個別銘柄に関する詳細な情報を一覧で表示、発注から管理まで完結する「個別銘柄」機能、株価の変動を視覚的に捉えられる「ヒートマップ」、さらには日経新聞などの記事が読める「日経テレコン」など、情報・分析機能も充実している。

Windows版のほかMac版も用意されており、MacユーザーもマーケットスピードⅡを利用可能だ。

【楽天証券 板発注ツール 武蔵(操作イメージ)】
https://youtu.be/karR85B-ygc

スマートフォンアプリの機能と操作性

ここでは、国内株式の取引に利用できる松井証券の「日本株アプリ」と楽天証券の「iSPEED」の機能と操作性を比較してみよう。

スマートフォンアプリ(国内株式取引)の比較
松井証券
日本株アプリ
楽天証券
iSPEED
for iPhone/Android
注文機能 ・注文画面は、シンプル注文と詳細注文から選択
・通常注文のほか、スピード注文(板発注)や
優待クロス注文にも対応
・注文画面はシンプル注文、プロ注文、かぶミニ注文から選択
・通常注文のほか、エクスプレス注文、板発注、逆指値注文、
アルゴ注文などにも対応
テクニカル
指標
20種類 17種類
投資
情報機能
・市況
(指数、為替、ニュース、ランキングなど)
・銘柄検索機能
・会社四季報
・東証売買内訳データ など
・Market Today
(指数、為替、ニュース、ランキングなど)
・日経テレコン
・トウシル
・会社四季報 など
対応商品・
取引
国内株式(現物・信用) 国内株式(現物・信用・単元未満株)、
米国株式(現物、信用)、CFD
登録可能
銘柄数
最大2,500銘柄 最大3,000銘柄 ※1
その他の
特徴
ネットストック・ハイスピード MyPageは株価や市況、ニュース、チャート、注文照会など
30種類以上のパーツを組み合わせて画面を自由にカスタマイズ可能
対応OS iOS、Android iOS、Android
利用料 無料 無料
App Store
評価
4.4/5 4.5/5
松井証券楽天証券のホームページ、App Storeをもとに筆者作成
※1:1ページに国内株式100銘柄+米国株式100銘柄+CFD100銘柄の合計300銘柄×10ページ

松井証券 日本株アプリは、銘柄検索から注文、チャート分析、資産管理まで、これ1つで完結できる高機能なアプリだ。スピード注文や逆指値注文などにも対応し、テクニカル指標も豊富。売買の手口や需給の分析に利用できる東証売買内訳データなど、中・上級者向けの情報も入手できる。

シンプルで直感的な操作性は初心者にも扱いやすい。App Storeでは、5点中4.4点の高い評価を得ている。

楽天証券のiSPEEDは、国内株式と米国株式の情報収集から取引、資産管理がこれで完結する高機能なスマートフォンアプリだ。エクスプレス注文やアルゴ注文、高性能チャート、株価アラート、カスタマイズ可能なMy Pageなど多彩な機能を搭載。

直感的に使いやすい操作性を備え、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応する。App Storeでは松井証券 日本株アプリを上回る4.5点の評価を得ており、満足度は高い。

投資情報サービス・分析ツールの充実度

松井証券の投資分析ツールであるマーケットラボには、会社四季報をはじめ、最大20年分の決算データや詳細な条件を設定できる銘柄スクリーニング機能が搭載されている。これにより、マーケットと銘柄の情報を広く深く収集し分析することが可能だ。

個別銘柄ページには、アナリストレポートを参考に算出したアナリスト予想、四半期決算を5段階で即評価するビジュアル決算、 収益性や財務健全性などから算出される銘柄スコア、対TOPIX比の収益率を予想するAIスコアなどが掲載されている。

これらは企業の業績や財務状況、現在の株価水準などをおおまかに把握でき、投資判断に役立つ。

株主優待情報のページでは、優待に関するランキングや、優待獲得に必要な情報(最低購入金額・権利確定月)を一覧できる。検索機能を使えば、優待内容や権利確定月などを指定して検索し、銘柄の絞り込みも可能だ。

松井証券オリジナル投資情報メディア マネーサテライトでは、投資に関する情報が動画でわかりやすく解説されている。「投資をまじめに、おもしろく。」というコーポレートスローガンのもとで、芸能人などを起用したエンタメ要素の強いコンテンツも豊富で、を楽しみながら投資について学べるのも魅力だ。

楽天証券では、日経テレコンやバロンズ・ダイジェスト、自社オリジナル投資情報メディア トウシルなど有料級の投資情報が無料で閲覧できるのが強みだ。

楽天証券の口座開設後には、日経テレコン(楽天証券版)の次のような機能を無料で利用できる。

日経テレコンの機能
  • 直近3日分の日本経済新聞(朝刊・夕刊)、日経産業新聞、日経MJなどの閲覧
  • 過去1年分の新聞記事検索
  • 日経速報ニュース速報

日経テレコンはスマホアプリiSPEEDでも閲覧できるため、移動中やスキマ時間などの情報収集にも便利です。

ファイナンシャル・プランナー
竹国弘城
岩田 昭男

楽天証券の詳細を見る

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口座開設のしやすさとサポート体制

38.松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?
(画像=MONEY TIMES編集部)

ネット証券大手の松井証券、楽天証券では、口座開設からその後の取引まで、非対面でもスムーズに行える体制が整っている。

口座開設・サポート体制の比較
松井証券 楽天証券
口座開設
までの所要期間
最短即日 最短翌営業日
AIチャット 24時間受付 24時間受付
オペレーター
チャット
<全般>
平日8:30~17:00
<米国株、FX>
月~金7:00~24:00
(1月1日を除く日本の祝日も営業)
平日9:00~23:00
(18:00~23:00は投資信託・NISAのみ)
土日9:00~17:00
(投資信託・NISAのみ)
※祝日・年末年始を除く
電話サポート <全般>
平日8:30~17:00
<米国株・FX>
月~金7:00~24:00
<住所変更書類受付>
24時間365日(自動応答)
<お問い合わせ全般>
平日8:30~17:00
<NISA>
平日9:00~17:00
<待ち時間(目安)>
3~10分以内
<待ち時間(目安)>
5~30分以上
PCサポート
(リモートサポート)

無料

無料
投資サポート
株の取引相談窓口

withアドバイザー
セミナー・
投資教育コンテンツ
・マネーサテライト
・松井証券YouTubeチャンネル
・投資セミナー
・トウシル
・トウシルアカデミー
・楽天証券YouTubeチャンネル
・投資セミナー/IR説明会
セキュリティ対策
(ログイン時の二段階認証の導入)

電話番号認証 など

二経路認証/多要素認証
(メール絵文字認証、電話確認) など

口座開設の手順と所要期間

松井証券と楽天証券の口座開設は、オンラインで行える。スマートフォン使って本人確認を行えば、松井証券は最短即日、楽天証券は最短翌営業日に取引を始めることが可能だ。

口座開設の手順と所要期間
松井証券 楽天証券
開設方法 オンライン
郵送
オンライン
必要書類 本人確認書類
マイナンバー確認書類
本人確認書類
マイナンバー確認書類
開設手順 1.口座開設申し込み
2.本人確認書類の提出
3.完了通知の受け取り
4.初期設定・入金後、取引開始
1.口座開設申し込み
2.本人確認書類の提出
3.完了通知の受け取り
4.初期設定・入金後、取引開始
取引開始までの
所要期間
【オンライン】
最短当日(スマホeKYC利用時)
【郵送】
最短1週間
【オンライン】
最短翌営業日
(スマホで本人確認(eKYC)時)
約5営業日後
(画像アップロード時)
松井証券楽天証券ホームページをもとに筆者作成

スマートフォンで本人確認書類や顔を撮影して本人確認を行うeKYCの場合、口座開設完了通知はメールで受け取れる。郵便で受け取る必要がないため、取引開始までの時間を大幅に短縮することが可能だ。eKYCを利用する場合、本人確認書類として運転免許証またはマイナンバーカードが必要になる。

顧客サポート

松井証券と楽天証券では、口座開設や取引などに関する問題に、AIチャットやオペレーターチャット、電話サポートなどで対応している。

一般的な問い合わせ内容であれば、AIチャットで解決できることも多い。AIチャットサポートは、両社とも24時間利用可能だ。

AIチャットやFAQ(よくある質問)で解決できない問題には、オペレーターチャットによるサポートも役立つ。原則平日17時までの受付だが、内容によっては夜間や土日も対応している。

オペレーターチャット
松井証券 楽天証券
対応内容 口座開設方法
松井証券取扱商品やサービスの概要説明
<ログイン前>
一般的なお問い合わせのみ
<ログイン後>
口座情報や取引状況に合わせた案内
受付時間 <日本株、入出金、口座開設、NISA、iDeCo、
投資信託、先物・オプション、その他>
平日8:30~17:00
<米国株、FX>
月~金7:00~24:00
(1月1日を除く日本の祝日も営業)
平日9:00~23:00
(18:00~23:00は投資信託・NISAのみ)
土日9:00~17:00
(投資信託・NISAのみ)
※祝日・年末年始を除く
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成

両社とも電話による問い合わせも可能だ。

電話サポート
松井証券 ※1 楽天証券
受付時間 <口座開設サポート>
<NISAサポート>
<MATSUI BANKサポート>
<顧客サポート★>
<投信サポート★>
平日8:30~17:00

<米国株サポート★>
<FXサポート★>
月~金7:00~24:00

<住所変更書類受付★>
24時間(自動応答)
<お問い合わせ全般>
平日8:30~17:00

<NISA>
平日9:00~17:00
つながるまでの時間
(目安)
3~10分以内 5~30分以上
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:★は口座開設済みの方を対象としたサポート
42.松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?
松井証券サポートセンター応答状況
(画像=松井証券公式ホームページより引用)

松井証券は楽天証券に比べ顧客数が少ないこともあり、比較的電話はつながりやすいでしょう。

ファイナンシャル・プランナー
竹国弘城
岩田 昭男
43.松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?
楽天証券サポート混雑情報
(画像=楽天証券公式ホームページより引用)

一方、楽天証券は顧客数が多いことに加え、急増している不正アクセス問題などで問い合わせが増加している影響もあり、オペレーターにつながるまでに30分以上かかるケースも少なくない。

資産運用や投資に関する個別の相談には、松井証券が株の取引相談窓口、楽天証券がwithアドバイザーで対応している。いずれも無料で利用できる。

投資サポート
松井証券 楽天証券
サポート
内容
【株の取引相談窓口】
・松井証券の専門相談員が一人ひとりの投資スタンスをうかがったうえで
専門的かつ客観的な情報をもとに意思決定をサポート
・日本株および米国株について、銘柄の探し方、売買の材料探し、
取引のタイミングなどを相談できる
【withアドバイザー】
(アドバイス・プレミアム)
・楽天証券の預かり資産1,000万円以上の方を対象に、
プロのアドバイザーが保有資産や運用に対する考えをヒアリングして分析
・現状の解説と改善策の提案を受けられる
受付時間 平日8:30~17:00
(完全予約制)
平日9:00~17:00
(土日祝・年末年始を除く)
利用料 無料 無料
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成

セミナー・投資教育コンテンツ

松井証券と楽天証券では、投資や資産運用について学べるセミナーや投資教育コンテンツも多く提供されている。

両社の投資情報メディアにも特色があり、松井証券のマネーサテライトは動画主体、楽天証券のトウシルは文章(記事)主体の構成だ。

主なセミナー・投資教育コンテンツ
松井証券 楽天証券
・マネーサテライト
・松井証券YouTubeチャンネル
・投資セミナー
・トウシル
・トウシルアカデミー
・楽天証券YouTubeチャンネル
・投資セミナー/IR説明会
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成

セキュリティ対策

2025年3月ごろから不正アクセスが急増していることもあり、両社とも以前に増してセキュリティ対策を強化している。

セキュリティ対策
松井証券 楽天証券
・ログイン時の電話番号認証
・SMS認証、メール認証(※1)
・128ビットSSL暗号化通信による通信盗聴防止対策
・堅牢なファイアウォールやアクセス監視システム
などによる不正アクセス対策
・取引暗証番号などによる不正利用対策
・出金先金融機関登録、変更時の二段階認証
・出金先金融機関の変更ロック受付出金依頼時の二段階認証
・取引、アクセス状況などのモニタリング、出金停止措置
・郵送および本人確認による登録情報不正変更防止対策
・セキュリティボードによるパスワード、
取引暗証番号の盗用防止対策
ログイン追加認証サービス
(二経路認証/多要素認証)
・ログイン通知メール
・出金、変更手続き時のSMS認証
・ログインパスワード、暗証番号のハッシュ化
・リスクベース認証
・なりすまし防止メール
・ID・パスワード盗み取り防止
・不正ログインの把握
・不正出金のロック、出金時の通知
・マイナンバーの徹底した安全管理措置
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:2025年7月末頃導入予定

松井証券では2025年5月31日以降、電話番号認証が必須化。登録している電話番号から松井証券の認証用電話番号に発信したあとでなければログインできなくなっている。

楽天証券でも、2025年6月1日からログイン時の追加認証(多要素認証)が必須化された。ログインするには、ログインIDとパスワードを入力後、登録済みのメールアドレスに届く認証画像(絵文字)を選択し、認証を受ける必要がある。

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キャンペーン・ポイント還元比較

49.松井証券と楽天証券、どっちが自分に合う?
(画像=MONEY TIMES編集部)

松井証券、楽天証券はキャンペーンやポイント還元制度も充実している。

主なキャンペーン・ポイント還元制度の比較
松井証券 楽天証券
総合口座開設
キャンペーン
新規デビュープログラム
(200ポイント)
・株ギフトプレゼントプログラム
(2,000円相当)
・米国株取引手数料無料プログラム
(最大2ヵ月間無料)
クレカ投信積立
ポイント還元率
(対象カード)
0.0%~最大1.0%
(JCBカード)
0.5%~2.0%
(楽天カード)
0.5%
(楽天キャッシュ)
投信保有
ポイント還元率
(対象銘柄)
最大1%(年率)
(iDeCoを含む全保有銘柄)
0.017%~0.053%(年率)
(6銘柄)
ポイント投資
対象商品
投資信託
(3銘柄)
・投資信託
・日本株式(現物)
・米国株式(現物・円貨)
・バイナリーオプション

口座開設や各種取引などに応じて、松井証券では松井証券ポイントやOki Dokiポイント(クレカ投信積立)、楽天証券では楽天ポイントが貯まる。貯まったポイントは、商品の購入に使うことも可能だ。

口座開設キャンペーン

2025年6月現在、松井証券で総合口座開設すると200ポイント(200円相当)の松井証券ポイントがもらえるキャンペーンが実施されている。

一方、楽天証券では総合口座を開設してクイズに正解すると株の購入に利用できる株ギフトが2,000円分もらえる。

取引で貯まるポイント還元制度

松井証券と楽天証券では、クレジットカード決済による投資信託の積み立てや投資信託の保有でポイントが貯まる。楽天証券では、取引手数料の支払いやクレカ金・プラチナ・銀積立などでもポイントが貯まり、松井証券よりも対象となる取引の種類は多い。

取引に対するポイント還元制度
松井証券 楽天証券
クレカ投信積立
(対象カード/積立上限額)
0.0%~1.0%(最大 ※1)
(JCBカード/月10万円)
0.5%~2.0%
(楽天カード/月10万円)
0.5%
(楽天キャッシュ/月5万円)
投信保有
(対象銘柄)
最大1%(年率)
(iDeCoを含む全保有銘柄※2)
0.017%~0.053%(年率)※3
(6銘柄)
その他のポイント
還元制度
・クレカ積立デビューキャンペーン ・SPU(投資信託・米国株式)
・クレカ金・プラチナ・銀積立
・取引手数料ポイントプログラム
・投資信託資産形成ポイント
・楽天銀行ハッピープログラム
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:還元率はポイントの利用先により変動、一般カードはクレカ投信積立以外のショッピング利用額が月額5万円以上の場合のみ還元の対象
※2:iDeCoで保有する銘柄を対象とするには投資信託お客様サイトでiDeCo口座情報の登録が必要
※3:還元率は投資する銘柄により決まる

松井証券では、2025年5月24日に念願のクレカ投資積立サービスがスタートしました。JCBカードによる投信積立で最大1.0%(通常時、キャンペーン適用で最大7.0%還元)のOki Dokiポイントが貯まります。積立額の上限は月10万円です。

ファイナンシャル・プランナー
竹国弘城
岩田 昭男

ただし、一般カードは投信積立以外のショッピング利用額が月額5万円未満だとポイント還元対象とならないなど、楽天証券に比べて条件は厳しい。

楽天証券では、楽天カードによる投信積立で最大2%の楽天ポイントが貯まる。積立額の上限は月10万円。楽天キャッシュ(上限月5万円)を合わせると、月15万円までポイント還元を受けながら積み立てが可能だ。

クレカ投信積立のポイント還元率・条件比較
松井証券 楽天証券
カード利用額の条件 月5万円未満 ※1 月5万円以上 ※1 なし
一般カード 0.0% 0.5% 0.5%
上位カード 【プレミアカード】
最大0.5%
【プレミアカード】
最大1.0%
【ゴールドカード】
0.75% ※2
【プラチナカード】
1.0%
【ブラックカード】
2.0%
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※1:クレカ投信積立以外のショッピング利用額
※2:代行手数料年率0.4%(税込)以上の銘柄は1.0%

松井証券は、投資信託の保有残高に応じたポイントの還元率で業界トップクラスだ。MMFとETFを除く全取扱銘柄が対象であり、あらかじめ口座情報を登録することでiDeCo口座の保有商品も対象になる。楽天証券にも同様の還元サービスはあるが、対象銘柄は6銘柄と少ない。

【楽天証券の投信保有ポイント対象商品(還元率・年率)】
  • 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド(0.017%)
  • 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド(0.028%)
  • 楽天・プラス・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド(0.033%)
  • 楽天・プラス・日経225インデックス・ファンド(0.053%)
  • 楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド(0.05%)
  • 楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド(0.05%)
※出典:楽天証券公式ホームページ
※上記6銘柄は楽天証券のみで購入できる投資信託

例えば、ひふみ年金を100万円、1年間保有した場合、松井証券であれば3,550ポイントが付与されるが、楽天証券ではポイント還元は受けられない。

投資信託の保有残高に応じたポイント還元率の比較
松井証券 楽天証券
eMAXIS Slim全世界株式
(オール・カントリー)
0.0175%
(175ポイント)
0% ※対象外
(0ポイント)
ひふみ年金 0.355%
(3,550ポイント)
0% ※対象外
(0ポイント)
GS日本小型株ファンド 1.0%
(1万ポイント)
0% ※対象外
(0ポイント)
楽天・プラス・オールカントリー
株式インデックス・ファンド
取り扱いなし 0.017%
(170ポイント)
松井証券楽天証券のホームページをもとに筆者作成
※カッコ内は保有残高が100万円であった場合に付与されるポイント数(残高の変動がなかったと仮定した場合の概算)
※松井証券の投信残高ポイントサービスは毎月エントリーする必要がある

ポイント投資

松井証券では、松井証券ポイントで投資信託に投資できるが、対象商品は次の3銘柄のみだ。

松井証券のポイント投資対象商品 ・ひふみプラス ・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス ・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

一方、楽天証券では、貯めた楽天ポイントを使って取り扱いのあるほとんどの投資信託のほか、国内株式、米国株式、バイナリーオプションにも投資できる。

ポイント投資
松井証券 楽天証券
投資に使えるポイント 松井証券ポイント 楽天ポイント
楽天証券ポイント ※1
投資できる商品 投資信託(3銘柄 ※2) ・投資信託
・国内株式
・米国株式(現物・円貨)
・バイナリーオプション
松井証券楽天証券ホームページをもとに筆者作成
※1:楽天証券ポイントで投資できるのは投資信託だけ

楽天証券の詳細を見る

松井証券の詳細を見る

よくある質問

松井証券と楽天証券で米国株は取引できる?

松井証券、楽天証券ともに米国株の現物取引と信用取引が可能だ。ただし、松井証券では米国株の信用取引の売建て(空売り)はできない。

松井証券の米国株サービスは後発ながら、取扱銘柄数を急速に増やしている。現物取引では楽天証券(5,099銘柄)を追随する4,972銘柄を取り扱う(2025年6月29日時点)。

未成年でも口座開設できるのはどちら?

松井証券、楽天証券とも総合口座開設済みの親権者が同意のうえ申し込むことで、18歳未満の未成年の名義で未成年口座を開設できる。なお、本人が通常の総合口座を開設できるのは、両社とも18歳以上になってからだ。

楽天証券の未成年口座では、未成年者が15歳以上であれば、未成年者本人も取引(取引主体となること)ができる。

松井証券と楽天証券の両方の証券口座を持つメリット・デメリットは?

それぞれの強みを活かせる点がメリットだ。資産を分散して保有することで、システム障害が発生した場合のバックアップや不正利用が発生した場合のリスク軽減などの効果も期待できる。

デメリットとしては、資産が分散して資産状況を把握しにくくなったり、管理に手間がかかったりする点が挙げられる。

IPO投資に強いのは松井証券?楽天証券?

IPOの取扱実績では、ほぼ互角だ(2024年の実績)。

松井証券は完全平等抽選ではないものの、事前入金が不要で抽選に参加しやすい。楽天証券に比べて口座(顧客)数が少ないため、比較的競争率が低い点も強みだ。

楽天証券は完全平等抽選であり誰でも平等に当選のチャンスがある点が強みだ。ただし、口座(顧客)数が多いため競争率は高い。

当選確率をアップさせるには、松井証券と楽天証券でそれぞれに口座を開設して、両方から申し込むのが効果的な方法だ。

投資初心者が失敗しないための証券会社選びのポイントは?

自分の取引スタイルにあった証券会社、重視する点に強みのある証券会社を選ぼう。

利用してみないとわからない点も多いため、迷ったら口座を開設して実際に利用してみるのがおすすめだ。そのうえで、自分にとってより使いやすい証券会社をメインに利用すればよい。それぞれに強みがあるため、目的に合わせて使い分けるのもよいだろう。

松井証券、楽天証券ともに口座開設手数料や口座管理手数料はかからない。

松井証券と楽天証券ではどちらがセキュリティ面で安心?

松井証券、楽天証券ともに複数のセキュリティ対策を導入している。追加認証など、証券会社から求められる対策を講じていれば、一応は安心といえるだろう。

とはいえ、不正アクセスなどの被害に100%遭わないとは言い切れない。不安な場合は、複数の証券会社に資産を分散するなどの対策も有効だ。

竹国弘城
名古屋大学工学部機械航空工学科卒業。証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、家計改善や住宅購入、資産形成、相続など、お金に関するコンサルティング、大手金融機関や各種メディアでの執筆・監修を行う。RAPPORT Consulting Office代表。

■保有資格
1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®︎
証券外務員1種
サウナ・スパプロフェッショナル

名古屋大学工学部機械航空工学科卒業。証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、家計改善や住宅購入、資産形成、相続など、お金に関するコンサルティング、大手金融機関や各種メディアでの執筆・監修を行う。RAPPORT Consulting Office代表。

■保有資格
1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®︎
一種証券外務員
サウナ・スパプロフェッショナル