ヒトをその他の動物から分かつ特徴の1つが道具の使用である。我々の祖先は遥か昔から各種の道具を作り、使ってきたのだが、歴史系メディア「Ancient Origins」がその中でもきわめて興味深い古代の遺物を紹介している。

■トロンハイムの太陽の馬車(紀元前1700~500年頃:デンマーク)

 トロンハイムの太陽の馬車(Trundholm Sun Chariot)は1902年にデンマーク・シェラン島の沼地から発掘された青銅と金の工芸品である。

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(画像=トロンハイムの太陽の馬車 画像は「Wikimedia Commons」より,『TOCANA』より 引用)

 この工芸品は北欧青銅器時代(紀元前1700~500年)に属すると言われているが正確な年代はまだ特定されていない。

 車両は青銅の馬と片面に金の薄いシートがプレスされた青銅の円盤、そして同じく青銅で作られた6つの4本スポークの車輪で構成されている。

 トロンハイムの太陽の馬車は、儀式に用いられていただけでなく、カレンダーとして機能していた可能性も示唆されている。コペンハーゲン大学の考古学教授、クラウス・ランズボルグによれば、黄金の“昼”側は太陽年の3分の1に関連する寸法を持ち、一方、中央の大きな同心円の“夜”側は太陰暦の6カ月に関連付けられた寸法を持つと説明し、したがって「太陽の馬車の昼側の太陽暦と夜側の月暦を参照しており、これは完璧な計算に基づくと思われる」と結論づけている。