巨額なお金を手に入れたとしても、そこから先の人生が幸せになるとは限りません。

今回は宝くじで大当たりして大金を手にした人の悲しい体験談をMONEY TIMES編集部がアンケート調査しました。

■幼い頃仲良くしてくれた魚屋のおじさん

約35年前、私が小学校に入学する前の出来事です。

当時、私は山奥の村に住んでいたのですが、週に一度トラックでやって来る魚屋さんのところへ、私と祖母で魚を買いに行くという習慣がありました。

魚屋のおじさんは子どもの私にも「お、元気かい?かわいいなあ。これあげるよ」と言って、ミカンや駄菓子などをくれる、非常にやさしい人でした。

おじさんの明るい態度と元気な接客が好きだった私は、毎週彼に会うことを楽しみにしていました。

しかしある日、おじさんの態度が大きく変わりました。

常に不機嫌でやる気を感じさせない態度に、祖母や村のお婆ちゃんたちも「あの兄さん、人を馬鹿にした態度やな」と不満を漏らすほどでした。その後おじさんは村に現れなくなりました。

祖母に理由を尋ねたところ「魚屋を辞めたんや。」とだけ言っていました。

おじさんが村に現れなくなってから3カ月後、街のスーパーで彼を見かけました。

彼は全身白いスーツに身を包み、先の尖ったヒールの白い靴、白いパナマ帽をかぶっていて、かたわらには派手な服を着た女性がいました。