YouTubeでの収益が低下していると再三、報じられている。なかには最盛期に比べて収益が5分の1から10分の1ほどに下がったと公表しているユーチューバーもいる。運営するGoogleも広告収入が減少しており、その影響も少なからず出ている模様だ。

数年前までは、YouTubeで売れれば一般の会社員の生涯収入に相当する金額を1年で稼ぐこともできた。そのため、高校生や大学生からお笑い芸人、アイドルまでこぞってYouTubeに参入。だが、今やユーチューバーは飽和状態になった。

また、目立とうとするあまり、YouTubeやTikTokなどで迷惑行為や犯罪まがいの行為を公開し、炎上騒動になるケースも急増。配信サービスの運営側は、迷惑行為などの動画を非公開にしたり、投稿者のアカウントを閉鎖するなどの対応をしているが、炎上を狙うかのような動画は途絶える兆しがない。

「すでに有名になったチャンネルの2番煎じのような内容や、迷惑行為で人目を引くような動画が増えたこともあってか、YouTubeなどの動画投稿・配信サービスから視聴者がだんだんと離れてきているとみられます。動画に貼り付けられた広告の収益は、かつてと同じ程度の再生回数でも、5分の1程度に落ちているとの分析もあります。そもそも、YouTubeの広告は時期や業界などによって単価が異なるのですが、それでも数年前に比べて大幅に落ち込んでいるのは確かです。もはや、YouTubeだけで儲けるビジネスモデルは終焉を迎えているのかもしれません」(芸能記者)

そんななか、美容クリニックにあるユーチューバーが営業をかけていることが話題になっている。仙台市の形成外科クリニックのTwitterで、以下のような投稿があった。

「Instagramで有名YouTuberから当院の取材をしたいとDMがありました。詳しい友人によると、同様の話が多いのと、実際の報酬は500超の見積だとのこと。当院はYouTubeに露出しなくてもどうにかやっていけますが、YouTuberも大変なんだなーと思いました」

つまり、報酬500万円でクリニックの宣伝をしてあげます、という内容の営業メールだ。特に珍しい内容でもないが、500万円というのは、なかなか強気の設定金額だ。

「YouTubeの業界でも、報酬500万円を案件としているユーチューバーは多くありません。まず、登録者数が100万人以上で、再生回数もコンスタントに数十万~100万回ほど見られている人であることが前提になります。影響力が強くなければ500万円の価値があるとはいえないからです。また、好感度も必要です。いくら再生回数が多いチャンネルでも、視聴者から嫌われていると宣伝効果は弱いですからね」(芸能記者)

上記ツイートで、営業をかけた“有名YouTuber”というのが、「ラファエル」ではないかとの見方が広がっている。ある美容外科医が当該ツイートに「先生が500払うってことですか? 取材してやるから広告費出せって意味ですか?」と問うと「その通り」と答えたことで、「仮面割りたくなりました、、、 どれだけ僕らを下に見てるのか」と怒りをあらわにしている。この“仮面YouTuber”との会話から、ラファエルと推測されているのだ。

ラファエルといえば、YouTubeを含め事業収入が激減し、経費削減のためにマネージャーや秘書含む計5人の従業員を解雇したと発表している。また、現在の東京の住居の家賃が月額140万円かかっていることから、千葉に引っ越すことを決定。事務所についてもサイズダウンしていく方針を明かしている。

「ラファエルは自身のTwitterで、毎月1万5000通の営業メールDMを送っていると明かしています。話題になったツイートに出てくるDMは、そのうちの一つでしょう。さまざまな企業に『1件500万円で宣伝します』との営業をしているのだと思います。

ラファエルは自身が整形をしたことを明かしつつ『皆んな整形したほうがいい』とツイートし、美容外科医からたしなめられています。自身が美容に興味を持っていることから、美容業界に多数の営業メールを送っているのでしょう。実際に、ほかの美容クリニックでもラファエルからDMが来たとの声を聞きます」(同)

営業DMがラファエルとみられることで、「仮面をつけて素顔を出さないユーチューバーが整形の営業か」「すっかり動画を見られなくなっているのに500万円の価値はないだろう」「まるで押し売り」など、揶揄する声がSNS上で少なくない。

「YouTubeの収益が下がったとはいえ、ラファエルは複数の事業を展開しており、仮にYouTubeでの収益がゼロになっても別の道で生きていけるでしょう。かつては年収5億円超を稼いでいたともいわれており、相当額の貯金があることも明かしています」(同)

YouTubeバブルが終わり、YouTubeからの引退を発表するユーチューバーも相次いでいる。すでに名前の売れたユーチューバーは、その知名度を生かし、別の道を模索する動きも出ている。今後、さまざまな形で“元ユーチューバー”の名前を耳にするようになっていくのかもしれない。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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