INDEX

1954 EXPLORER Ref.6298 Cal.775

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

エドモンド・ヒラリー卿のエベレスト登頂をPRに使うため、そのイメージを搔き立てるエクスプローラーという名前を打ち出したロレックス。それはドレスモデルにも及んだ。一説には北米向けとも。同じ型番で3.6.9ダイアルのドレスモデルもあり、そこにエクスプローラーと入っているものも存在する。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)

1956 EXPLORER Ref.6610 Cal.1030

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

エクスプローラーはRef.6350という初代モデルに始まり、第二世代がこのRef.6610となる。特徴的なニス系のミラーダイアルのため、文字盤が枯れても艶感は残ることが多い。ドットの大きい秒針は、その名の通りビッグドット針と呼ばれている。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)

1958 EXPLORER Ref.5504 Cal.1530

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

36mm径のビッグケースを使ったエアキングと同じ型番Ref.5504を持つモデル。正三角形に近い12時位置のトライアングルなど文字盤デザインは初期モデル(Ref.6350、6610)に似ている。ファン垂涎の白秒針が付いている点も魅力的。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)

1960s EXPLORER Ref.1016 Cal.1560

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

シンプルな顔つきがミニッツサークルが入ることで、引き締まる。Ref.1016は1960年に登場した第3世代で、1989年までのロングセラーだった。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)

1960s EXPLORER Ref.1016 Cal.1560

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

重厚感のあるミラーダイアルとそこに刻まれたゴールドレザーの相性が抜群。ドレスからカジュアルまで幅広く使いやすい。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)

1964 EXPLORER Ref.5500 Cal.1520

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

ケース径が約33mmの小ぶりなエクスプローラー。このRef.5500はエアキングと同じ型番である。ミニッツサークル入りのミラーダイアル仕様。SUPER PRECISION 表記のものも存在する。参考商品(ワンミニッツギャラリー TEL03-3478-2874)

1966 EXPLORER Ref.1016 Cal.1570

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

物足りないくらいシンプルなデザインがエクスプローラーの魅力。この1本はミラーダイアルの最後期のものだが、しっかりと彫り込まれたゴールドレターのコントラストが美しいモデルである。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)

1972 EXPLORER Ⅱ Ref.1655 Cal.1570

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

1971年に登場したエクスプローラーⅡ。こちらはマーク1ダイアル、マーク1ベゼル、ストレート秒針など初期モデルらしいディテールを併せ持つ。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)

1973 EXPLORERⅡ Ref.1655 Cal.1570

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

1972年から採用されたというマーク2ダイアルベゼルを装備した1本。参考商品(原宿コルリオーネ TEL03-3498-7878)

1979 EXPLORERⅡ Ref.1655 Cal.1570

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

1971年に登場して以来、’87年まで販売されていたロングセラーモデル。こちらは’79年製で、今のデザインに近しいマーク5ダイアルにマーク3ベゼルを装備。参考商品(ワンミニッツギャラリー TEL03-3478-2874)

1986 EXPLORER Ref.1016 Cal.1570

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

’86年製とかなり後期のマットダイアルモデル。’70年代前半頃から名機Cal.1570を搭載するようになり、ハック機能も使うことができるようになる。参考商品(スイートロード TEL044-544-8177)

1987 EXPLORER Ⅱ Ref.16550 Cal.3085

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

1987年に登場した第二世代のエクスプローラーⅡの中でも希少とされるアイボリーダイアル。白文字盤はインデックスの縁が緑だが、アイボリーはシルバーで縁取られている。そのため経年変化ではなく、アイボリーは特別に用意されてものなのだろう。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)

1988 EXPLORER Ref.16550 Cal.3085

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

こちらは第二世代の最初期型の黒文字盤モデル。その後1991年から2か国の時間を把握できるGMT機能を持ったCal.3185にムーブメントを変更した第三世代のRef.16570が登場した。参考商品(ジャックロード TEL03-3386-9399)

クラウンロゴのないエクスプローラーが存在??

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

このエクスプローラーを見て何か違和感がないだろうか? そう、クラウンロゴがないのである。これはRef.6610で彫り込みのミラーダイアル仕様。よく見ると、SWISS ? T<25表記なので、トリチウム夜光。実はこれ、ロレックスのサービスダイアル=交換ダイアルであるというのが通説。残存数が少なすぎるため、今後プレミアがつくのではとささやかれている超レア物だ。参考商品(クラウンマニアックス トウキョウ TEL03-6260-9913)

「エクスプローラー」ラバーの愛機をチェック!

歴史を振り返り流行に左右されない普遍性が分かったことで、ますますエクスプローラーについて知りたくなってきたのでは? ということで、ファッション業界で活躍する9名の「エクスプローラー」ラバーたちが語る、愛機との出会いやその魅力などのエピソードからより物欲を高めよう。

「ベルベルジン」 ディレクター 藤原 裕さん × 1979 ROLEX EXPLORER Ref.1655

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日本のみならず、世界中にフォロワーがいるベルベルジンの藤原さん。氏が愛用しているヴィンテージが注目され、結果的に市場価値を上げてしまうほど、ヴィンテージ業界では強い影響力を持つ。そんな藤原さんは、大のエクスプローラーⅡ好きで、全部で3つ所有する。その中でも憧れの1本だったのが、この初期のRef.1655である。

「この時計の存在を知ったのは、まだ10代の頃。地元にある高知のビームスのショップスタッフの方が着けていたんです。成人式の時に着けるぞ! なんて息巻いていたのですが、今考えたらものすごく安いとはいえ、さすがに手が出なくて。その後も先輩から80万でオファーがあったのですが、20代前半にはその金額は厳しくて……。25歳の時に決心して、その先輩に電話をしたのですが、もう100万で売ってしまったと(笑)。だからその時は、後継モデルであるRef.16570を買ったんです。その後にどんどんとこの1655は値上がりして、いつのまにか200万オーバーになってしまいました。そんな時にちょうどお世話になっている方からいいオファーがあったんです。それで清水の舞台から飛び降りる気持ちで、この個体をゲットしました。ティファニーとのダブルネームで、その真贋はスペシャリストの方々でもなかなかわからないそうです。ティファニーとのダブルネームだから高く買ったわけでもありませんし、純正の文字盤もセットで売ってもらったので、気にせずに着けています…この焼けた風合いも最高なんです」

愛用しているのは……1979 ROLEX EXPLORER
 

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このエクスプローラーⅡがスッキリとして見えるのは、純正のサイクロップレンズ付き風防から、ヴィンテージローリーズのオリジナル風防に替えたから。
 

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1971年頃に発売されたエクスプローラーⅡ。初期は針がストレートの仕様で、文字盤やベゼルの書体が異なり、細かくカテゴライズされている。藤原さんのエクスプローラーⅡはマーク3と呼ばれるダイアルとベゼルがセットされている。Cal.1570を搭載。
 

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エルメスのブレスとのコーディネートも絶妙。オレンジの24時間計が際立っている。

「フルカウント」 代表 辻田 幹晴さん × 1971 ROLEX EXPLORER Ref.1016

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「時計はいろいろ持ってはいるんですが、そのなかでも、もう20年近く着用しているのがこの1本で、気がつけばけっこう長い付き合いになってます。じつはこのエクスプローラーにはちょっとしたストーリーがあるんですが、もともとは当時の現行モデルだったエクスプローラーを持っていたんですが、それを紛失してしまって。それで、せっかくならアンティークで買い直そうと手に入れた1本なんです。

エクスプローラーのいいところは良い意味で余計な機能がないところだと思うんです。だから全体のデザインもシンプルだし、それでいて、どんなスタイルや場面でもしっくりくるところです。ドレッシーにもカジュアルにも合わせられる時計の代表格だと思うんです。それでいてイヤらしいイメージもありませんから、昔、友人が僕が付けているのを気に入って同じアンティークを探して手に入れたなんてこともあったんですが、それくらい、いろんな人のいろんなスタイルにしっくりきてしまう定番的なところが、エクスプローラーのひとつの魅力だと思いますね。

考えてみたら日常着として毎日履きたくなる定番服というフルカウントのコンセプトにも近い存在ですね。気兼ねなく付き合えるし、ついつい、いろんな時計コレクションのなかから、やっぱりこれかなと毎日着用してしまう存在。それでいて大きな故障もすることなく動いてくれるんで、決して派手さはないかもしれませんが、定番の良さを再認識させてくれるモデルなんじゃないかなと思っています。今後もこれは手放さないと思いますね」

愛用しているのは……1971 ROLEX EXPLORER Ref.1016
 

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神経質になることなく、そのまま普段使いしているが、大きな不具合が出ることもないのはロレックスの優秀さなのかもしれない。ちょっとした小さい傷も味わいだ。

「THE H.W.DOG&CO.」 オーナー、デザイナー 弦巻 史也さん × 1963 ROLEX EXPLORER Ref.1016

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昔ながらのデザインや製法を踏襲し、日本のみならず海外でも知名度を上げている東京拠点のハットブランドTHE H.W.DOG & CO.の代表兼デザイナーを務める弦巻さん。普段の装いもヴィンテージウエアが中心で、それに合う時計を探していたところ、原宿の知る人ぞ知るヴィンテージロレックス店「ヴィンテージローリーズ」にてこのエクスプローラーと出会った。ほぼ毎日、一軍選手として愛用する大事な1本である。

「エクスプローラーは以前からずっと欲しいと思っていたモデルでした。あまり大げさではなくて、デザインがシンプルなところが一番の魅力ですね。これは初期型ならではのミラーダイアルかつ、インデックスの外周にサークルとシックスドットが入る希少な仕様です。イギリス軍に納入していたウォルサムの6B / 234 Mk.8 など、普段は旧いミリタリーウォッチも愛用していますが、このエクスプローラーは、自分のブランドが軌道に乗ってきて思い切って購入したという経緯もあるので、万が一のことがあったら怖いので海外出張には持っていかないようにしています!! 海外の時はミリタリーの出番ですね。これを購入したヴィンテージローリーズは、ロレックスでメカニックとして修行を積まれた方がやっているお店で、技術はもちろん、ヴィンテージのラインナップも素晴らしいんです」

愛用しているのは……1963 ROLEX EXPLORER Ref.1016
 

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半分ほどダイアルが褪色になっており「トロピカルダイアル」へと変化を遂げつつある。6の下に付いたドット、通称シックスドットにも注目。エクスプローラーⅠの傑作と名高いRef.1016の中でも希少な1本だ。ブレスレットはリベットブレスを装備。

「ヴィンテージワークス」 オーナー 堀内 賢 × ROLEX EXPLORER Ⅱ Ref.1655 1971 Mk-Ⅰ BEZEL&DIAL

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恵比寿にショップを構える日本製ベルト専業ブランド「ヴィンテージワークス」のオーナー&デザイナーを務める堀内さん。アメリカンヴィンテージで全身をコーディネイトという日も珍しくないほど、20代の頃から根っからのヴィンテージ好きだ。手放してはもう一度買い直し、というアイテムも多いそう。時計に関してはロレックスのスポーツモデルをいくつか愛用しているが、そんな堀内さんが最近念願叶って手に入れたというのがこの’70年代のエクスプローラーⅡ。価格上昇がとどまることを知らなかい昨今のヴィンテージロレックス市場、その中でも極めてレアな仕様の1本である。

「今まで持っていたものを資本にして思い切って購入した、人生3本目のエクスプローラーⅡです。Mk-Ⅰのベゼルとダイアル、ストレート針が付いた、Ref.1655の最初期にあたるモデルです。原宿のヴィンテージローリーズという大変信頼のおけるショップで購入したもので、エクスプローラーはこれで最後にしようと思っているほど素晴らしい出会いでした。レアな仕様もさることながら、’70年代のエクスプローラーは、ラグジュアリーブランドなのにいい意味で野暮ったさがあって、ギラギラしていないところが好きなんです」

堀内さんにとっては大事なヴィンテージコレクションのひとつであり、清水の舞台から、という意味ではビジネスの御守りでもあるだろう。「今後万が一何かあっても、これが身代わりになってくれるかなと(笑)」

愛用しているのは……ROLEX EXPLORERⅡ Ref.1655 1971 Mk-Ⅰ BEZEL&DIAL
 

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同じRef.1655でもこちらは後年のモデルよりもはるかに高値で取引されている。ロレックスで時計技師として経験を積んだ職人が完璧なオーバーホールを手がけた極上の1本。
 

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数字が太い書体で中央寄りに位置するのがMk-Ⅰベゼルの特徴。針の白い経年変化も魅力的な点。

「ナノ・ユニバース」 経営企画本部 PR/マーケティング部長 田中 直樹さん × ROLEX EXPLORER Ⅱ

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今回紹介していただいたモデルは、17年前につけている人を見てからというもの、ずっと心に残っていたのだという。いわゆる田中さんのひと目惚れというやつだ。

「22歳のときに当時40歳くらいのオシャレな方がつけてて、なぜかその記憶がずっと残ってて、絶対にファースト時計はこれって決めていました。そして2年前の夏に、香港出張に行ったときにブランド街を見ていたら、サイズや細部が微妙に異なる同じエクスプローラーⅡの別モデルを見つけたんです。その瞬間「あっ(欲しい)!」と思ったのですが、でもやっぱり違うなと。ただ、偶然の巡り合わせのおかげか、眠っていた”あの時計”への思いが急に上がってしまい、帰国後すぐに銀座に行きました。お店で在庫調べてもらったらたまたま残っていたので、即購入しました(笑)。普段はカジュアルな装いが多いのでパーカーやデニムに合わせています。アクセサリー感覚というのもありますね。あとゴツすぎずシンプルすぎない、40mmという大きさが自分にはちょうどいいです」

長年思い焦がれてた相手とめでたく成就してからというもの、24時間ほぼ一緒に生活しているという。「寝る時とランニングの時以外は、常につけています。服も靴もそうですが、買ったものは何でも使い込むタイプなので、それは時計も例外ではないです。今後他人に譲ることはないと思いますし、資産運用とかも考えていませんから。骨まで愛し続けます(笑)」

愛用しているのは……ROLEX EXPLORER Ⅱ
 

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探検家のために作られ耐久性&機能性の両面を追及したエクスプローラーⅡのサードモデル、コレクターの間では、品番から通称”5ケタ”と呼ばれている。
 

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裏蓋は、特に表記のないシンプルなもの。またケースは強固なステンシルスチール製で、経は40mmという割と小ぶりなスケール。
 

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いくらラグジュアリーブランドでも、アメカジ好きな田中さんにとって、デニムやスウェットなどと合わせることは必然。ちなみに最近はヴィンテージのリバースウィーブと合わせるのが気分なんだそう。

「フルカウント」 田中 宏太郎さん × ROLEX EXPLORER Ref.14270

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「この時計との付き合いも15年近くなるんですが、もともと時計やアクセサリーはほとんどしない性格なんですね。それでも時計くらいはしなきゃいけないと思ったのは、ちょうどロンドンから帰国して、1~2年、東京で就職しようと思ったのがきっかけだったんです。もう30歳だし、大人として、社会人として時計くらいはちゃんとしたものをしなきゃと思ったんですよね。

でも、ラグジュアリーブランドの時計は選択肢になかったんで、あくまでも実用時計で、大人としても恥ずかしくないモデルは何かと。それで選んだのがエクスプローラーだったんです。とりあえずジーンズを1本欲しいからリーバイスの501を買うような感覚です。だから特別な思い入れや時計に対する深いうんちくがあるわけではないので申し訳ないんですが(笑)。でも毎日のようにしていると、何かの拍子に家に忘れてきたりすると妙な違和感があるんですよね。ちょっと寂しいような。いつの間にか常に着用している感覚が当たり前になっていましたね。

エクスプローラーのシンプルなデザインは時計としてのインパクトはないかもしれませんが、いくつになっても、着用していて恥ずかしい時計でもありませんし、現に15年以上も飽きることなく使い続けているので、いつも僕の腕にある定番になったんでしょうね。あのころのチョイスは意外と間違っていなかったんだなと思わせてくれる相棒ですね。アンティーク価値と時計としての性能はさておき、飽きることなく使える時計という意味では優秀です」

愛用しているのは……ROLEX EXPLORER Ref.14270
 

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購入してから15年くらい所有しているが、ずっと使い続けている愛着のある1本。シンプルだからこそ、いくつになっても使い続けることができるのも魅力である。

「GARRET INTERIOR」 営業 アレックス・シャピロ × 1999 ROLEX EXPLORER Ⅱ

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日本で暮らし始めて約5年、日本語も堪能なアレックス。父親がハリウッドで映画のプロデューサーというセレブ家庭で育った彼は、昔からアンティークが好きで、10代の頃に父親の友人でロレックスコレクターに弟子入りしてロレックスやそのほか時計のことについて学んだという。

「コレクションは数十本。大体ヴィンテージですね。正規店ではなくて、スリフトショップとかリサイクルショップとかプライベートコレクターに連絡して直接買うこともあります。大切なものはほとんどアメリカにおいてあるので日本にあるのは一部です」

というアレックスが日本で愛用するのがロレックス・エクスプローラーⅡ。アレックスの21歳の誕生日を迎えた時に、父がプレゼントしてくれた思い出深い1本だ。

「父は時計に興味がなかったんですが、父の友達のコレクターに勧められてアニバーサリーウォッチとしてこれを買ってくれたんです。生まれ年の時計と言われてもらったんですが、文字盤に”SWIISS MADE” って入っているんです。私がコレクターになって気づいたことですが、これは割と最近のものなんですね。それで気になってシリアルを調べてみたら、実は1999年モデルだったんです。私の生まれ年は1992年。生まれ年でもなければ、21歳の誕生日とも無関係だったんです。多分、コレクターの友人に相談せずに買ってきたからこうなったと思うんですけど、一体なぜこれを選んだの? って感じですよね。正直何のつながりもないけど、父がくれたものだから、不思議ですけど、これからも大切に使っていきたいと思ってます」

愛用しているのは……1999 ROLEX EXPLORER Ⅱ
 

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エクスプローラーⅠの上位機種として1971年に登場したエクスプローラーⅡ。1999年モデルは1991年~2011年まで生産された3代目。現行品として販売されているのは4代目。
 

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裏蓋にはプレゼントされた日付、アレックスの21歳の誕生日のお祝い、「CAPRE DIEM」(その日を摘め、一期一会)というメッセージが。
 

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珍しいコルク製のベルト。ポルトガルのコルク博物館のギフトショップでしか入手できないそうで、友人がポルトガルにいく時に頼み込んで買ってきてもらったレア物。
 

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文字盤は白と黒の2パターン。時代によってデザインも異なる。

「2ND Motors」 代表 田村 研 × 2001 ROLEX EXPLORER Ⅱ

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

何かのお祝いや区切りといった特別な記念や思い出として時計を購入するという人も多い。東京・三鷹市のボルボ専門の修理・販売を行う「2nd MOTORS」で代表を務める田村さんもそのひとり。2001年に結婚10周年の記念として2001年モデルのエクスプローラーⅡ、そして奥様にはロレックスのオイスターデイトジャストを購入。

「メカニックって現場で作業するときは基本時計をしないんですよ。僕も現場で作業がメインだった頃はしなかったし、つける時もGショックとかタイメックスとか手ごろで丈夫なものばかりしていましたね。なので、いわゆる”いい時計”を買ったのはこれが初めてです。その時にいろいろ探しましたけど、派手なのはイヤらしいし、スタンダードでシーンを選ばず身に付けられるものということでエクスプローラーⅡになりました。家内のも同様ですね。’01年当時で女性用ロレックスといえばこのモデルが常に上位に入ってくるというスタンダードモデルです」

購入してからというものは、ほぼ毎日24時間つけているという。

「僕の中では実用的なギアのひとつで、ファッションアイテムではないので気分で付け替えるということもないです。最近は現場作業も減りましたからほとんど外すことはないですね。夏場にスポーツするときくらいですかね。普段は風呂に入る時も寝る時もつけっぱなしです。常に身につけているので、外した時でもついつい時計を見る仕草をしてしまいますね。今ではまさに身体の一部という感じですね」

愛用しているのは……2001 ROLEX EXPLORER Ⅱ
 

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ロレックスを代表するスポーツモデルのひとつエクスプローラーⅡ。2001年に結婚10周年を記念して奥様のデイトジャストとともに新品で購入。
 

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現行のロレックスの定番オイスターブレスレット。平たい3連リンクで構成され、耐久性の高さと快適な装着感が特徴。最近オーバーホールしたので見た目もキレイ。
 

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右利きだが、時計は常に右にするのが田村さん流。「もう昔からなのでこちらで慣れていますね」

「ヴィンテージワークス」 堀内恵美さん × 1966 ROLEX EXPLORER Ref.1016

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デニムやミリタリーなど、本格的なメンズのヴィンテージウエアを取り入れたファッションがいつも素敵なヴィンテージワークスの堀内恵美さん。胸元に光るのは1966年製の端正なエクスプローラーだ。女性が身に着けていると魅力倍増である。

「結婚指輪の代わりに、と主人(ヴィンテージワークス代表の堀内賢さん)が突然プレゼントしてくれたものです。7年ほど前になりますが、その頃もメンズの古着やヴィンテージウエアが好きだったので、全然とまどうこともなく、とても嬉しいサプライズでした」

ヴィンテージ好きなご夫婦ならではの、うらやましいエピソード! 堀内さんはもう1本、華奢なデザインのヴィンテージロレックスも所有しているが、普段使いはこのエクスプローラー。

「基本的にどんな洋服でも合うところが気に入っています。特に私はカジュアルな格好が多いので、ブラックのミラーダイアルがほどよく引き締めてくれるんですよね」

エクスプローラーは他のスポーツモデルに比べてデザインがシンプルなため、女性でも取り入れやすい。また、堀内さんのものはブレスレットもオリジナルが付いており、いくつもアクセサリーを着けなくてもこれ1本で十分な存在感を放ってくれる。ご本人は「資産としても活用できるかと(笑)」と話すが、本誌編集部としては結婚指輪の代わりなのだから絶対に手放してほしくないと強く願う。

愛用しているのは……1966 ROLEX EXPLORER Ref.1016
 

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シンプルに機能性を追求し、半世紀以上のロングセラーを誇るエクスプローラーの中でも傑作と名高いRef.1016。初期型のこちらはCal.1560を搭載。

香港のコレクター集団”VRHK”メンバーの愛機もチェック!

香港はロレックスの愛好家が多いことで有名だが、なかでも”Vintage Rolex Hong Kong”というコミュニティは際立っている。彼らはフルオリジナルにこだわり、傷があってもケースは磨かない。可能な限りオーバーホールしていないものを好んで収集するため、常に世界中のコレクターと交流し、真贋の確かなトップピースが飛び交う情報網の中心にいる。そんなVRHKメンバー秘蔵の「エクスプローラー」を、ごく一部だが紹介しよう。

Mr. DANNY × 1977 Ref.1655 EXPLORERⅡ “RAIL DIAL” & 1962 Ref.1016 EXPLORER

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

現行モデルからヴィンテージまで様々なブランドのウォッチを幅広くコレクション。ロレックスは、押さえておきたいド直球のヴィンテージモデルだけでなく、個性のあるレアモデルも新旧問わず収集。ファッションに近い感覚で時計をチョイスする感覚の持ち主だ。

愛用しているのは……1977 Ref.1655 EXPLORERⅡ
 

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コメックスのサブマリーナーなどのダイアルを製造していたことでも知られるスターン社が手掛けた、レアな通称レイルダイアルを装備したエクスプローラーⅡ。下部にあるSUPERATIVE CHRONOMETER / OFFICIALLY CERTIFIEDの2ラインが中央揃えになった、俗にスプリットと呼ばれる仕様が特徴だ。

愛用しているのは……1962 Ref.1016 EXPLORER
 

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ミラーダイアルで、ミニッツサークル(インデックス周りに描かれた円)というこの時代までの人気ディテールを持つRef.1016。アンダーライン同様、この時期だけ6時位置にドットのインデックスがあるものが存在しており、これも人気のディテールとなっている。これほど極上の状態は珍しい。ちなみにこの6ドットは、サブマリーナーにも存在する。

Mr. Tim × 1971 Ref.1655 EXPLORERⅡ “TIFFANY & Co”

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現行モデルのロレックスは以前から所有していたというティムさんだが、特にロレックス人気の高い香港では、他人と被る確立が非常に高い。そんな状況もあり、ヴィンテージに興味を持ったそう。もともとアート好きということもあり、個性的なディテールや経年変化をそういう目線で吟味、収集している。今欲しいのは、ミリタリー使用のサブマリーナーRef.5517。

愛用しているのは……1971 Ref.1655 EXPLORERⅡ “TIFFANY & Co.”
 

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1971年に登場したエクスプローラーⅡの最初期モデルで、マークⅠダイアル、マークⅡベゼルを装備した1本。ストレート針も初期型の特徴で、こちらもティファニーのロゴがしっかりとプリントされている。

Mr. MING WONG × 1965-1966 Ref.1016 EXPLORER

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(画像=FUNQ/Lightningより引用)

ヴィンテージカメラ、特にライカのコレクターとして知られるミングさんがロレックスに熱中したのは約8年前。学生時代から日本の雑誌を見て育ったため、旧い玩具などにも興味を持った。ヴィンテージカメラのお店を始めたのは、2009年3月。その空間にヴィンテージロレックスのコレクターも来るようになって交流を深めた。今では周1回はVRHKのメンバーで集まり、年に1回は必ず全員出席の日があるという。最近は塊根植物にドハマり中で、ヴィンテージデニムにも興味があるという。

愛用しているのは……1965-1966 Ref.1016 EXPLORER
 

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ブラックのミラーダイアルがここまで鮮やかな色合いに経年変化。トロピカルを超越した、ゴールドダイアルとでもいうべきか。下の写真は屋外で撮影したもの。さらにゴールド感が増すのが分かる。ここまで変化する例は非常に稀。超希少な1本である。
 

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いかがでしたか? 「エクスプローラー」唯一無二の魅力がびんびんに伝わって来ますね。カジュアルにもフォーマルにも使える、すなわち、寝る時と入浴するとき以外は常に身に着けていられるということ。どんな時計を選んでいいか分からない、そんな優柔不断なアナタが手に入れるべきは間違いなく”エクスプローラー”だ!

(出典:「別冊Lightning Dear my Watch ディア・マイ・ウォッチ」「別冊Lightning ヴィンテージウォッチの教科書」「Lightning Archives ROLEX」「Lightning 2019年11月号 Vol.307」)

CREDIT :
Text/T.Itakura 板倉環、H.Shibayama 芝山一、S.Sato 佐藤周平、K.Osawa 大沢圭、T.Tokano 戸叶庸之
Photo/K.Miyamae 宮前一喜、T.Tawarayama 俵山忠(Seven Bros.Pictures.)、T.Sasai 笹井タカマサ、M.Watanabe 渡辺昌彦、S.Oura 大浦真吾、S.Kai 甲斐俊一郎、K.Hayashi 林和也、N.Suzuki 鈴木規仁、N.Hidaka 日高奈々子

Lightning編集部
ランボルギーニ三浦

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightningに。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車

提供元・FUNQ/Lightning

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