巨大な肉塊を焼き上げる豪快さ、新鮮な野菜にじっくり熱をとおす繊細さ。さまざまな調理に対応する伝統の万能鍋にはこんなたくさんの魅力が詰まっていました。

キャンプにも最適。蓄熱性の高さが魅力の鋳鉄製鍋

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フライパンの形状をした「スキレット」も人気。最近はさびにくく、アフターケアも容易なステンレス製(右奥)も定番となってきている。(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

「ダッチオーブン」とは、鋳鉄製の重厚感あるフタ付き鍋のこと。「ダッチとはオランダという意味ですが、これは西部開拓時代にオランダ人が入植でアメリカへ鉄鍋を持ち込んだことで名付けられたのだそうです。荒野の生活でシチューを作ったりパンを焼いたりと、なんでも調理できる便利な鍋として急速に普及していったんですね」
 

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重く分厚い鋳鉄製。使い込むほど油がなじみ、美しく黒光りした「ブラックポット」に成長していく。(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

さて、そんなダッチオーブンだが、大きな魅力はなにより鉄という素材と、厚みのある構造がもたらす蓄熱の高さなのだそう。
 

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重いフタを併用して水蒸気による蒸し焼きもできる。(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

「ずっしりと重い鋳鉄は一度熱すると温度がなかなか下がらず、一定の温度で調理し続けられるという特長があります。ムラなく熱を分散させることも得意で、厚みのある肉にまんべんなく火をとおしてきれいに焼くことも簡単。高温でサッと調理する炒め物も、弱火でコトコト煮込む煮物もお手のもの。多少風が強く気温が低くても、その影響を受けにくい頼もしさもキャンプ向きといえますね!」
 

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フタに炭火を載せ、天火で食材に火を入れたり焼き目を付けたりする調理も定番だ。(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

ダッチオーブンの調理バリエーション

型に鉄を流し込んで作るダッチオーブンは一般的な鍋よりも厚みがあり、熱をしっかりと蓄えるのが最大の特長だ。短時間で食材に旨味を閉じこめる高温調理から、ゆっくりと火をとおす弱火の調理などまで幅広く対応。キャンプでぜひ活用したい代表的な調理方法をご紹介しよう。

焼く

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

ステーキ肉など大きな食材を入れても温度が下がらない。表面はカリっと、中は旨味を封じ込めてジューシーに仕上げることができる。

煮込む

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

重いフタと、食材から出る水蒸気でウォーターシーリング効果が生まれ密閉状態に。圧力鍋のように弱火でもじっくり煮込むことができる。

ロースト

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

直火ではなく、ダッチオーブンの放射熱を利用して加熱する焼き方。大きな丸鶏などにもムラなくしっかりと火をとおすことが可能だ。

蒸す

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

重いフタで密閉し、鍋内部で食材そのものから出た水蒸気が対流して蒸し焼き状態に。プリンや蒸しケーキなどデザート作りにも応用できる。

揚げる

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(画像=FUNQ/フィールドライフより引用)

蓄熱性の高さから揚げ物にも最適。高温で食材の余計な水分を飛ばし、フタをして揚げれば圧力機能で食材に短時間で火をとおすことも可能。

出典
フィールドライフ No.55 2017 春号

CREDIT :
文◎福瀧智子 Text by Tomoko Fukutaki
写真◎亀田正人 Photo by Masato Kameda

フィールドライフ 編集部
2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

提供元・FUNQ/フィールドライフ

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