終わりなき技術革新で業界トップを走る「NIKE(ナイキ)」

ギリシャ神話の勝利の女神ニケ(NIKE)がネーミングの由来

ナイキ創業者のひとりであるフィリップ・ナイトは、オレゴン大学時代に陸上部に所属。目立った成績は収められなかったが、スタンフォード大学のビジネススクールに進んだのち、日本製スポーツシューズに関する論文を書いたが、彼が普通の人間と違っていたのは、そのビジネスプランを実践したこと。1962年にアメリカ国内におけるオニツカタイガーの販売権を取得すると、1964年には大学時代の陸上部コーチ、ビル・バウワーマンとスポーツシューズ輸入を目的とするブルーリボンスポーツ(BRS)を創業する。

バウワーマンのアイディアは日本側に伝えられ、製品開発に反映されたが、そのひとつが現在も販売されるコルテッツだ。1971年、紆余曲折を経て、彼らは製品輸入ではなく独自ブランドの展開へと大きく舵を切る。ギリシャ神話の勝利の女神ニケNIKEからナイキとネーミングされ、最初のプロダクトは実績のあったランニングではなく、意外にもサッカーシューズであった。

エアマックス95が空前の大ブームに

それからの快進撃はご存じの通り。オンロードとオフロードの両方で高いグリップ性を発揮したワッフルソールを装備したワッフルトレーナーを始めとしたランニングシューズは、全米マーケットで急速にシェアを拡大した。そして1978年には比類なき衝撃吸収反発性を発揮するナイキエアを初搭載したテイルウインドをホノルルマラソンのタイミングで先行販売。それ以降ナイキエアは進化し、同社のみならず、スポーツシューズ業界を代表するテクノロジーとして知られることとなる。

1987年にはエアの容量を最大化するとともに、ミッドソールに内蔵されているエアユニットをサイドの窓から視認できるエアマックスをリリース。テクノロジーのビジブル化は業界初の試みであり、他ブランドにも大きな影響を与えることになる。エアマックスは毎シーズン進化を止めず、1995年には初めて前足部のエアの視認化に成功したエアマックス95が登場。ストリートで空前の大ブームとなった。

次々と記録を塗り替えるズームシリーズ

2000年には新たなアプローチのクッショニングシステムであるSHOXをリリース。ナイキエアとは異なる反発力重視の履き心地が新鮮だった。2017年7月、従来の「陸上長距離のトップアスリートのシューズは薄い」という常識を覆す、ズームヴェイパーフライ4%をリリース。正式発売前の5月には、このモデルをベースとしたシューズ、ズームヴェイパーフライエリートを履いたエリウド・キプチョゲ(ケニア)がイタリアのモンツァで行われたBreaking 2において、42.195㎞を非公認ながら2時間0分25秒という驚愕の記録を叩き出す。公認コースではないこと、複数のペーサーが風除けとなる、給水をペーサーが手渡してくれるといった特殊条件はあったとしても、この記録は驚きを持って受け止められた。

その後もズームヴェイパーフライ4% フライニット、ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%とスペックアップされた同シリーズは、その基本スペックはズームXフォームという高反発素材ミッドソールに推進力を生むカーボンファイバープレートを内蔵しているという点で共通。ズームXフォームは、通常のミッドソール素材が着地衝撃の60%しかエネルギーリターンできなかったのに対し、85%という抜群の反発性能を誇った。

そして2020年3月1日、前足部にズームエアを配するなど、さらなるスペックアップを遂げたエア ズーム アルファフライ ネクスト%をリリース。早速着用した大迫傑選手が東京マラソンで2時間5分29秒の日本新記録、一山麻緒選手が名古屋ウィメンズマラソンで2時間20分29秒の日本人国内最高記録を叩き出すなど、その機能性の高さを証明することに成功。Tnere is no finish line.というかつてのキャンペーンスローガンのように、ナイキの技術革新に終わりはないことを象徴するかのようだった。

1979|Tailwind(テイルウインド)

トライ&エラーを乗り越え“ナイキエア”初搭載モデルは誕生した
 

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(画像=FUNQ/RUNNING styleより引用)

1982|AIR PEGASUS(エア ペガサス)

ギリシャ神話の天を駆ける白馬から命名された稀代のロングセラー
 

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(画像=FUNQ/RUNNING styleより引用)

1987|AIR MAX 1(エア マックス 1)

スポーツシューズ業界で初めてテクノロジーの可視化に成功!
 

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1991|AIR 180(エア 180)

エア容量の50%アップとアウトソール側からのビジブル化に成功
 

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1991|AIR HUARACHE(エア ハラチ)

斬新なデザインが生む独自のフィッティングが快適な走行性能を確保
 

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(画像=FUNQ/RUNNING styleより引用)

1995|AIR MAX’95(エア マックス’95)

既存のモデルと全く異なるデザインコンセプトが業界を震撼させた
 

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1995|AIR FOOTSCAPE(エア フットスケープ)

常識を超越した斬新なデザインが快適な履き心地を生んだ
 

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1996|AIR RIFT(エア リフト)

二股に分かれたつま先で足の自然な動きを追求
 

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(画像=FUNQ/RUNNING styleより引用)

1997|AIR ZOOM SPIRIDON(エア ズーム スピリドン)

その高い反発性能で、日本のランナーも魅了!
 

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(画像=FUNQ/RUNNING styleより引用)

2000|AIR PRESTO(エアプレスト)

アフターラン向けに初めて開発された、歴史的なプロダクト。
 

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2004|NIKE FREE 5.0(ナイキ フリー 5.0)

“ハダシ”のチカラを呼び覚ます!
 

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(画像=FUNQ/RUNNING styleより引用)

2009|LUNARGLIDE+(ルナグライド+)

新機能の採用で一躍ベストセラーに
 

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(画像=FUNQ/RUNNING styleより引用)

CREDIT :
テキスト/南井正弘(Masahiro Minai)
イラスト/田中斉(Hitoshi Tanaka)

提供元・FUNQ/RUNNING style

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