ユニクロのコラボコレクションが人気だ。特に「ユニクロ ユー」は、発売された途端に完売品が出るほど。手に取ると、そのリーズナブルな価格が信じられないほどの完成度であることがわかる。まだ在庫がある逸品も残っているので、気になるアイテムはすぐにでも確保すべきだ。

ユニクロの短所を補うコラボコレクションが人気

進化し続ける普段着「ライフウェア」を提案するユニクロの人気は衰えることを知らない。主な理由は、シンプルで着回しやすいデザイン、工夫に満ちた機能性、そして、驚異的なコストパフォーマンスなどが挙げられる。

その一方、長所と表裏一体の短所もある。シンプルで定番的だからこそおもしろみには欠け、人気や汎用性が高いからこそ、他の人とアイテムが被ってしまうことも少なくない。

そうした欠点を補ってくれるのがコラボコレクションだ。ユニクロならではの利点をベースにしながら、他ブランドや外部デザイナーの個性が適度に融合し、アイテム数が少し限られていて希少性もある。普段のユニクロに適度な特別感を上乗せしているというわけだ。そう考えると、ユニクロのコラボコレクションが支持を集めているのは当然とも言える。

錚々たる面々とのコラボレーションの中でも「ユニクロ ユー」は傑出

コラボコレクションは協業するブランドやデザイナーが重要なポイントだ。ユニクロはこれまで名だたる面々とタッグを組んできた。主な協業先を50音順に列挙すると、「アレキサンダーワン」、「アンダーカバー」、「イネス・ド・ラ・フレサンジュ」、「エンジニアドガーメンツ」、「JW アンダーソン」、「ジルサンダー」、「トーマスマイヤー」など。いずれもグローバルな知名度を誇る人気ブランドばかりだ。

異例とも言えるほどユニクロと蜜月の関係になっているデザイナーがクリストフ・ルメールだ。「イヴ・サンローラン」や「クリスチャン ラクロワ」で経験を積んだ後に、自身のブランドを設立。「ラコステ」や「エルメス」のアーティスティックディレクターも務め、人気も実力も備えたデザイナーだ。

ユニクロとクリストフ・ルメールのコラボレーションは最初、「ユニクロ アンド ルメール」というコレクションでスタートした。その評価があまりにも高く、両者の親和性や補完性も高かったため、継続的なコレクション「ユニクロ ユー」へと進化した。

ユニクロ ユーはクリストフ・ルメールがアーティスティックディレクターを担当、パリのアトリエでグローバルデザイナーチームがデザインを手掛けている。

「ユニクロ ユー」はハイブランドのような出来栄えで完売アイテムも続出

ユニクロ ユーの魅力を一言で表すと、「エレガンス」だろう。ユニクロならではのシンプルなデザインを最大限にキープしつつ、シルエットやディテールで、さり気なく独自のエッセンスを加えているバランスが絶妙だ。デザインが主張し過ぎていないからこそ気品が感じられ、大人でも着こなしやすい上品なアイテムに仕上がっている。

ユニクロが好きな人も、ハイブランドが好きな人も納得できる完成度。だからこそ新作が発表される度に話題を呼び、発売後すぐに完売になるアイテムやカラーサイズも少なくない。

直近の2020年 春夏コレクションでは、「ミドルゲージVネックカーディガン（長袖）」のブラックやブルーが発売後あっという間に完売してしまった。「ニットポロシャツ（長袖）」のブラックやブラウンもすぐに品切れ状態に。いずれも、デザインが品質の良さを際立たせていて、成熟した男性でも違和感なく着まわせるアイテムだ。
 

ユニクロのオンラインで今からでも購入できる「ユニクロ ユー」のおすすめアイテム

筆者はいくつかの実物をチェックしたが、今回のユニクロ ユーも、安価な値段で信じられないほどのクオリティだ。どのアイテムを選んでも間違いはないが、大人が着こなしやすいという視点で見ると選ぶべきアイテムは少し限られてくる。

執筆時点（3月12日）で購入可能なアイテムの中でもっともおすすめなのは、「スーピマコットンポロシャツ（半袖）」だ。スーピマコットンとは、繊維が長い高級綿のひとつで、シルクのような光沢感やソフトな風合いが特徴的。そんな高品質な素材に加え、世界的に有名なデザイナーが手掛けたとなれば、自ずとエレガントな仕上がりになる。さらに2,990円という低価格なのだから、買って損はない。

セットアップも良い。「テーラードジャケット」×「ワイドフィットテーパードパンツ」、「コットンリネンジャケット」×「コットンリネンワイドフィットテーパードパンツ」という2パターンのセットアップを展開しているが、適度にリラックスできるシルエットや短めのパンツ丈などでさり気なく今っぽく仕上がっている。

ユニクロ ユーは独特なカラー展開も独特だ。多くのアイテムはニュアンスカラー（中間色）もラインアップされている。ただし、着回しやすいという点では定番カラーのほうが重宝するので、まずはブラックやネイビーから着こなしてみてほしい。

ちなみに3月27日からは、同じく人気が高い「JW アンダーソン」とのコラボアイテムがリリースされる。今からアイテムの目星をつけ、発売されたら早めに確保するのが賢明だ。ユニクロ ユーやJM アンダーソンに限らず、ユニクロのコラボコレクションはもはや、40代のワードローブに不可欠な存在と言っても過言ではない。

文・平 格彦（ファッションコラムニスト／「着こなし工学」提唱者）

※記事中の「JW アンダーソン」とのコラボアイテムの一部につきまして、発売日の遅延が発生しています。新たな発売予定日につきましては、ユニクロ店舗やオンラインストア等の情報をご確認ください。

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