Facebookに嫌気がさしている人たちが増えているという。件の個人情報流出に関してではない。ユーザー登録はしたものの、「あちこちで金持ち自慢投稿を見せつけられるのに耐えられない」という。

確かにタワマンのパーティールームでシャンパン片手にピースとか、カフェで一休みと言いつつ高級バッグを写り込ませるなど、直接自慢や間接自慢の投稿はあちこちに溢れている。自分が嫌だと思っている投稿に「いいね」をしなければならないというのは、確かにストレスを感じるだろう。

しかし、本当にお金を持っている人たちは、そのような投稿はしない。そればかりか、むしろ自分が裕福であることを隠そうとするのだ。今回は、その理由について考えていきたい。

お金持ちの冷静過ぎる利益への考え方

お金持ちという人種は、利益に対して、とても冷静に考えることが出来る人たちである。ビジネスでも投資でも、稼ぐためには他の人がしないこと、出来ないことをすることで大きな利益を上げることが出来る。彼らはこのことをよく理解しており、リスクに対するリターンへの期待値が高いことに果敢に挑戦をする人種なのだ。

筆者の知人にいわゆる「億り人」の投資家がいる。彼は毎日、株の売買をしているのだが、常人では震えてしまうような金額を果敢に投資する。「投資で勝ち続けるコツは?」と尋ねると、「一言で言うと徹底的に感情を排除すること。期待値の高い投資を淡々と続けていけば、確率的に勝利しかありえない」という。

彼によると、勝てない多くの投資家は、利益に対して感情的になるから負けるという。冷たい氷のような利益への集中力が、彼の勝利の源泉というわけだ。これは投資の世界だけでなく、ビジネスでも同じことが言えるだろう。

SNSで「お金持ち自慢」をする2つのパターン

そんな利益に集中する姿勢は日常生活にも現れる。彼らは日常的に利益のないことはやらない。冒頭のSNS自慢も、彼らにとっては何も得られない「時間のムダ」であることが多い。多くの人がSNS自慢をするのは2つの理由がある。

1つは「マーケティング活動」、もう1つは「承認欲求」だ。マーケティング活動の一環として金持ち自慢をする人たちは、愛車のフェラーリやランボルギーニ、自分の住むタワマンでの豪華なパーティーの様子をアップして「オレのようにお金を稼ぎたければこの商材を買いなさい」と迫るわけだ。彼らにとって、金持ち自慢はマーケティング活動の一環なので、販売サービスの良し悪しはさておき、意味があることなのだ。

問題はもう1つの承認欲求だ。日本に生まれると、マズローの欲求5段階説でいう生理的欲求、安全欲求、社会的欲求はたいてい満たされているが、第4階層である「他人から認められたい」という承認欲求が満たされていない人は多い。それを満たすツールがSNSというわけだ。だが、お金持ちは、うんざりするほど承認欲求は満たされている。自分の貴重な時間を使ってSNSで承認欲求を満たす必要はない。

お金持ちのPRはリスクが多い

また、彼らは「お金持ちであることがバレるとリスクが多い」と考えている。お金持ちになればなるほど、その財力を目当てに、招かざる客が近寄ってくる。正確に言えば、お金持ちだと認識されればされるほど、富裕層サービスの営業や、おこぼれを預かろうという人が群がってくる。

なかには詐欺や窃盗、強盗目的の犯罪者を招き寄せてしまうかもしれない。お金持ちがお金持ちであることを隠すのは、面倒事を避けるためという、お金持ちであるがゆえの苦労があるのである。

文・黒坂岳央(高級フルーツギフトショップ「水菓子肥後庵」代表)/ZUU online
 

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