東京のタワーマンションに住む そのメリット・デメリットとは

2018.9.13
SENSE
(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
首都圏での超高層マンション、いわゆるタワーマンションの建設は1996年以降増えている。

都心湾岸エリアなどにそびえ立つタワーマンションを見て、いつかは自分も購入したいと憧れを抱いたことがある人も多いだろう。

タワーマンションは眺望が良く共有設備が充実しており、住むこと自体にステータスがあるイメージだが、タワマンにはどのような特徴があるのだろうか? 

タワーマンションの定義 法令の定めはないが20階建て以上のこと?

そもそもタワーマンションの定義はどうなっているのだろうか。

実はタワーマンションという言葉を明確に定義している法律はなく、建築基準法や消防法などで建物の高さにより異なる安全面の規制があるだけだ。

たとえば「100メートル以上のマンションをタワーマンションとする」といったように、明確に法令で定義されているわけではない。

ただ一般的には、高さ60mメートル超の建物が超高層建築物とされており、これに該当する住居用建築物がタワーマンションと呼ばれている。高さ60メートル超のマンションは、階数でおよそ20階建て以上になるため、おおむね20階建て以上で塔状のものが一般的なタワーマンションとされている。

タワーマンションの近年の動向について

タワーマンションはこのところ、値崩れのリスクが低く流動性に優れているとして人気となり、盛んに建築されるようになった。人気は首都圏・関西圏だけでなく地方中核都市にも波及した。

国土交通省よると、首都圏における完工戸数は1997年が約2400戸であったのに対し、2007年では約23000戸と10年間で約9倍になっている(「平成28年度住宅経済関連データ 超高層マンション竣工戸数の推移(首都圏)」)。

しかし2008年のリーマンショックに端を発する世界経済の落ち込みや、11年の東日本大震災による湾岸エリアの液状化や高層建築物への恐怖感などから、首都圏におけるタワーマンションの竣工は落ち込み傾向が続き、14年には約5600件にまで減った。

その後、世界的な景気回復やアベノミクスによる好景気の継続などにより、再び首都圏におけるタワーマンションの竣工戸数は増加傾向に持ち直しており、タワーマンション人気は現在も継続している。

タワマンの5つのメリット

タワーマンションには様々なメリットがある。野村不動産アーバンネットが居住者500人を対象に実施した「タワーマンションに関する意識調査」によると、購入者の9割超が「住んで良かったと思う」と回答しており、満足度の高さがうかがえる。当アンケートで居住者がタワーマンションのメリットとして挙げた順位は、以下の通りである。

1位 眺望の良さ
2位 防犯面で安心
3位 駅から近い
4位 共用施設・サービスが充実
5位 窓やカーテンを開けっぱなしにできる

2012年と少し古いデータではあるが、おおよその参考にはなるだろう。以下、この調査でも挙がった主なタワマンのメリットについて見ていこう。

(1)眺望の良さ

タワーマンションは上層階になるほど価格は高くなるが、その分周囲の視界を遮るものがなくなるため、素晴らしい眺望を手に入れられる。昼間は街を見下ろし遠くの山を眺め、夜はまばゆい夜景を自宅からいつでも見られることは、タワーマンションの醍醐味であり所有者にとってのステータスである。

高層階で周りに他の建物がなければ、周りから部屋の中を見られずにすむため、リビングルームのカーテンを開けっ放しにして、太陽の日差しに囲まれながら思う存分に景色を楽しむことができる。防犯の観点からも、高層階では外部からの侵入リスクが低くなるので、低層マンションよりも安全性が高いといえる。

(2)立地の良さ

一般にタワマンは駅近に建設されることが多く、中には駅直結のマンションもあるなど立地の良さというメリットがある。

タワマンの建設に伴い、近隣エリアの開発が進み、コンビニやスーパーなどの商業施設がより発展し生活の利便性が高まることも期待される。近年では都心湾岸エリアや、武蔵小杉周辺などタワマンを起点に街が発展する事例も見受けられる。こうした立地の良さがマンションの資産価値下落リスクを低くする。

(3)共用設備の充実

タワーマンションは一般的な低層マンションより共用設備が充実している点も、メリットのひとつである。物件により共用設備は異なるが、高さを活かし例えば居住者のみが利用できる夜景を楽しむことができるオープンラウンジ、空中庭園、シアタールーム、ジム、プール、キッズルームなどを備えたところもある。

また来客用にゲストルームを備えた物件もあり、中にはホテルのような感覚で来客者が宿泊できるゲストルームを備えたところもある。

(4)虫が少ない

低層アパートや一軒家で害虫の侵入を防ぐことは難しいが、高層マンションであればハエや蚊といった害虫の侵入リスクはかなり少なくなる。周辺環境にもよるが、害虫は一定以上の高度を飛ぶことができないため、高層階であればあるほど害虫が侵入する可能性は低くなる。そのため虫が苦手な方にとっては、上層階を選ぶことで虫に悩まされるリスクは低くなるだろう。

(5)税務面でのメリット

特に相続税の観点で、タワマンは低層マンションよりも有利になる場合がある。マンションは土地と建物部分に分けて相続税評価額を計算するが、土地の部分は全敷地に対する評価額に各戸の持分が案分される。

たとえばマンションの敷地全体の土地が1億円の価値で、戸数が100戸ある場合、1戸あたりの土地評価額は100万円となる。もし土地の評価額が変わらず戸数だけが200戸になれば、土地評価額は半分の50万円となる。

つまり建物が高層で戸数が増えれば増えるほど1戸あたりの土地評価額が小さくなり、結果として税金を安く抑えることができる。ただし住居用として相続したものを、相続後すぐに売却するなど露骨な節税対策をすると税務当局から否認されるリスクもあるので、相続目的で購入するのであれば、事前に専門の税理士などに相談したほうがよいだろう。

タワマンのデメリット4つ

5つのメリットに対して考えられるデメリットや注意点は4つある。

(1)エレベーターの渋滞

住人の多い高層タワーマンションではエレベーターの待ち時間が多くなるため、人によってはストレスを感じるだろう。

特に朝の出勤・通学時間帯などではエレベーターが混雑し、中々下まで降りられないという場合もあるし、買い物の荷物を運ぶ際にも負担がかかる。タワーマンションの高層階に住むことはステータスであるが、高層になればなるほどこのようなエレベーターのストレスが発生することになる。

また地震や火事などによりエレベーターが止まった場合、安全のために専門業者による復旧・点検が必要になることから、復旧まで時間を要するケースも想定される。その場合のタワーマンション内の移動手段は階段となるが、高層階になるほど階段での移動の負担が重くなる。

(2)洗濯物が干せない

物件のルールにより異なるが、高層階では風が強く洗濯物が飛んで事故につながることを防ぐため、ベランダでの洗濯干しを禁止しているところもある。

また低層階であっても、生活臭を出さずステータスを高めるという観点から、洗濯物を外に干すことができない場合がある。このようなタワーマンションでは洗濯物を乾燥機で乾燥するしかできないため、注意が必要である。

(3)電波が弱い

周りの環境や物件にもよるが、高層階になればなるほど電波が弱くなるため、携帯電話などの使用に不都合が生じる可能性がある。特にコンクリートが厚い部分では、コンクリートは電波を遮るため電波が弱くなる。高層階の購入を検討されている方は、電波状況についても事前に確認するとよいだろう。

(4)大規模修繕費の問題

近年タワマンのデメリットとして懸念されているのが、大規模修繕を行う際の費用である。高層で豪華な設備を兼ね備えているがゆえに、維持費や管理費は低層マンションよりも高くなる。

また特に懸念されているのが数十年に一度の大規模修繕にかかる費用だ。タワーマンションの建物の高さや共用設備の豪華さはメリットではあるが、その分通常のマンションより修繕費用が増えてしまう。

タワーマンションの竣工ラッシュは1997年以降のため、多くのタワマンはまだ大規模修繕を経ていない。そのため、大規模修繕にいくらの費用を要するか正確に見積もりを算出することが難しく、場合によっては想定以上の修繕費が発生するリスクがある。

もし住人の想定を超えるような修繕費が発生する場合、投資目的で物件を所有しているなどは安値でも物件を手放すかもしれず、値崩れを引き起こすリスクがある。購入の際は、将来の大規模修繕に対する考え方や費用負担について、入念に確認することが重要だ。

文・ZUU online編集部

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