お金の知識を増やして投資に活かしたいが、そのために必要な専門用語や知識を書籍やセミナーで学ぶというのは腰が重い。そんな人でも手軽に楽しみながら学べるのが経済・金融漫画だ。40代でも面白く読めて、自然に経済や金融の知識が身に付く漫画5作品を紹介する。

『サラリーマン金太郎 マネーウォーズ編』(著者:本宮ひろ志/集英社)―マネーゲームを学ぶ

日本一有名なサラリーマンの矢島金太郎が、今度は舞台を外資系投資銀行に移して、マネーゲームの世界に身を投じるというストーリー。

転職早々に上司であるジャネットと賭けをするものの、50億円もの負けを作ってしまった金太郎。しかし中東ナビリアの通貨を対象に繰り広げられたマネーゲームでは、1兆3,000億円という巨額の利益を上げて、世界のディーラーたちと肩を並べるまでに。最強の投資家ジョー・ロスとの丁々発止の攻防戦は見ごたえ十分。

『サラリーマン金太郎』シリーズは、登場人物同士の相関関係や人物像がドラマティックに描かれているのが魅力。本作を読むことで、スケールの大きな投機的投資運用の世界を次から次へと疑似体験できる。

『M.I.Q』(原作:マスヤマコム 作画:浅井信悟/講談社)―株トレードを学ぶ

主人公アキラが通う高校に突然やってきた情報科教師の黒場新太。得体の知れない彼が教えるのはカネの事だった。株を制するのはマネーのI.Q.=M.I.Q.という信条のもと、1ヵ月で100万円を倍にする方法や、カネを生む借金とはどんな借金なのかなど、黒場はアキラたち生徒にマネーを生み出すテクニックを次々に指南する。

デイトレーダーを目指す人やこれから株式投資を始める人も、黒場が伝授する「株トレードで儲ける5つのツール(極意)」やオンライン・トレードのメリットなど、本作を読むだけで投資の仕組みやマネーの増やし方を学べる。

『ナニワ金融道』(著者:青木雄二/三栄書房)―自己防衛と民法を学ぶ

大阪のマチ金(消費者金融)の帝国金融で働く営業マン灰原達之と、仕事を通して出会う借金の泥沼であえぐ人々との人間模様を描いた作品。マチ金で借金してしまう社会的背景と理由などが漫画でわかりやすく描かれている。

詐欺や騙しによる金儲けの実態がわかるため、読み進めると恐怖を感じるが、その反面、自己防衛するための知識が得られる。借金にまつわる民法についても随所で解説しているため、経済・金融においての法律も同時に学べる。

『ザ・ファンドマネージャー』(原作:周良貨 作画:岩田やすてる/集英社)―投資信託を学ぶ

株や債券などの銘柄を厳選し、多くの投資家から集めた巨額の資金を運用するFM(ファンド・マネージャー)を描いた作品。凄腕FMの沢村竜之介が新人の吉永亜里砂と組んで、企業を探し出してポートフォリオを組み、リスク分散しながらもダイナミックに資金を運用。FMとしての正義と理念をとことん追求していく。

投資信託がどのように運用されているのかがわかる入門書。放送局の買収ストーリーなども取り上げられており、企業買収が株価に影響を及ぼすメカニズムも学べる。それまで投資の世界に興味のなかった人でも、M&AやTOBなどを知ることで経済ニュースの見方が変わるだろう。

『マネーの拳』(著者:三田紀房/小学館)―企業経営を学ぶ

ボクシングの元世界王者である花岡ケン。赤字続きの居酒屋オーナーだった彼が、カリスマ実業家の塚原為ノ助と運命的に出会い、塚原の経営指南を受けながら事業を立て直し、急速に成長させていく様子を描いた作品。

企業の運営や吸収合併、業務提携のノウハウなど、起業を考えている人や、中小企業を顧客に持つ人などが知っていると役に立つ情報や、商売を成功させる方法がふんだんに盛り込まれている。

経済・金融漫画は気軽に経済や投資の基本を学べる

今回紹介した経済・金融漫画の5作品は、お金のプロフェッショナルが仕事で駆使しているノウハウを、楽しみながら気軽に学べるものだ。経済・金融のハウツー本として漫画も活用してほしい。

文・近藤真理(フリーライター)
 

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