5月1~2日の東京株式市場は一進一退のもみ合いとなった。この週は連休の谷間ということあり、総じて模様眺めムードの強い展開だった。2日の日経平均株価の終値は前週末比4円91銭高の2万2472円78銭。これから夏場に向けてどのような展開となるのか注目されるところだ。

東証マザーズ「有利子負債」ランキング

それでは、今回は東証マザーズ市場の「有利子負債」ランキングを紹介しよう。

(1)ジャパンインベストメントアドバイザー <7172> (連)453億8600万円 2017/12
(2)日本アセットマーケティング <8922> (連)271億6100万円 2017/03
(3)ティーケーピー <3479> (連)213億5800万円 2018/02
(4)テラプローブ <6627> (連)173億4400万円 2017/12
(5)ロードスターキャピタル <3482> (連)132億5900万円 2017/12
(6)トラストホールディングス <3286> (連)98億1600万円 2017/06
(7)エナリス <6079> (連)95億7100万円 2017/12
(8)サマンサタバサジャパンリミテッド <7829> (連)91億9500万円 2018/02
(9)エリアリンク <8914> (単)90億6800万円 2017/12
(10)ベイカレント・コンサルティング <6532> (単)86億3800万円 2018/02
※銘柄、証券コード、有利子負債、決算年月の順。(連)は連結、(単)は単体。データはヤフーファイナンスより。

有利子負債とは、銀行からの借入金や社債など「利息を付けて返済しなければならない負債」のこと。成長ステージを目指す新興企業は先行投資で「攻めの経営」を推進しなければならない局面もあり、有利子負債の増大は珍しいことではない。ただ、有利子負債には企業の健全性を測る指標としての側面もあり、特に新興企業の株式に投資する際には、その企業の「有利子負債が拡大した背景」を吟味することが大切である。

TKP、「スーパーベンチャー」の成長ステージ目指す?

今回は上記ランキングから、ティーケーピー(以下、TKP)、ジャパンインベストメントアドバイザー、テラプローブの3社を取りあげる。

TKPは貸会議室のほか宴会場や宿泊施設、会議室とホテルをセットにしたハイブリッド施設を運営する企業。

同社は2017年3月に東証マザーズに上場、その8カ月後の11月には大塚家具との業務・資本提携を発表している。この提携でTKPは大塚家具株の6.6%程度を取得し、第3位の株主となった。事業面では、(1)TKPが運営する施設に係るインテリアの企画及び大塚家具が取り扱う商品の納入、(2)顧客の相互紹介ならびに顧客ニーズに対応するための連携及び協力体制の構築、(3)大塚家具が所有または賃借する物件におけるTKPによるイベントスペース、貸会議室等の運営、(4)両社共同での新規出店開拓……が柱となる。

前2018年2月期は新たな取り組みであるホテル事業や料飲事業の拡大で増収増益となった。その一方で、同期の有利子負債は213億円(前期は約166億円)に増加した。ホテル建設に伴う建設仮勘定の計上、土地取得、大塚家具との業務・資本提携に伴う同社株取得などで固定資産が増加。これを埋める形で有利子負債が膨らみ、今回のランキングで3位となった。

TKPの代表取締役社長の河野貴輝氏は同社のリクルートサイトで「ベンチャーではなく『スーパーベンチャー』を作る」と明言しており、大塚家具との業務・資本提携等にみられる矢継ぎ早の施策もそうした思想・精神の体現とみられる。一方、大塚家具は2017年12月期の単独決算で最終損益が72億円の赤字となり、先月には「創業の地」である春日部ショールームの閉店を明らかにしている。

両社の業務・資本提携が大塚家具の窮地を救い、TKPにとっても文字通り「スーパーベンチャー」と呼ぶにふさわしい成長ステージとなるか注目される。

ジャパンインベストメントアドバイザー、リース事業が急拡大

ジャパンインベストメントアドバイザーは航空機リースを柱とするリース会社。オペレーティング・リース事業を中心に、M&Aアドバイザリー事業、保険代理店事業、プライベート・エクイティー事業も手掛けている。

同社は増収増益の好業績が続いている。2018年1~3月の連結決算を発表した5月2日には、2018年6月中間の連結業績予想を上方修正した。予想値は売上高が62億円(従来予想48億円)、純利益が22億円(同15億円)。会社側は修正理由について「オペレーティング・リース事業の案件組成が順調に進み、顧客(投資家)からの強い需要を背景に商品のの販売も好調に推移した」(プレスリリース)と説明している。

有利子負債が453億円とマザーズ銘柄の中でも突出して高いのは、主力であるリース事業の特性に由来する。2018年1~3月の決算説明書によると、リースの組成を積極的に行い、匿名組合出資金を一時的に引き受けたため、短期借入金が前年同期から382億8000万円増加した。リースで航空機などを借りる事業者から引き合いが強く、事業規模の拡大に合わせて負債の拡大ペースも速まっている。

テラプローブ、工場移設等で負債拡大

テラプローブは半導体集積回路のテストを主力とする電気機器メーカー。旧エルピーダメモリ(現マイクロンメモリジャパン)傘下でスタートし、2017年6月からは台湾企業である力成科技の子会社となった。

テラプローブの有利子負債額は、173億円でランキング4位となっている。業績面では車載用製品の成長などにより一定の黒字を確保しているものの、広島から熊本への工場移設等に伴う投資増加で負債が拡大した。

文・ZUU online 編集部
 

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