若い世代を中心にTikTok(ティックトック)が流行しているが、それ以外にもライブ配信アプリは複数存在する。ライブ配信アプリは、FacebookやInstagramに続く新たな人気SNSとしての地位を確立しつつあり、今後ますますの利用者の増加が見込まれる。そんな人気急上昇中のライブ配信アプリとは、一体どのようなものだろうか。

企業価値8.5兆円のTikTok

ライブ配信の人気を牽引するのが、スマートフォン向けアプリTikTokだ。TikTokでは15秒程の動画を撮影し、手軽に加工・投稿(共有)することができる。特に動画を投稿するネタがない人でも、音楽に合わせて口を動かすだけのいわゆる口パク動画(リップシンク動画)で気軽に投稿することができ、人気の理由の一つになっている。

TikTokを運営するのは、中国のスタートアップ企業の北京字節跳動科技(バイトダンス)だ。同社の企業価値は2018年11月現在で約750億ドル(約8.5兆円)。非上場で企業価値10億ドル超のいわゆるユニコーン企業の中では、これまでライドシェアサービスを展開している米ウーバーテクノロジーズが企業価値720億ドルで世界一だったが、今回北京字節跳動科技がウーバーテクノロジーズを上回り、世界一に躍り出た。

4,000万人以上が参加 17 Live

台湾発のライブ配信アプリ17 Live(イチナナライブ)は、現在世界9ヵ国にサービスを展開し、4,000万人以上の利用者を誇る。ライブ配信のみだけでなく、Instagramの様に写真やショートムービーの投稿も可能だ。基本的な利用は無料だが、ライブ配信者にギフト(いわゆる投げ銭)を送る際は有料となる。ギフトを受取ったライブ配信者はPayPalを利用し換金できる。ライブ配信の際は「SNOW」のような顔認識スタンプも用意されており、うさぎの耳などの様々なスタンプで「盛る」こともできる。

LINEのライブ配信サービス LINE LIVE

LINE <3938> が運営するライブ配信アプリが、LINE LIVEだ。同アプリではもともと有名人の公式アカウントのみを配信していたが、2016年に個人でも利用できるようになった。他のアプリ同様ライブ配信などの基本機能は無料で利用でき、顔認識スタンプなどの機能も利用できる。ライブ配信者は視聴者数やコメント数、ハート(いいね)の数などによってLINEポイントで報酬を受け取ることができる。LINEポイントはLINEの電子マネーLINE Payにチャージすることができ、電子マネーとして利用できる。

世界80ヵ国のライブ配信が視聴可能 LiveMe

中国のIT企業チーターモバイルが開発し、アメリカを中心に世界80ヵ国でサービスを展開、8,000万ダウンロードを達成したライブ配信アプリがLiveMeだ。日本での展開は、総合オフィスソフトで有名なキングソフトが担っている。同アプリでは複数人で同時に配信するコラボ配信機能や、顔認証スタンプなどのサービスが利用でき、3タップで簡単に配信できる。配信者は視聴者からプレゼントアイテムを受取ることができ、アイテムは現金に換金することもできる。

通信環境の整備や投げ銭が人気を後押し

ライブ配信アプリの人気は、スマートフォンの通信環境が整ったことが背景にある。動画の配信や視聴は通信量が大きく、一昔前までは気軽にできるものではなかった。しかしWiFiの整備や通信料の値下げなどによって、手軽に動画をスマートフォンで視聴・配信することが可能となった。

視聴者からライブ配信者に向けた、いわゆる「投げ銭」サービスも人気の理由の一つだ。現在ではほとんどのライブ配信アプリで投げ銭サービスがあり、中には投げ銭だけで生活が成り立つほどの報酬を得ている配信者もいる。

若年層から始まったライブ配信の波は、現在では中高年層にも広がり、TikTokなどのライブ配信アプリを視聴する人も増えている。その人気は様々な分野に飛び火し、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリやオークションアプリでもライブ配信による商品販売をスタートしている。大きな広がりを見せるライブ配信の今後の動向に注目したい。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)
 

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