パリ発の人気ブーランジェリー・パティスリー「メゾン・ランドゥメンヌ」が、日本では今回初めて本格的に輸入が始まったフランス産高級発酵バター「モンテギュバター」を使った新商品(パン3種・焼菓子1種)を3月から発売。その試食会にお邪魔してきました。

 メゾン・ランドゥメンヌは、パン職人石川芳美さんとパティシェのロドルフ・ランドゥメンヌさんが2007年にスタートさせた、アルティザン(職人)系ブーランジェリー・パティスリー。上質で厳選された季節感ある素材を使用し、2011年パリのグルメガイド「ピュドロ」でのブーランジェリー・オブ・ザ・イヤー・パリ(パリ最高パン屋賞)を受賞したのをはじめ、フランスの各グルメ情報メディアやファッションメディアに取り上げられる人気店です。

 現在フランスには、パリを中心に16店舗があるというメゾン・ランドゥメンヌ。日本では2015年に初上陸した東京・麻布台本店のほか、2018年春には2店舗目となる東京・赤坂店がオープンしています。

 さて今回の新商品に使用されているという「モンテギュバター」ですが、これはフランス産AOP(EU保護原産地呼称)認証バターのひとつ。AOPは作られる土地や製法、品質など特定の条件を満たしたものに付与される地理的表示で、ワインのシャンパンやブルーチーズのロックフォール、ハードタイプチーズのパルミジャーノ・レッジャーノなどが代表例。フランスではシャラント-ポワトゥ地方(5社)、イズニー地方(2社)、ブレス地方(3社)の3か所計10社のみがAOP認証バターを製造しています。

 試食会に先立って行われた発表会では、株式会社メゾン・ランドゥメンヌ・ジャポンの石川芳美社長と、モンテギュバターの輸入を手がけることになった中沢乳業の中澤謙次社長が登壇。フランス産バター、なかでもモンテギュバターの魅力について語りました。
 

おたくま経済新聞
(画像=おたくま経済新聞より引用)

 モンテギュバターは、シャラント-ポワトゥ地方のAOP認証バターで、すでに日本でも有名になっているエシレやポンプリなどより生産量が多いにもかかわらず、これまで日本に業務用として本格導入されたことがありませんでした。というのも、フランス国内での人気が高く、日本に輸出できるほどの量が確保できなかったから。

 シャラント-ポワトゥ地方のAOP認証バターは、低温殺菌した原料のクリームに乳酸菌を加え、9~15度の温度で最低12時間熟成してから作られるのですが、モンテギュバターの熟成時間は4倍の48時間以上。これにより、味わいが深くなっているといいます。
 

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 特徴はヘーゼルナッツを思わせる豊かな風味と、伸ばしてもバターの層が切れにくい進展性と弾力性。特にクロワッサンなど、生地を何度も折り込んで作るヴィエノワズリーには最適なんだとか。これを今回、中沢乳業が日本で初めて本格的に輸入することになりました。
 

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 日本に初めて本格的に紹介されるモンテギュバターを使った新商品は、メゾン・ランドゥメンヌを代表するクロワッサン・フランセ(税抜490円)のほか、食パンのパン・ド・ミ・フランセ(1.5斤税抜3000円)、ロールパンのルレ・フランセ(税抜420円)。そして焼菓子のフィナンシェ・フランセ。
 

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メゾン・ランドゥメンヌといえばこれ!なクロワッサン・フランセは、これまでもフランス産AOP発酵バターが使われてきましたが、ついにヴィエノワズリー生地に最適なモンテギュバターを使用したものにリニューアル。バターの層がちぎれず、ハッキリと何層にも重なっているため、よりサックリとした食感と口どけの良さになりました。
 

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口にするごとにバターがふんわり香り、クロワッサン好きにはたまりません。すこし深煎りのコーヒーと相性が良さそうです。
 

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 生地にモンテギュバターを30%、そして新鮮な生クリームを使ったパン・ド・ミ・フランセ。日本のメゾン・ランドゥメンヌでは初めてフランスバターを使用したことにより、深い味わいとふんわり、もっちりした食感になりました。発酵バターのコクと香りが素敵です。
 

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 そのまま食べるのもいいですが、思い切って厚切りにし、軽くトーストするのもよさそう。ちょっとビターなマーマレードと合わせ、スクランブルエッグと厚切りベーコンのコンチネンタル・ブレックファストにして楽しむのもいい感じです。

 焼き色からしておいしそうな、ロールパンのルレ・フランセ。バターのリッチな味わいを楽しむのに、ちょうどいいサイズ感です。小麦とバターの香りが重なり、噛み締めると甘みも口の中に広がります。
 

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(画像=おたくま経済新聞より引用)

 焼菓子のフィナンシェ・フランセは、プレーンなナチュール(税抜250円)と、バターと塩のブール・サレ(税抜260円)の2種類。フィナンシェ好きとしては、バターの香りと味わいを堪能できるナチュールがおすすめですが、甘すぎないブール・サレは、上に載ったクラッシュナッツの食感がいいアクセントになった大人の味。
 

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 これらの新商品は、麻布台本店では3月1日、赤坂店では3月3日から販売が開始されます。日本に本格発上陸というモンテギュバターを使ったパンと焼菓子。家では軽く温めなおして、香りを堪能してみるといいかもしれません。

取材協力・一部画像提供:株式会社メゾン・ランドゥメンヌ・ジャポン

(取材・撮影:咲村珠樹)

文・咲村珠樹/提供元・おたくま経済新聞

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