ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は、毎年11月の第3木曜日。2019年は11月21日です。今ではすっかり浸透したボジョレー・ヌーヴォーですが、日本でその名を聞くようになったのは、いつごろからだったでしょうか?

バブルをきっかけに知名度が高まる

ボジョレー・ヌーヴォーが世界に広まったのは1970年代だといわれています。その後、日本では1980年代後半のバブル時代に、一大ブームを巻き起こしました。ボジョレー・ヌーヴォーの名が国内で広く知れわたるようになったのもこのころです。日付変更線の関係で、日本は本国であるフランスよりも先にボジョレー・ヌーヴォーが飲める国でした。そのため、成田空港まで駆けつけ、カウントダウンとともに、その年の世界初のヌーヴォーに酔いしれる人々の光景が、テレビなどで映し出されたものです。

ところで、ボジョレー・ヌーヴォーとは何なのでしょうか。ボジョレーとは、フランス東部にあるブルゴーニュ地方のボジョレー地区のこと。ヌーヴォーはフランス語で「新しい」の意味があります。つまりは「ボジョレー地方の新酒」ということです。

ワインには古ければ古いほど良いといった価値観もありますが、ボジョレー・ヌーヴォーは熟成期間が2~3ヵ月と短いため、通常の赤ワインのような渋みや酸味が少なく、フレッシュで飲みやすい仕上がりになっています。ワイン初心者の入門編としてもおすすめです。

バブルがはじけた後はワイン市場そのものが低下した時期もありましたが、1990年代後半に赤ワインに含まれるポリフェノールの抗酸化作用が大々的に取り上げられたことから、再び息を吹き返しました。ボジョレー・ヌーヴォーの輸入量は2004年にピークを迎え、以降減少してはいるものの、輸出されるうちの半量は、いまだに日本で消費されているといわれています。

ボジョレー・ヌーヴォーを美味しく味わうには

ボジョレー・ヌーヴォーには白もわずかながら存在しますが、大多数は赤です。赤ワインは冷やさないで飲むことが多いものですが、ボジョレー・ヌーヴォーはフルーティーで軽いため、冷たいほうがおいしく味わえます。1時間くらい前から冷やしておき、10~12度になったら飲みごろです。

赤ワインは香りを楽しむために大きめのグラスで飲みますが、フレッシュさをより感じるため、また、ぬるくならないうちに飲みきれるよう、小ぶりで口がすぼまっている卵形のワイングラス(スパークリングワインなどに向くグラス)を選びましょう。

さらに、「赤ワインには肉料理」といわれますが、ボジョレー・ヌーヴォーには、和食や魚介など、いくぶんあっさりした料理がよく合います。要約すると、ボジョレー・ヌーヴォーは、見た目は赤ワインですが、実際は白ワインを飲む感覚で楽しむと、その美味しさが最大限に引き出されるはずです。

ツッコミどころ満載のキャッチコピー

ボジョレー・ヌーヴォーといえば、その年の味や風味、出来栄えを評価するキャッチコピーも話題になります。一例を挙げるだけでも、1998年に「10年に1度の当たり年」と言ったかと思えば、そのわずか3年後の2001年に「ここ10年で最高」と評し、さらに翌年の2002年には「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」とも。「一体どの年が最高なの!?」と、ひとこと言いたくもなりますが、このキャッチコピーごと笑って受け止めるのが、日本流の正しいボジョレー・ヌーヴォーの楽しみ方と言えるでしょう。

ちなみに2018年は、「理想的な条件のもと、素晴らしいヴィンテージへの期待高まる」でした。今年のキャッチコピーも気になるところです。バブル期ほどの盛り上がりはないとはいえ、ボジョレー・ヌーヴォー解禁日は、年に一度の大人のお祭り。適量を守りつつも、大いに盛り上がりましょう。

文・J PRIME編集部/提供元・J PRIME

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