大手スーパー各社の2020年度決算を眺めてみると、新型コロナウイルスの感染拡大はスーパー業界にとっては追い風だったことがわかる。すべての企業の営業収益が前期を超えており、売上高上位10社のうち8社は売上高の伸び率も拡大した。スーパー業界の今に迫る。
食品スーパーマーケット業界の現状は?
2020年度、スーパー各社はかつてない特需に沸いた。新型コロナウイルスの感染拡大によって外食の自粛が続く中、自宅で料理をする「内食(うちしょく)」の需要が高まったことが主な要因だ。
流通業向けシステム開発のプラネットが2020年9月に実施した消費調査でも、その傾向がはっきりと出ている。この調査では、新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて、自宅での食事や外食に関してどういった変化があったかを聞いている。
自宅での食事が「非常に増えた」「少し増えた」と回答した人は46.0%に上り、一方で外食については「コロナを機に利用・実施しなくなった」「非常に減った」「少し減った」と回答した人が63.3%と半数を越えた。
内食需要が高まった理由は、感染対策として外出を控える人や在宅勤務で家に長くいる人が増えたこと、コロナ禍で所得が減ったために節約する人が多くなったことなどだ。免疫力を高めようと、コンビニ弁当など控えた家庭が増えたことも追い風になった。
上場企業の売上高ランキングTOP10
2020年度、スーパー各社の売上高はどのくらい伸びたのだろうか。上場企業を対象に、2020年度決算(2021年2月期決算もしくは2021年3月期決算)から売上高に相当する「営業収益」を抽出し、ランキングにした。
<スーパー事業を展開する上場企業の営業収益トップ10>
順位 | 企業名 | 営業収益 | 前期比 | 前期の前期比 |
---|---|---|---|---|
1位 | ライフコーポレーション | 7,591億4,600万円 | 6.2%増 | 2.3%増 |
2位 | USMH | 7,338億5,000万円 | 6.1%増 | 0.4%減 |
3位 | バローホールディングス | 7,301億6,800万円 | 7.7%増 | 19.8%増 |
4位 | マックスバリュ西日本 | 5,632億1,800万円 | 3.7%増 | 97.5%増 |
5位 | アークス | 5,569億4,600万円 | 7.3%増 | 1.4%増 |
6位 | ヤオコー | 5,078億6,200万円 | 10.3%増 | 5.8%増 |
7位 | ヨークベニマル | 4,776億3,300万円 | 6.8%増 | 0.3%増 |
8位 | マックスバリュ東海 | 3,559億400万円 | 31.1%増 | 19.9%増 |
9位 | オークワ | 2,792億1,700万円 | 5.2%増 | 0.1%増 |
10位 | いなげや | 2,659億1,700万円 | 4.1%増 | 1.0%増 |
1位:ライフコーポレーション(証券コード:8194)
近畿地方・関東地方で展開するライフコーポレーションは、営業収益の伸びもさることながら、純利益は前期比127.5%増を記録している。今期も、2020年度と同程度の営業収益を見込んでいる。2021年6月25日の株価は、1年前と比べて約4%上昇している。
2位:USMH(証券コード:3222)
関東地方で展開するマルエツを傘下に持つユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)も、前期比440.5%増と純利益の伸びが際立った。2021年6月25日の株価は、1年前と比べて3.87%下落している。
3位:バローホールディングス(証券コード:9956)
東海地方で展開するバローホールディングスは、営業収益と純利益ともに過去最高を記録した。生鮮を武器にした施策が消費者に支持されたことも、売上増に寄与した。株価は、1年前と比べて12.76%上昇している。
4位:マックスバリュ西日本(証券コード:8287)
マックスバリュ西日本もコロナ特需で売上高が伸び、最終損益は赤字から黒字に転換している。株価は1年前と比べて13.24%増と大きく上昇。黒字転換の勢いを維持し、今後も株価が上がるかどうか注目したい。
5位:アークス(証券コード:9948)
アークスの営業収益は7.3%増、純利益は88.7%増だった。今期は営業収益2.1%増を予測している。株価は、1年前と比べて13.15%上昇している。
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今後の食品スーパーマーケット業界の行く末は?
好調が続く食品スーパー業界だが、今後はどうだろうか。懸念されるのが、外食需要の増加による売上の反動減だ。ワクチン接種が進んで消費者が自由に外出できるようになれば、スーパー業界の売上高は少なからず落ち込むことが予想される。
その状況でも売上高を伸ばすことができれば、本当に実力のある企業と認知されるだろう。アフターコロナで最も良い業績を残せるのはどの企業か、引き続き注目したい。
文・MONEY TIMES編集部
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