FXはハイリスクながらもリターンの高さとコストの安さが魅力だ。これからFXを始める人に向けて、よりコストを抑えられるFX業者はどこなのか、あるいはお得な通貨ペアな何かなどをランキング形式で紹介。FXにかかるコストなど含め、初心者が知っておきたい基本を解説していこう。
目次
1,FX取引にかかる3つのコスト

FX取引にかかるコストは、これからFXを始める人が最初に注目するポイントだろう。
FXの3つのコストがどのような費用なのかを説明していきたい。
為替スプレッドの意味
為替スプレッドには、変動スプレッド制と原則固定制の2種類がある。
たとえば、米国雇用統計など重要な指標の発表時やテロなどの突発的な出来事、クリスマスや年始年末など流動性の低い時間などだ。(参考:FXブロードネット)
為替スプレッドは、FX業者の適用為替レートで為替取引を行う際に、自動的に上乗せまたは差し引かれて、投資家には買値と売値だけが提示される。
為替スプレッドの最狭水準は、米ドル/円では±0.2銭だ。

米国株の購入や米ドル建MMF、米ドル建外債などの為替取引の場合の米ドル/円の為替スプレッドは±0.25円が標準的であり、コストは割安といえるでしょう。
スプレッドの狭いFX業者を選ぶことが利益につながる

スプレッドは、狭いほうが利用者にとって利益を出しやすいので有利です。
為替スプレッドと手数料の違い
国内FX業者の取引手数料はほぼ無料で、口座開設手数料や口座維持手数料などもかからない。
入金手数料と出金手数料も基本的に無料だが、銀行振込による入金では利用する金融機関の手数料が発生する。

これらの入出金手数料とは異なり、為替スプレッドは取引ごとに発生します。FXの実質的な主要な手数料は為替スプレッドといえます。
スプレッドの単位「銭」と「pips」の2種の違い
スプレッドには銭単位とpips単位の2種類がある。
2,FXの為替スプレッドランキングTOP18 SBI、トレイダーズ、ヒロセ通商を比較

FX初心者が最初に注目する為替スプレッドのランキングを見てみよう。
幅が狭い(つまり安い)のはどのFX業者なのか、またどの通貨ペアのスプレッドが狭いのか比較してほしい。
FX為替スプレッドランキングTOP18
順位 | FX業者名 | 為替スプレッド(カッコ内は、公表されている提示率) | |||
---|---|---|---|---|---|
米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 南アフリカ ランド/円 |
||
1 | SBI FXトレード |
[1~1,000] 0.09銭 [1,001~100万] 0.19~7.80銭 [100万1~300万] 0.20~7.80銭 [300万1~ 1,000万] 0.80~7.80銭 |
[1~1,000] 0.30銭 [1,001~100万] 0.40~15.80銭 [100万1~300万] 0.50~15.80銭 [300万1~ 1,000万] 1.70~15.80銭 |
[1~1,000] 0.69銭 [1,001~100万] 0.90〜18.80銭 [100万1~300万] 1.00〜18.80銭 [300万1~ 1,000万] 2.70〜18.80銭 |
[1~1,000] 0.78〜0.80銭 [1,001~100万] 0.78〜4.80銭 [100万1~300万] 0.78〜4.80銭 [300万1~ 1,000万] 1.28~4.80銭 |
2 | トレイダーズ証券 (みんなのFX) |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.8銭 | 0.9% |
3 | ヒロセ通商 (LION FX) |
0.2銭 | 0.4~0.7銭 | 1.0銭 | 0.8銭 |
4 | DMM FX | 0.2銭 (97.49%~) |
0.5銭 (97.15%~) |
1.0銭 (96.87%~) |
1.0銭 (98.90%~) |
5 |
GMOクリック証券 (FXネオ) |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.9銭 |
6 | 外為どっとコム | 0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.9銭 原則固定※例外あり |
7 | 外貨ex byGMO | 0.2銭 (99.20%) |
0.5銭 (97.65%) |
1.0銭 (99.27%) |
1.3銭 (99.07%) |
8 | FXブロードネット |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 非公開 |
9 | マネーパートナーズ (パートナーズFX/ パートナーズFXnano) |
0.3銭 | 0.4銭 | 0.7銭 | 0.8銭 |
10 |
FXプライムbyGMO 〈選べる外貨〉 |
0.3銭 | 0.6銭 | 1.1銭 | 0.9銭 | 11 | 楽天FX | 0.2銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.9銭 | 12 | マネックスFX | 0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 1.0銭 | 13 | Oh!FX (住信SBI ネット銀行) |
0.5銭 | 2.0銭 | 3.0銭 | 3.8銭 | 14 | MATSUI FX (松井証券) |
0.2銭 | 0.5銭 | 1.1銭 | 1.0銭 | 15 | 野村證券 | 1.8銭 | 3.9銭 | 5.9銭 | 非公開 | 16 | ソニー銀行 | 0.3銭 | 0.4銭 | 0.8銭 | 0.5銭 | 17 | LINE FX | 0.2銭 | 0.3銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 18 | ネオモバ (SBIネオ モバイル証券) |
【1~500】 0.0銭 【501~1,000】 0.0銭 【1,001~ 10,000】 0.2銭 【10,001~ 3,000,000】 0.3銭 |
【1~500】 0.4銭 【501~1,000】 0.4銭 【1,001~ 10,000】 0.5銭 【10,001~ 3,000,000】 0.6銭 |
【1~500】 0.9銭 【501~1,000】 0.9銭 【1,001~ 10,000】 1.0銭 【10,001~ 3,000,000】 1.1銭 |
【1~500】 1.0銭 【501~1,000】 1.0銭 【1,001~ 10,000】 2.1銭 【10,001~ 3,000,000】 2.2銭 |
頻繁に取引する米ドル/円の為替スプレッドの安さを基準に、同じスプレッドの場合はユーロ/円、英ポンド/円で比較した。
米ドル/円の為替スプレッドは0.2銭がほとんど

主要な通貨ペア以外にも、取引量は多いがスプレッドの差が大きくなりやすい英ポンド/円や、米ドル/ユーロなどにも注目しましょう。
FX業者の中には、一定期間や時間を対象にした提示率(提示された為替スプレッド以下の幅で為替取引できた割合)を公表しているところもある。
同じ為替スプレッドのFX業者が複数ある場合は、より提示率の高い業者、あるいは提示率を公表している業者を選ぶのも手だ。
通貨の枚数によってスプレッドが変化する会社もある

枚数が多い場合他社より割高になる傾向があることも、押さえておきましょう。
新興国の高金利通貨にも注目
長期投資を前提にスワップポイントを得ることを考えている人は、ランキングに掲載されている南アフリカランド/円や、トルコリラ/円、メキシコペソ/円のような高金利通貨のスプレッドが狭い業者を選ぶといいだろう。
3,FX口座が人気の18社、会社の概要や口座の特徴を紹介

為替スプレッドランキング上位18社のFX口座には、それぞれどのような特徴があるのだろうか。
初めてFX口座を開設する際、注目したいポイントを中心に紹介する。
第1位、SBI FXトレード――最低取引単位は初心者でも安心な1通貨

SBI FXトレードは、ネット証券最大手のSBI証券と同じSBIグループのFX専門業者である。
取扱通貨ペアはSBI証券のFXが28種類、SBI FXトレードは34種類とSBI FXトレードのほうが多い。
SBI証券とSBI FXトレードの最も大きな違いは、原則固定の為替スプレッドと取引通貨単位だ。
SBI FXトレードでは、1通貨単位から取引できる。

1通貨から取引できるFX業者はほとんどありませんので、SBI FXは、トレード初めてFXに挑戦するにあたってできるだけ少額で始めて、慣れてからまとまった資金で投資したい、という人に最適です。
第2位、トレイダーズ証券(みんなのFX)――最狭水準のスプレッドと高いスワップポイント

「みんなのFX」は、トレイダーズ証券が運営するFX口座だ。
ポジションを保有する限り毎日受け取ることができるスワップポイントも、他社に比べると高めだ。

スプレッドの狭さとスワップポイントの高さ、どちらもFX初心者にとってはFX口座を選ぶ際の重要なポイントです。
第3位、ヒロセ通商(LION FX)――独立系のFX専門会社で最高水準のスワップポイント

ヒロセ通商(LION FX)は以下のように業界最高水準のサービスや情報量を誇る。
- 通貨ペアは業界最多の50通貨ペア
- 全27種類の多彩な注文方法
- 1日約520本もの速報系ニュースの配信
- 31種類の豊富なテクニカル分析
約定スピードも速く、成行約定率100%を実現し、スピードが重要であるFX取引を高度な技術で支えている。

取引量の多いユーザーに対するグルメ食品プレゼントキャンペーンやユーザー対象食事会付反省会など、ユニークなイベントでも注目を浴びています。
第4位、DMM.com証券FX――FX口座数国内第1位の人気業者

DMM FXは、2020年8月31日現在で80万口座を突破し、FX口座数国内第1位となった人気FX会社だ。

FX初心者にとって重要な、シンプルで使いやすい、そして低コストという条件が揃っています。
第5位、GMOクリック証券(FXネオ)――FX取引高世界第1位の実績あり

FXネオは、GMOインターネットグループの証券会社だ。
グループ内においてFX部門は「FXネオ」として展開されており、証券総合口座を開設しなくてもFX専用口座を開設することができる。
インターネット事業を手掛けるグループの高い技術力が、システムの安定性と信頼性を支えている。

GMOクリック証券(FXネオは証券会社ではあるが、FX取引の占める割合が最も高く、他のFX会社に劣らない実績です。為替スプレッドは狭く、取引ツールも使いやすいので初心者でも取引がしやすいでしょう。
第6位、外為どっとコム――低スプレッドに高スワップポイント、総合力で高評価
低スプレッド、高スワップポイントに加え、ロイター赤文字ニュースをはじめとするプロ向けのリアルタイムニュースもあり、初心者からプロまで活用できる。
わかりやすくて質の高い投資情報など、投資家が必要とするものが何でも揃う。

相場予測や売買判断に利用できる「外為注文情報」や「売買比率情報」のようなオリジナルコンテンツは読みやすく、誰でもすぐに取引に使える優れものです。
取引単位は1,000通貨単位となっています。
第7位、外貨ex byGMO株式会社――GMOインターネットグループの、投資信託も取り扱うFX業者

外貨ex byGMO株式会社はオプションや投資信託も取り扱っており、FX取引は「外貨ex」として提供している。
為替スプレッドが狭く、1,000通貨から取引可能なのが特徴だ。

ローコストで投資を始められ、サポートも充実しているため、初心者には心強いです。
第8位、FXブロードネット――初心者が使いやすい自動売買システムを提供

主要な通貨ペアのスプレッドがFX業界最狭水準となっている。
あまり流通量が多くない通貨ペアでも、スプレッド幅は広くないため、コストを抑えて利益を最大化できるのが魅力だ。

大きな儲けを期待できない分、初心者にとっては安心ですね。
FXブロードネットでは「トラッキングトレード」と呼ばれるリピート型自動売買注文も用意されている。
第9位、マネーパートナーズ――使いやすさでオリコン顧客満足度調査5年連続第1位(2020年)

初心者向けで100通貨単位から取引できる「パートナーズFXnano」と、プロ仕様で1回に1万通貨以上、最大300万通貨まで取引できる「パートナーズFX(PFX)」の2つのコースが用意されている。
FXnanoは100通貨単位、たとえば南アフリカランド/円なら100円程度から取引できるので、気軽に始められる。

ツールの操作は簡単で、しかも手厚い電話サポートも受けられるので、操作方法がわからなくても安心して取引できます。
第10位、FXプライムbyGMO(選べる外貨)――高約定率と低スリッページが最大の特長

スキャルピングやシステムトレードができる注目のFX会社。

利益にこだわるFX上級者が望むスペックを備えたFX会社と言えます。
取引単位は1,000通貨以上(1万通貨未満は手数料加算)、高スワップポイントも魅力だ。
第11位、楽天FX――高機能なツールが無料で使えてポイントも貯まる

楽天FXは楽天グループのFXサービスで、低スプレッドかつ取引ツールが高機能であることが特徴だ。
マーケット情報の提供も充実しており、為替相場や海外の動向、金融市場などFXで参考になる情報を簡単に入手できる。

取引で10万通貨ごとに楽天スーパーポイントが1ポイント貯まり、楽天市場や楽天トラベルなどで利用できるのもメリットです。
第12位、マネックスFX――大手証券会社のサービスでスプレッドの狭さもメリット

マネックスFXはマネックス証券のFXサービスで、大手の証券会社がバックに付いているため安定感がある。

米ドル/円は0.2銭、ユーロ/円は0.4銭とスプレッドが狭いのもメリットです。
専門家の解説やセミナーを動画で視聴でき、特に米国雇用統計は毎月恒例でライブセミナーを配信している。
第13位、Oh!FX(住信SBIネット銀行) ――FXの積立投資ができるのが大きな特徴

Oh!FXは積立サービスがあるのが特徴で、毎月・毎週・毎日の3パターンでFXの積立投資ができる。

米ドルなら1ドルから積立ができるので、少額投資がしやすいのもメリットです。
「Oh!FX」にはスマートフォンアプリがあり、取引画面やチャート画面から簡単に注文できる仕組みになっている。

簡単に操作できるツールを使いたい人におすすめです。
第14位、MASTUI FX(松井証券) ――1通貨から投資できてカスタマーサポートも手厚い

スプレッドも米ドル/円は0.2銭、ユーロ/円は0.5銭と狭めだ。

コールセンターは7:00~23:00と夜間まで受け付けているため、夜に取引をする初心者も安心です。
第15位、野村證券――大手の証券会社ならではの安定感がある

取引単位は1,000通貨からなので、少額投資も可能だ。

取引ツールは高機能版と簡易版の2種類があり、初心者でも簡易版なら操作しやすいでしょう。
第16位、ソニー銀行――ユーロ/円などのスプレッドの狭さがメリット

ソニー銀行では外貨預金に加え、FX取引も行える。

ソニー銀行で外貨預金をしている人で、FXにも興味があるなら気軽に試すことができます。
第17位、LINE FX――スマホでスピーディーに取引ができてスプレッドも狭い

LINE FXは、専用のスマホアプリでスピーディーに取引できる。

スプレッドに関しても、ユーロ/円は0.3銭、ポンド/円は0.5銭と業界内でもかなり狭いです。
第18位、ネオモバ(SBIネオモバイル証券) ――1,000通貨以下ならスプレッドなし

ネオモバのFXは、取引する通貨の量に応じてスプレッドが変化する。

またTポイントを利用して取引ができる仕組みがあるため、普段からTポイントを貯めている方におすすめです。
4,FX初心者には「低スプレッド」と「少額投資」が重要なポイント

投資初心者の鉄則は、低コストと少額投資だ。
初心者のうちは大きな利益は期待できないので、少しでもコストを抑えて利益を残すことは、その後も投資を継続する上で重要になる。
また、リスクを最小限に抑えるために投資を少額にすることも忘れてはならない。
最初のFX口座を選ぶ際は、少ない通貨単位でも取引できる業者を選ぶと安心だ。

損失が発生した場合でも損失額を許容範囲に収められるので、FX業者選びの条件に加えておきましょう。

2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
【関連記事】
・初心者向けFX口座ランキング!20社を徹底比較
・FX手数料・スプレッドが安い会社をランキングで比較!SBIやDMM、GMOなどTOP10各社の特徴は?
・FX口座はなぜ複数持った方がよいのか?
・FXの税金は?いくらから確定申告する必要がある?
・初心者向け!FX口座ランキング!20社を徹底比較
・DMM FXとGMOクリック証券のFX口座の違いは?