スマホを使っていてよくしてしまうのが落下による画面破損だ。液晶までは割れていない場合、修理代を惜しんでそのまま使い続ける人もいるようだが、スマホ保険付きのクレジットカードを持っていれば、もっと気楽に修理に出せる。

目次

  1. クレジットカードのスマホ保険とは?
  2. スマホ保険付帯のクレジットカード3選
  3. ドコモユーザーなら「dカード」「dカードGOLD」も検討を

クレジットカードのスマホ保険とは?

スマートフォン(以下スマホ、iPhoneを含む)は落下・水没などのリスクが比較的高いため、できれば修理費用などを補償する保険に入っておきたい。

多くの場合、購入時に販売店で毎月支払うタイプの保険加入を勧められるが、年間を通してそれなりの金額になるため保険を付けるかどうか迷う人もいるだろう。

そうした場合に注目したいのが、スマホ保険が付帯するクレジットカードだ。まず、スマホ保険がどういう保険なのか説明しよう。

主な保険内容1,スマホの修理代金を補償

補償対象の条件を満たしたスマホについて、修理が必要な状況になった場合に修理代金の全額、または一部が補償される。

補償対象期間が購入から2年間に限られる保険もある。スマホのスペック向上は日進月歩で、端末代金の月払いも多くは2年ほどで終了する。そのため、ほとんどの人は2年ほどで買い替えている事実がある。それを考えると、2年間でも補償期間は十分といっていいだろう。

主な保険内容2,修理できない場合も補償対象に

修理できない場合は買い替えを余儀なくされるが、そのような修理不可のケースでも一定額までは補償される。保険金だけで新端末を購入するのは難しくても、金銭的負担は確実に軽減されるため、そのメリットは決して小さくはない。

主な保険内容3,スマホ以外の電子デバイスが補償対象となる保険も

カードによっては、スマホ以外にタブレット端末やスマートウォッチ、ノートパソコン、デスクトップパソコンなどが補償対象に含まれる保険が付帯するものもある。

その種の電子デバイスを複数持つ人にとって、保険のメリットは非常に大きいといっていいだろう。

主な保険内容4,家族の端末が補償対象になる保険も

カードによっては、同居家族の所有するスマホなどの端末も補償対象となる保険が付帯するものがある。子どもから高齢者に至るまでスマホを持っているのが珍しくない現状を考えると、最高補償金額だけでなく補償範囲の条件まで含めて検討した方がよさそうだ。

スマホ保険付帯のクレジットカード3選

では、スマホ保険が付帯するクレジットカードをここで3つ選び紹介しよう。

1,アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード……年間最高5万円補償

スマホ保険が付帯するカードの1つが「アメリカン・エキスパート・ゴールド・カード(以下、アメックス・ゴールド)」だ。

このカードにはスマートフォン・プロテクションという最高5万円補償のスマホ保険が付帯しており、補償内容の概要は次のようになっている。

補償対象 本会員のスマートフォン
(1台のみ)
補償範囲 偶然の事故による外装部分の破損
(スクリーンガラス割れ損害を含む、水没などは含まない)
修理困難な場合は同種・同様のものを再調達した代金
支払い限度額
(年間)
5万円
対象端末 購入日より2年以内のスマートフォン
免責金額 1事故につき1万円
(※アメックス・ゴールドのホームページを元に筆者作成)

補償を受けるには、事故発生時点で対象のスマホの通信料を3ヵ月以上連続してアメックス・ゴールドで決済していることが条件となる。また、1事故につき1万円分は免責となるので、修理代金が1万円未満の場合、補償は適用されない。

なお、支払い限度額は1年間のうちに5万円となっており、その範囲内であれば何度でも補償を受けられる。

カードの基本スペックも紹介しておこう。

「アメックス・ゴールド」の基本スペック

年会費 3万1,900円(税込)
家族カード1枚目無料、
2枚目以降1万3,200円(税込)
国際ブランド アメリカン・エキスプレス
主な付帯サービス 空港ラウンジサービス
プライオリティ・パス年間2回ラウンジ無料
各種空港サービス優待
京都特別観光ラウンジ利用
2名以上の予約でコース料理1名無料
カード継続特典
(ホテルクーポン、スターバックスチケットプレゼント)
付帯保険 海外旅行傷害保険(利用付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
海外航空便遅延費用補償(利用付帯)
スマートフォン・プロテクション(利用付帯)
ショッピング・プロテクション(利用付帯)
リターン・プロテクション(利用付帯)
キャンセル・プロテクション(利用付帯)
(※アメックス・ゴールドのホームページを元に筆者作成)

なお、アメリカン・エキスプレス発行のカードでは、他に「アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード(アメックス・プラチナ)」や、ゴールドランク相当以上の一部提携カードにもスマートフォン・プロテクションが付帯している。

保険の諸条件は、支払い限度額を除くとほぼ同一内容だ。ここでは、各カードの年会費と支払い限度額のみを紹介しよう。

カード名 税込み年会費 支払い限度額(年間)
アメックス・プラチナ 14万3,000円 10万円
ANAアメックス・プレミアム 16万5,000円 5万円
ANAアメックス・ゴールド 3万4,100円 3万円
デルタスカイマイル・
アメックス・ゴールド
2万8,600円
ヒルトン・オナーズ・
アメックス・プレミアム
6万6,000円
(※アメックス・カードの各種ホームページを元に筆者作成)

いずれのカードのスマホ保険も補償範囲は外装部分の破損のみとなっており、少々心もとない印象もある。ただ、ハイステータスカードとして定評のあるアメリカン・エキスプレス発行のカードの取得を検討しているなら、このスマホ保険のことを頭に入れておくとよさそうだ。

2,ミライノ カード GOLD……年間最高3万円補償

「ミライノ カード GOLD」にはモバイル端末の保険というスマホ保険が付帯する。対象端末の条件を一部抜粋して次に紹介しよう。

・カード会員が所有または使用するスマホ(同カードでは家族カードは発行されない)
・メーカー発売日から5年以内、あるいは保険開始日の1年前より以降に購入したスマホ
・カード入会時に破損や水濡れなどがなく正常に動作しているスマホ

保険金の支払いは年1回・最大1端末だ。破損や損壊だけでなく、水濡れ、水没、故障、盗難なども補償対象となる。補償額は次の通り。

修理可能な場合 3万円を上限として
修理費用の実額/年1回
修理不能の場合
(修理不能による有償交換を含む)
7,500円を上限として
端末購入金額の25%/年1回
(※ミライノ カード GOLDのホームページを元に筆者作成)

アメリカン・エキスプレス発行カードのスマホ保険と比べると、保険対象のスマホ端末の条件が緩く、また補償対象の範囲も広いのが特徴的だ。補償金額はそこまで高くはないものの、カード年会費を考えれば十分にリーズナブルな補償内容といっていいだろう。

「ミライノ カード GOLD」の基本スペック

年会費 3,300円(税込)
※年間100万円以上の利用で次年度無料
国際ブランド JCB
主な付帯サービス 空港ラウンジサービス
JCB提供の各種トラベルサービス
住信SBIネット銀行優遇サービス
付帯保険 海外旅行傷害保険(利用付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
ショッピングガード保険・海外のみ(利用付帯)
モバイル端末の保険(自動付帯)
(※ミライノ カード GOLDのホームページを元に筆者作成)

3,ミライノ カード PLATINUM……年間最高5万円補償

「ミライノ カード GOLD」の上位カードとなる「ミライノ カード PLATINUM」にもモバイル端末の保険が付帯する。こちらはスマホだけでなく、タブレット端末、デスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートウォッチ、モバイルゲーム機、モバイル音楽プレーヤーも対象だ。

また、カード会員だけでなく同居家族名義の端末が対象に含まれる点も大きな特徴となっている(家族カードの発行はない)。なお、「ミライノ カード GOLD」の保険と同様、次の条件を満たしていることが保険適用条件だ。

・メーカー発売日から5年以内、あるいは保険開始日の1年前より以降に購入した端末
・カード入会時に破損や水濡れなどがなく正常に動作している端末

保険金の支払いは年1回・最大1端末。破損や損壊だけでなく、水濡れ、水没、故障、盗難なども補償対象となる。補償額は次の通り。

修理可能な場合 5万円を上限として
修理費用の実額/年1回
修理不能の場合
(修理不能による有償交換を含む)
1万2,500円を上限として
端末購入金額の25%/年1回
(※ミライノ カード PLATINUMのホームページを元に筆者作成)

補償対象の端末がスマホだけに限らず広範囲にわたり、かつ同居家族全員分の端末が対象になることを考えるとメリットの大きな保険といっていいだろう。年会費とのバランスを考えても高く評価できる保険内容だ。

「ミライノ カード PLATINUM」

年会費 2万7,500円(税込)
国際ブランド JCB
主な付帯サービス 空港ラウンジサービス
プライオリティ・パス
JCBの上位カード向けサービス各種
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンJCBラウンジ
住信SBIネット銀行優遇サービス
コンシェルジュデスク
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(自動付帯)
ショッピングガード保険(利用付帯)
モバイル端末の保険(自動付帯)
(※ミライノ カード PLATINUMのホームページを元に筆者作成)

ドコモユーザーなら「dカード」「dカードGOLD」も検討を

ここで紹介してきたようなスマホ保険とは異なるが、ドコモユーザーなら「dカード」「dカードGOLD」のdカードケータイ補償という保険にも注目したい。

これは購入から一定期間以内の携帯電話端末が、偶然の事故により紛失・盗難または修理不能(水濡れ・全損など)となり、新たに同一機種・同一カラーの携帯電話端末をドコモショップなどでdカードを使って購入する場合に購入費用の一部を補償するもの。補償対象や補償金額は次のようになる。

対象となる会員 「dカード」「dカードGOLD」の
本会員・家族会員
補償対象となる
携帯電話端末
カードにひもづけている番号(1回線)を
利用している携帯電話端末
補償金額 dカード:最大1万円
dカードGOLD:最大10万円
補償期間 dカード:端末購入後1年以内
dカードGOLD:端末購入後3年以内
(※dカードの各種ホームページを元に筆者作成)

>>「dカードGOLD」の詳細を見る(公式サイトへ)

この保険以外にもドコモユーザーに使い勝手のよいカードとなっている。今後、他のキャリアを利用する可能性がないなら、この2つのカードを検討してみよう。

「dカード」の基本スペック

年会費 無料
家族カード無料
国際ブランド VISA
MasterCard
主な付帯サービス 海外デスク
海外レンタカー優待
付帯保険 お買い物あんしん保険(利用付帯)
dカードケータイ補償(利用付帯)
(※dカードのホームページを元に筆者作成)

「dカードGOLD」の基本スペック

年会費 1万1,000円(税込)
家族カード1枚目無料、
2枚目以降1,100円(税込)/枚
国際ブランド VISA
MasterCard
主な付帯サービス 空港ラウンジ
海外デスク
海外レンタカー優待
年間利用額特典(クーポン贈呈)
GOLDデスク
ドコモケータイ料金・
ドコモ光の料金分がポイント10倍(10%還元)
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
お買い物あんしん保険(利用付帯)
dカードケータイ補償(利用付帯)
(※dカードGOLDのホームページを元に筆者作成)

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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