プライベートバンクとは?オーダーメイドの投資商品を提供する、富裕層向け金融サービスの実態

2019.6.27
INVESTMENT
(画像=Getty Images)
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プライベートバンクは、経営に無限責任を負うプライベートバンカーが経営する銀行のことです。

スイスで発祥し、欧米で発展しました。

銀行業務だけでなく、証券・不動産・信託など総合的な資産管理や資産運用を行います。

UBS銀行は金融資産2億円、クレディ・スイス銀行は金融資産10億円以上など、最低金融資産が決まっているのが通常です。

一般の金融機関は株や投資信託などの金融商品を個別にすすめてきますが、プライベートバンクでは、顧客一人ひとりにあったオーダーメイドの金融商品やサービスを提供するのが大きな特徴です。

プライベートバンクと顧客との関係は長期に渡る

日本の金融機関では2~3年ごとに転勤があるので、顧客と長期的な関係を築くことは困難です。

短期的な利益に目が行って売買を繰り返す営業マンもいます。

一方、プライベートバンカーは老後資金や保険、子や孫への相続など、長期的な視点での付き合いが基本です。

海外では、2代、3代と付き合いが続くことも珍しくありません。

プライベートバンカーが転職しても、顧客は引き続き新しい金融機関に口座を開くケースが多く、プライベートバンカーと顧客の関係は強い信頼でつながっています。

プライベートバンクの手数料は高い

一般の金融商品の手数料は下がっています。

特にネット証券を使えば、とても安い手数料で金融商品の売買ができます。

口座開設や口座管理料などもほとんどの金融機関で無料です。

しかし、プライベートバンクはオーダーメイドの金融商品なので手数料が高く、それ以外にも口座を管理するための「アカウントメンテナンス・フィー」がかかります。

アカウントメンテナンス・フィーのメインは、「アセットマネジメント・フィー」です。

アセットマネジメント・フィーは、一任勘定で資産の運用を任せる場合に必要な費用で、預かり資産の1.5%程度かかります。

さらに、必要に応じてプライベートバンカーに個別相談する場合は、「アドバイザリー・フィー」が必要です。

アドバイザリー・フィーは、預かり資産の0.6~1%程度です。

この他にも管理料(カストディー・フィー)がかかり、合計すると毎年3%程度の手数料がかかる計算になります。

1億円預けた場合は、年間300万円にもなります。

プライベートバンクを利用する場合は、事前に手数料を把握しておく必要があります。

しかし、高い手数料は専門性の高いサービスの対価です。

金融商品だけでなく、相続や税金などあらゆることをプライベートバンカーに相談できます。

高度なサービス内容を考えると、手数料は妥当だと考えられます。

富裕層の定義~金融資産1億円以上が富裕層

日本は米国に次いで富裕層が多い国です。

国内外の金融機関は富裕層向けのサービスを充実させており、顧客争奪戦が過熱しています。

それでは、富裕層とはどのような人なのでしょうか?

一般的に100万ドル(日本円では1億円)の金融資産を保有している人が富裕層と定義されます。

たとえば、野村総合研究所の調査では以下のように分類されています。
 
プライベートバンクとは?オーダーメイドの投資商品を提供する、富裕層向け金融サービスの実態
(画像=出典:NRI)
純金融資産1億円以上5億円未満を「富裕層」、純金融資産5億円以上を「超富裕層」と呼び、合わせると126.7万世帯。富裕層と超富裕層の世帯数は2013年から増え続けています。

これは、2012年末のアベノミクス相場の景気拡大や株価上昇により、準富裕層や富裕層の多くが資産を増やし、それぞれ富裕層・超富裕層に移動したことが要因と見られています。

欧州のプライベートバンク

プライベートバンクは欧州が本場です。

スイスやリヒテンシュタイン、オーストリアなどで口座を開く事ができます。

最低投資金額は100万ドル(約1億円)が多いですが、手数料も高いので300万ドル以下ではメリットが薄いといわれています。

プライベートバンク側も小口の顧客ではコストがかかるので、最低投資金額を引き上げているところが増えています。

ピクテやミラボーなど名門銀行に口座開設する場合は、最低投資金額は1000万ドル(約10億円)です。

ですから、超富裕層以外は、本格的なプライベートバンクは縁のない金融機関といえます。

ただ、本格的なプライベートバンクでなくても、富裕層向けのサービスを行う金融機関は増えています。

どのようなサービスがあるのか具体的に見ていきましょう。

国内の富裕層向けサービスは活況

国内の富裕層ビジネス(プライベートバンクサービス)も広がりを見せています。

主に、次のような特徴があります。

オーダーメイド型の金融商品

プライベートバンクでは、私募型の投資信託やテーラーメイドの債券など、顧客ニーズに合わせた金融商品を提供することが可能です。

ただ、近年では一般の公募投信や私募債も充実しているので、オーダーメイド型の金融商品の優位性というのは薄れてきています。

優秀なプライベートバンカーによるコンサルティング

ただし、複雑な金融商品が増えた分、顧客が自分にふさわしい商品を選ぶのは難しくなっています。

私募債は複雑なデリバティブを利用している商品も多く、すべてを理解するのは困難です。

そんな中、信頼できるプライベートバンカーに相談できるのは、心強いと感じる人も多いでしょう。

国内系のプライベートバンクやウェルスマネジメント部門には、トップクラスの人材が配置されます。

証券アナリストやFP(ファイナンシャルプランナー)などの有資格者も少なくありません。

顧客を担当する人材の優秀さは、富裕層向け金融サービスの大きな特徴です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

スイスなど海外のプライベートバンクは手厚いサービスを受けられますが、金融資産5億円以上の超富裕層向けのサービスです。

ただ、国内金融機関も富裕層向けのプライベートバンクを強化しています。

金融商品が充実しているだけでなく、相続や事業承継など付加的なサービスが充実しているのが特徴です。

プライベートバンクを利用する場合は、プライベートバンカーといつでも連絡がつくか、親身になって相談に乗ってもらえるのかということも大切です。

プライベートバンクは数十年と長い期間にわたって利用するサービスだからです。

富裕層向けのサービスを受ける際は、複数のプライベートバンクにコンタクトをとり、最低投資金額や手数料・サービス内容をじっくり比較して決めるようにしましょう。

提供元・The Motley Fool Japan

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