株主優待投資が個人投資家の間でブームとなっている。現在、優待を実施している企業は1300社以上に上るため、どのような優待株を選べばよいのか迷っている方も多いのではないだろうか。

中でも人気の優待株は、配当や値上がり益狙いの投資家以外に、優待投資家たちの買い資金も流入するので、値下がりに強い銘柄が多い。また大手企業でも配当のほかに手厚い優待制度を実施している場合があり、配当と優待の金額を合計した利回りが高くなることがある。

オリックス <8591> もそんな企業の一つだ。今回はオリックスに関して以下の項目ごとに紹介していく。

  1. オリックスの事業内容、株主優待の内容は?
  2. オリックスの株主優待の魅力とは? おすすめの人
  3. オリックスの最近の事業展開は?
  4. オリックスの業績と財務分析

1. オリックスの事業内容、株主優待の内容は?

オリックスの主軸は、法人向けの金融サービスや太陽光やインフラなどへの事業投資だ。ただ、リテール向けの保険、不動産、メンテナンスリースに至るまで事業内容は多岐に及ぶ。実は水族館も運営しており、株主優待としても提供されているようだ。

【3月末のみ】
100株保有 ふるさと優待5000円相当(3年以上保有すると10000円相当へとランクアップ)各地域の取引先企業が販売する食品・飲料など10品程度のカタログの中から1品を選択できる。

【3月末・9月末の年2回】
100株保有 株主ご優待カード

京都水族館、すみだ水族館などの入場料金10%オフ
オリックスレンタカー基本料金割引、中古車販売割引など
オリックス・バファローズ公式戦ホームゲーム優待

※優待内容(3月末・9月末の年2回)

2. オリックスの株主優待の魅力とは? おすすめの人

オリックスを紹介したい点は、なんといっても2種類の優待を楽しめることだ。

ふるさと優待は選択式なので選ぶ楽しさがある一方、到着までに優待が必要なくなるという心配をしなくて済む。割引カードはアクティブに外で遊びたい人たちの手助けをしてくれる。

この優待がお勧めの人は、レンタカー割引や水族館割引などを必要とする子連れの家族や夫婦、または個人など幅広い。

ちなみに筆者は、実際に「漬け丼用具材セット」「讃岐うどんセット」をいただいたが、バラエティー豊富なうえ、優待のクオリティーは高めな印象を受けた。

3. オリックスの最近の事業展開は?

「既存のビジネス成長」と「重点分野への新規投資」の2本柱を掲げ事業展開を行っている。

「既存のビジネス」は自動車リース、手数料ビジネス、生命保険など直近業績への貢献度の高い事業をさらに成長させようとしている。一方で、アセットマネジメント、環境エネルギー事業やプライべーエクイティー事業を「重点分野への新規投資」と位置づけ、事業展開している。

オリックスは、どうしても金融部門の印象が強いが、最近では環境エネルギーに力を入れている。例を挙げると、民間の高圧業務用の施設などに新電力を小売りで供給したり、割安な高圧電力を電力会社から受電してマンション向けに低圧で配電する電力一括購入サービスなどを行ったりしている。

4. オリックスの業績と財務分析

【業績】
16年3月期の一株利益実績が198.7円。会社四季報(2017年新春号)による予想は、そこから217.4円、236.4円と伸びるというものだ。売上高も同時に伸びる予想となっているので、予想ベースでの業績推移は堅調なように見える。しかし、つい先日発表された第三四半期決算によると、進捗は前年度に比べて1株利益がかろうじて微増といったところ。セグメント別にみると、リテール部門と事業投資が業績へ寄与する一方で、法人金融など主軸の事業が足を引っ張る形になっている。

  • PER……8.0倍(PERは一般に10倍以下が割安だとみなされている)
  • PBR……0.93倍(PBRは一般に1倍以下が割安だとみなされている) (2017年2月15日時点)

    指標面では十分割安な水準まで株価が下がってきている。

【財務】
自己資本比率が21.9%と低めで、自己資本に対する有利子負債の比率は高め。利益を圧迫する一要因ともいえそうだが、不動産、事業投資など事業内容の特質から借り入れは多めなことが普通だ。

一方で、自己資本を使ってどれくらい利益を産み出せたかを見るROE(株主資本利益率)は12.2%と、合格水準である8%を超えている。

オリックス、株価下落局面で狙う戦略がよさそう

業績進捗が悪いため、割安な水準まで株価は売り込まれている。配当予想51円と優待(5000円相当のギフトと割引カード)を考慮すると、株価に対する利回りは6%程度と高い水準だ(2017年2月9日終値で換算)。ただ、本業の立て直しによる業績復調も見守りたい。狙い目の優待としてリスト入りして、権利落ちする前にさらに株価が下がった局面を狙うなど、戦略を立てて買うのもよいだろう。

文・谷山歩(たにやま あゆみ)/ZUU online

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