知らないと損する?「IPO投資」6つの注意点・デメリット

2019.1.6
INVESTMENT
(写真=moomsabuy/Shutterstock.com)
(写真=moomsabuy/Shutterstock.com)
IPO投資は一般に、上場前の株を公募価格で買い、初値(市場で最初に付く値段)などで売ることで、人気の銘柄であれば大きな利益を得る可能性が高く、メリットが多い投資法だ。そんな魅力的なIPO投資だが、デメリットもある。

デメリットその1 IPO申し込みで資金が拘束される

IPOに申し込むと資金が拘束されることがある。資金が拘束されると、解除されるまでその資金を利用できない。

資金拘束のタイミングは証券会社によって異なる。例えば、SMBC日興証券は、IPOのブックビルディング申し込みをした時点で資金が拘束され、GMOクリック証券は、抽選前に必要となる購入申し込みの最終日午後3時までに資金が必要となるため注意が必要だ。また、当選後に資金拘束される証券会社であっても、細かくタイミングが異なる。SBI証券は、ブックビルディング後の抽選で当選または補欠当選すると資金が拘束される。ライブスター証券は、抽選の当選後に購入手続きする際に資金が必要となる。 

注意点としては、自分が利用している証券会社のIPO資金拘束のタイミングを把握し、資金を有効に活用することだ。無計画にIPO申し込みを行ったことで資金が拘束され、本来投資したかった株を購入できなくなることは避けたい。

デメリットその2 人気のIPO抽選は簡単には当選しない

対面系の証券会社で担当営業と付き合いのある「お得意さま」であれば、証券会社がIPO株を割り当ててくれることがある。そうでない場合は抽選に申し込むことになるが、人気のあるIPOに当選する確率は低い。人気のIPO銘柄は一般的に株数が少なく、申し込みも殺到するために抽選倍率が高くなり、当選する確率が下がるのだ。

抽選に当選しにくいもう一つの理由としては、対面系の証券会社ではIPO株の多くを付き合いのある顧客へ割り当て、抽選にまわすのは一部だけであることも挙げられる。例えばSMBC日興証券のオンライントレードの抽選で配分されるIPO株の数量は、一般の投資家に販売する数量の10パーセント程度である。一方で、楽天証券やマネックス証券などのネット証券会社では、原則として全てを抽選により配分先を決定している。 

しかし、抽選の割合が低いからといって、対面系の証券会社の抽選がネット証券会社に比べて劣るわけではない。対面系の証券会社はIPOの主幹事となることが多く、主幹事となった証券会社ではより多くの株数が割り当てられる。抽選比率が10パーセント程度であっても、ネット証券会社の抽選株数よりも対面系の証券会社の抽選株数が多いこともある。

IPOの申し込みを継続してもなかなか当選しないとモチベーションが下がるかもしれない。IPOの申し込みは諦めずにコツコツと継続することが大切である。

デメリットその3 IPO当選後の購入辞退で利用制限が課される証券会社がある

IPOに当選したが購入を辞退(キャンセル)すると利用制限(ペナルティー)が課されることがある。制限の有無やその内容は証券会社によってまちまちである。

例えばSMBC日興証券では、オンライントレードで申し込んだIPOが当選したにもかかわらず購入辞退・もしくは購入申し込みを行わないと、翌日から一カ月間オンライントレードでIPOの申し込みができなくなる。また、購入辞退した時点までのIPO需要申し込みも無効となる。当選後に購入申し込みを行わない場合にも同じ利用制限が課される。三菱UFJモルガン・スタンレー証券にも同様のペナルティーがある。

自分の利用している証券会社のIPO株購入辞退による利用制限について把握し、適切に購入か辞退の判断を行うようにしたい。

デメリットその4 IPO当選後に購入を辞退できない証券会社がある

多くの証券会社では抽選を経て当選した後に購入か辞退の申し込みが可能である。しかし中にはIPO購入申し込みの後に抽選が行われ、当選してしまうと購入辞退できない証券会社がある。

GMOクリック証券やカブドットコム証券などはブックビルディング申し込みの後に購入申し込みを行い、その後に抽選が行われる。つまり当選後の購入辞退はできない仕組み(流れ)になっている。

これらの証券会社にて、抽選後に購入辞退できると誤解している場合は困ることになるかもしれない。仮に資産いっぱいに申し込むなどして、多く当選した場合には強制的に購入することになる。

自分の利用している証券会社のIPO申し込みの仕組みを把握しておくことはもちろん、仕組みは変更されることも考えて、証券会社からの通知はきちんと目を通すようにしたい。

デメリットその5 IPO投資でも損失のリスクがある

IPO投資にもリスクがあり損失が出ることがある。近年、IPO投資では初値が公募価格を下回る確率は低く、利益を得やすい投資方法であることが知られている。しかし、初値が公募価格を下回る可能性は決してゼロではない。

2017年のIPO銘柄で公募価格が初値を下回ったのは90銘柄のうち8銘柄であり、全体の約9パーセントであった。一般的に公募価格より初値が下回るIPOは人気がない銘柄である。IPO銘柄の人気を把握するには、IPO銘柄の情報をまとめているWebサイトなどで確認できる。

人気がない銘柄だと抽選で当選しやすいが、IPO投資のリスクを下げるためには、こうした銘柄へは申し込みをしないことも一つである。情報を収集するなど、自己責任で判断したい。

デメリットその6 上場後のIPO株は短期では乱高下、中期では下落リスクあり

IPO株が上場した後、数週間のスパン(短期)と数カ月のスパン(中期)では値動きの傾向が異なる。

短期では、IPO株が上場して初値が付いた後は値動きが激しくなり、乱高下することがよくある。そのまま株価が急上昇することもあるが、暴落することも少なくない。この点が、上場後のIPO株への短期投資のリスクとなる。注意点として、上場して間もないIPO株投資では、短期間で大きな損失を出す可能性を理解しておきたい。

中期でもIPO株の下落をよく目にする。例えば、2018年6月に上場したフリマアプリを提供する「メルカリ」は、公募価格が3000円で初値が5000円と上昇した。しかしその後は徐々に値を下げ、上場から半年後の12月には株価が初値の半額となる2500円を割り込んだ。メルカリは業績が良くないために株価が下落したと考えられるが、同様に中期で株価が下落するIPO株は少なくない。注意点として、IPO株を中期で保有する場合には業績なども検討して判断したい。

ここまでIPO投資における6つのデメリットを紹介してきた。IPO投資はメリットが多い魅力的な投資法である。今回紹介したデメリットから注意点を把握し、IPO投資をより賢く利用したい。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)

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