日本は長く低金利であるため、日本円への投資ではリターンの期待が持てないことはおそらく多くの人が認識している。確かに比較的安全とされる日本円は何かと「安全資産」として買われることが多く、最近の北朝鮮問題発足においても円を買う向きが多かったことは事実だ。

しかし、世界には非常に高金利の通貨があることを知っている人はそれほど多くはないだろう。FXなど通貨に関する証拠金取引を行っている人は別として、投資初心者であれば高金利通貨に関する知識や投資の仕方を知らない人も多いはずだ。

そこで、ここでは世界の高金利通貨をご紹介し、現在主流の取引の仕方などを解説していきたい。

高金利通貨ランキング 何年持てば元本確保できる?

2018年3月20日現在で発表されている各国の政策金利を高い数値の順に確認する。

1位 トルコ 8.00%
2位 メキシコ 7.50%
3位 南アフリカ 6.75%
4位 中国 4.35%
5位 ニュージーランド 1.75%

日本の政策金利は0.10%なので上記の国はとりわけ金利の高い国と言えそうだ。比較的少ない年数でも元本相当の元をとることも十分可能と言える。

例えばトルコ(リラ)の場合、100%÷8%=12.5年、メキシコ(ペソ)だと100%÷7.5%=13.4年(小数点第二以下切上げ)となる(金利単純適用、手数料&元本変動を考慮しなかった場合)。株式の配当などでも5%を超えるものは少ないため、投資でインカムを得るぶんには高金利通貨には大きな魅力があることがわかる。

ではこの高金利通貨にはどのように投資をすればよいのだろうか。

金利獲得の現在の主流 FXスワップポイントとは

金利獲得には昔ながらの外貨投資をするという方法もあるが、手数料が非常に高かったり、簡単に解約ができなかったりと、なにかと不便なことが多い。その一方で、手軽に金利を得る方法も存在する。

それがFX投資におけるスワップポイント獲得だ。スワップポイントを得る行為はFXの取引形態の一種で、金利の高い通貨を購入すると同時に金利の低い通貨を売るという行為を行う。これにより「高い金利—低い金利分の金利(スワップポイント)」が受け取れることになるのだ。さきほどのランキングで言えばトルコリラ買いの日本円売りをすることで8%ー0.1%=7.9%の金利を受け取ることが可能だと言える。

このスワップポイントの利点は毎日受け取れるというところにある。少ない資金でも投資をすることも可能なので、売買を繰り返して儲けを得るのが苦手という投資家でも、スワップ金利を得ることを目的に投資を行う人はいるようだ。

スワップポイントを得るときの注意点

FX会社のホームページを見るとそれぞれの通貨で毎日いくらスワップ金利が受け取れるのかを確認することができる。なお高金利通貨の取引に際しては取引するためのFX会社選びも重要だ。FX会社には取引する上でスプレッドが設定されている。このスプレッドが広いほど、証券会社が得る手数料が多くなる。

例えばある通貨を購入するときに、100円ASK(買値)と99.9円BID(売値)というように2つの価格が設定されている。買うときには100円、売り時には99.9円を意味しているが、このスプレッド(差)が証券会社の手数料となり、証券会社ごとに異なっている。

基本的にはスプレッドは狭いほど手数量が安いということを意味するが、変動が生じることもあるので、よく調べた上で証券会社選びは慎重に行おう。

高金利通貨のリスクも

高金利通貨は美味しい、ぜひやってみようという人もいるかもしれない。しかし高金利通貨にも特有のリスクがあることは認識しておくべきだ。

例えば高金利通貨の代表格であるトルコは政局不安などから通貨に売り圧力がかかっている最中である。通貨の値段が下がるということは元本がその分減るということであり、スワップポイントを上回る損失が生じることも考えられる。

ただ、政局をうまく利用して逆張り的な視点でトルコリラを買うという考え方もあるので、リスクとリターンをしっかりと考慮して余裕を持った取引をお勧めしたい。(谷山歩、ライター)

文・ZUU online編集部

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