クレジットカードによっては「デュアル発行」というサービスが付いている。こはお得な年会費で違う国際ブランドの2枚を持てるというもの。実は、利用シーンが広がるだけでなく、ポイントの面でもお得になる。ここでは、デュアル発行のメリット・デメリット、三井住友VISAなどデュアル発行ができるカードについても解説していこう。

目次
1,クレジットカードのデュアル発行とは?
2,デュアル発行の3つのメリット
3,デュアル発行の3つのデメリット
4,デュアル発行すべきなのはどんな人?
5,デュアル発行サービス4選
    5-1,三井住友VISA
    5-2,三菱UFJニコス デュアルスタイル
    5-3,セゾンカード ツインゴールドカード
    5-4,ダイナースクラブ コンパニオンカード
6, デュアル発行サービスに申し込む前にチェックしたいこと

1,クレジットカードのデュアル発行とは何か? 国際ブランドと発行会社の違いなど

クレジットカードのデュアル発行とは、1枚のクレジットカード契約で異なる国際ブランドのカード2枚を発行すること。これを理解するために、まずクレジットカードの国際ブランドと発行会社の違いから説明しよう。

クレジットカードの国際ブランド=ブランドホルダーとは? VISAやJCBなど

クレジットカードには、「VISA」「Mastercard」「JCB」「アメックス(アメリカン・エキスプレス)」「ダイナースクラブ」などの国際ブランドがついている。それぞれが提供する決済ネットワークにより、日本だけでなく世界各地でショッピングなどの支払いができる仕組みだ。

各ブランドはそれぞれ加盟店網を持ち、たとえばVISAブランドのカードならVISA加盟店でしか使えない。そのため、加盟店数が多いブランドほど、より多くの店舗などで使えることになる。

代表的な国際ブランドとシェア数、各特徴は以下のとおり。
 

国際ブランド 決済数シェア 特徴
VISA 44.8% 世界でトップシェアの国際ブランド。
自社でのカード発行は行わず決済ネットワークと
ライセンスの提供のみを行う。
Mastercard 24.4% VISAに次ぐシェアを持つ国際ブランド。
自社でのカード発行は行わず決済ネットワークと
ライセンスの提供のみを行う。
JCB 1.04% 日本唯一の国際ブランド。
自社でもカードを発行する。
アメリカン・
エキスプレス
2.26% 国際ブランドとしてのシェアは小さい。
自社発行のカードでは富裕層向けの特典・
サービスが充実する。
ダイナースクラブ 0.7% アメックスと同様に国際ブランドとしてのシェアは小さい。
やはり、自社発行のカードでは富裕層向けの特典・
サービス、特にグルメ関係のものが充実する。

これらの国際ブランドを提供する会社は、「ブランドホルダー」と呼ばれる。

クレジットカード発行会社=イシュアーとは? 三井住友VISAやクレディセゾンなど

一方発行会社とは、国際ブランドからライセンスの提供を受け、実際にクレジットカードを発行する会社のこと。日本では「三井住友カード」や「クレディセゾン」などが有名で、通常「カード会社」というときはこちらを指す。
 

発行会社 区分 発行するカード名称例
三井住友カード 銀行系 三井住友カード
三井住友カード ゴールド
クレディセゾン 信販系 セゾンゴールド・アメリカン・
エキスプレス・カード
ゴールドカードセゾン
三菱UFJニコス 信販系 VISAOカード
MUFGカード ゴールド
NTTドコモ ネット系 dカード
ビューカード 鉄道系 ビュー・スイカカード
イオンフィナンシャル
サービス
小売系 イオンカード

「銀行系クレジットカード」や「鉄道系クレジットカード」などは、発行会社やその母体となっている企業の業態を表したもの。また国際ブランドのうち、JCB、アメックス、ダイナースクラブは自社でもカードを発行している。

カードを発行する発行会社は「イシュアー」とも呼ばれ、「ブランドホルダー」と区別される。

デュアル発行=セカンドカードを異なる国際ブランドで発行すること

通常1枚のクレジットカードには、国際ブランドは1つしか付かない。ただし、そのカードの「セカンドカード」として異なる国際ブランドのカードをもう1枚発行できることがあり、これをデュアル発行という。

カード会員に対して発行会社が提供する特典・サービスは、基本的にデュアル発行された2枚のカードでほぼ共通している。一方、国際ブランドが提供する特典・サービスについては、それぞれ別に提供される。

クレジット利用で貯まるポイントサービスについては2枚のカードで共通するため、別々に利用した分のポイントは1つにまとまる。

2,デュアル発行の3つのメリット

「2枚のクレジットカードを持つのは煩わしい」と感じる人もいるだろう。しかし、デュアル発行にはメリットもある。

メリット1,使用できる店や特典・サービスの幅が広がる

加盟店数が少ない国際ブランドのカードを持っている場合、加盟店数の多い国際ブランドと組み合わせることで、使えるお店が増える。特に海外旅行や都市部以外での使用シーンで、より便利になるはずだ。

また、国際ブランドが提供する特典・サービスは各ブランドで異なるため、複数の国際ブランドのカードを持つことで特典・サービスの幅が広がることになる。たとえばダイナースクラブカード会員が、MasterCardをデュアル発行した場合、以下のような特典を両方享受できる。
 

国際カードブランド 特典・サービス
ダイナースカード
(メインカード)
・空港送迎タクシー優待
・空港手荷物無料宅配
・空港前泊サービスなど
Mastercard
(デュアル発行)
・Taste of Premiumの8特典
・世界100ヵ国・100万ヵ所の
ホットスポットでWi-Fi接続無料

メリット2,カード年会費を節約できる

カードランク(グレード)が同じクレジットカードを2枚持つ場合、年会費が2枚分かかることになるが、デュアル発行なら一般的にセカンドカードの年会費はかなり安く設定されている。
 

カード名・ブランド 国際カードブランド 年会費
デュアルカード
発行の場合
MUFGカード・
アメリカン・エキスプレス・カード
アメリカン・
エキスプレス
1万円
(税別)
MUFGカード・
ゴールドプレステージ
VISA
Mastercard
JCBのいずれか
2,000円
(税別)
※初年度無料
個別に
発行した場合
MUFGカード・アメリカン・
エキスプレス・カード
アメリカン・
エキスプレス
1万円
(税別)
MUFGカード・
ゴールドプレステージ
VISA
Mastercard
JCBのいずれか
1万円
(税別)

デュアル発行の場合の年会費合計は1万2,000円、個別に発行した場合は2万円になる。このように、トータルのカード年会費を節約できるのだ。

メリット3,ポイントを効率よく貯められる

飲食店などで「アメックスが使えないから、VISAで支払った」という経験がある人は多いだろう。アメックスとVISAで個別にカードを発行していた場合は、ポイントは別々に貯まることになる。

しかしデュアル発行であれば、アメックスカードで支払っても、VISAカードで支払っても、ポイントは共通で、しかも1つのアカウントに貯まる。ポイントはある程度貯まらないと利用できないことが多いため、貯める場所を集中させることができるのは大きなメリットだろう。

またカードが1枚しかない場合と比べて使える店舗が増え、クレジット決済ができる機会が増えるため、より効率良くポイントが貯まる。

3,デュアル発行の3つのデメリット

多くのメリットがあるデュアル発行だが、デメリットもある。申し込むにあたっては、以下の3点に注意したい。

デメリット1,カードの選択肢が少ない

最大のデメリットは、デュアル発行できるクレジットカードの数が少ないことだ。そのため、どうしてもカードの選択肢の幅が狭くなってしまう。

デメリット2,年会費が高くなることがある

2枚のうち、どちらか一方をあまり使わない場合、無駄に年会費を支払うことになる。初年度無料などの特典があるカードもあるが、2枚目は有料であることが多いので、1枚だけ持つよりも実質的な負担は増える。

デメリット2,旅行傷害保険や利用可能枠は1枚分換算

通常、クレジットカードを2枚以上持つ場合、旅行代金をそのカードで決済したかどうかにかかわらず旅行傷害保険が適用される自動付帯分は、死亡・後遺障害補償を除き、所有カードの保険の補償金が合算される。

たとえば、カードAの治療費用補償額が最高300万円、カードBの同補償額が最高300万円だとして、
前者が自動付帯、後者が利用付帯(そのカードで決済した場合のみ保険が適用)なら、カードBで旅行代金を支払うことで、合計最高600万円が補償されるのだ。

これは複数のカードを持つことの大きなメリットだが、デュアル発行の場合、カード自体は2枚あっても、1枚分の旅行傷害保険しか適用されない。

カードの利用可能枠についても同様で、たとえばその会員に100万円の利用可能枠が設定されていれば、1枚目のカードとセカンドカードの合計で100万円までしか利用できない。複数のカードを持つことでトータルの利用可能枠を大きくしたいのなら、デュアル発行ではなく、異なるカードを2枚以上作ったほうがいいことになる。

4,デュアル発行すべきなのはどんな人?3つの特徴を紹介

このように、デュアル発行にはメリットとデメリットがあるが、どういう人ならデメリットよりもメリットが上回るのだろうか? 「デュアル発行すべき人」は、以下のいずれかに当てはまる人だろう。

特徴1,海外でクレジットカード利用をする人

国際ブランドのうち、JCB、アメックス、ダイナースクラブは加盟店が比較的少ない。海外に行く際は、デュアル発行したVISAブランドかMastercardブランドのセカンドカードを併用すると利便性が高まるだろう。

VISAブランドとMastercardブランドという組み合わせのデュアル発行の場合も、使える加盟店が増える。クレジットカード決済の機会が増えるという意味でも、メリットがある。

特徴2,ステータスカードを利用する人

国際ブランドが提供する特典・サービスのうち、一般カード向けのものはごく基本的な内容に留まるため、異なる国際ブランドのカードを2枚持つことのメリットは小さい。

しかし、ステータス性のあるカード(ゴールドカードやプラチナカードなど)向けには、国際ブランドごとに特色ある充実した特典・サービスが提供される。そのため、デュアル発行のメリットがより大きくなる。

特徴3,ポイントの管理が面倒な人

複数のクレジットカードを利用していると、ポイント管理に手間がかかる。たとえばメインカードのAカードではAポイントが、サブカードのBカードではBポイントが貯まるとしよう。その場合、効率的にポイントを貯めるにはBポイントをAポイントに交換する手間がかかる。AポイントからBポイントへ直接交換できない場合は、Aポイント→Cポイント→Bポイントというように交換しなければならない。

あまり使わないほうのカードのポイントが、商品や他社ポイントなどに交換できる最小単位に満たず、有効期限を迎えてしまうこともあるだろう。

このような手間を煩わしいと感じる人、ポイントについてあれこれ気にかけたくない人は、デュアル発行を検討するといいだろう。

5,クレジットカードのデュアル発行サービス4選 三井住友VISA、三菱UFJニコス、セゾンカード、ダイナースなど

デュアル発行について理解したところで、実際にデュアル発行ができる代表的な4つサービスについて紹介していこう。

 

発行元 三井住友カード 三菱UFJニコス クレディセゾン 三井住友トラストクラブ
カード名 三井住友カード
(VISA)
三井住友カード
(Mastercard)
MUFGカード ゴールド MUFGカード・
ゴールド・アメリカン・
エキスプレス・カード
ゴールドカード セゾン セゾンゴールド・
アソシエ・アメリカン・
エキスプレス・カード
ダイナースクラブカード TRUST CLUB
プラチナマスターカード
デザイン 三井住友カード(VISA) 三井住友カード(Mastercard) MUFGカード ゴールド(Mastercard) MUFGカード・ゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード ゴールドカード セゾン(VISA) セゾンゴールド・アソシエ・アメリカン・エキスプレス・カード ダイナースクラブカード TRUST CLUB プラチナマスターカード
国際ブランド VISA Mastercard VISA/Mastercard/JCB アメリカン・エキスプレス VISA/Mastercard/JCB アメリカン・エキスプレス ダイナースクラブ Mastercard
デュアル発行
年会費
1650円(初年度無料) 2370円(初年度250円) 13,200円(初年度2,200円) 24,200円
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5-1,三井住友カード デュアル発行――VISA×MasterCard

三井住友カードといえばVISAの印象が強いが、MasterCardブランドでの発行も可能。カードの申し込み時にVISAブランドとMasterCardブランドをそれぞれ1枚ずつ、計2枚同時に申し込める。既にVISAブランドかMasterCardブランドのカードを持っている場合、同一カード名でまだ持っていない側の国際ブランドを申し込む形でのデュアル発行もできる。

デュアル発行した場合、2枚目の年会費が安くなり、両方の国際ブランドのサービスをお得に利用可能。デュアル発行可能なカードにおける1枚目のカードの年会費と2枚目のカードの年会費は次の通り(学生カードを除く)。
 

カード名 1枚目の年会費 2枚目の年会費
プラチナ 本会員:5万5,000円(税込)
家族会員:無料
本会員:5,500円(税込)
家族会員:無料
ゴールド 本会員:1万1,000円(税込)
家族会員:1人目無料
※2人目から1,100円(税込)
本会員:2,200円(税込)
家族会員:1人目無料
※2人目から1,100円(税込)
プライムゴールド 本会員:5,500円(税込)
家族会員:1人目無料
※2人目から1,100円(税込)
本会員:1,100円(税込)
家族会員:1人目無料
※2人目から1,100円(税込)
エグゼクティブ 本会員:3,300円(税込)
家族会員:275円(税込)
※1人目は初年度無料
本会員:550円(税込)
家族会員:275円(税込)
※1人目は初年度無料
一般 本会員:1,375円(税込)
家族会員:440円(税込)
※1人目は初年度無料
本会員:275円(税込)
家族会員:275円(税込)
※1人目は初年度無料
一般 A 本会員:1,650円(税込)
家族会員:605円(税込)
※1人目は初年度無料
本会員:275円(税込)
家族会員:275円(税込)
※1人目は初年度無料
アミティエ 本会員:1,375円(税込)
家族会員:440円(税込)
※1人目は初年度無料
本会員:275円(税込)
家族会員:275円(税込)
※1人目は初年度無料

VISAとMasterCardは日本国内に加盟店も多くクレジットカード決済の機会を増やすという意味ではメリットを強く感じることができないかもしれない。しかし、ゴールドやプラチナになると、両ブランドが上位カード会員向けに独自に提供するサービスが充実してくるため、デュアル発行の恩恵を実感できるはずだ。

「三井住友カード プラチナ」において各国際ブランドが提供するサービスを一覧にしたものを紹介する。
 

VISAが提供するサービス MasterCardが提供するサービス
・Visaプラチナゴルフ
・Visaプラチナ
ラグジュアリーダイニング
・ザ・コンコルド・ワインクラブ
・Visaプラチナトラベル
・Visaプラチナ空港宅配
・Visaゴールド国際線クローク
(一時預かり)
・Visaプラチナ海外Wi-Fiレンタル
・プレミアムカーレンタル
・Visaプラチナ ホテルダイニング
・Visaプラチナ 空港送迎ハイヤー
・会員制ゴルフ
・国内ゴルフ
・ヘリクルーズ
・歌舞伎・能
・海外有名ゴルフコース手配
・カーシェアリング特別優待
・「楽天スポニチゴルファーズ倶楽部」
特別優待
・「Tokyo Supercars」特別優待
・ダイニング by 招待日和
・国際線手荷物無料宅配
・空港クローク優待サービス
・海外用携帯電話・WiFiレンタルサービス
・国内高級ホテル・高級旅館
・「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」
Mastercard限定宿泊プラン
・「Trip.com」特別優待
・ふるさと納税特別優待

一部、内容的に重複するようなサービスがあるとはいえ、デュアル発行によりサービスの幅が大きく広がるのが分かる。

5-2,三菱UFJニコス デュアルスタイル――アメックス×VISA、Mastercard、JCB

「MUFGカード(VISA/Mastercard/JCB)」の会員がセカンドカードとしてアメックスブランドのカードを持つことができる。一般カードのほか、ゴールド、ゴールドプレステージを持つ会員が対象だ。なお、デュアル発行できるのは同一ランクのカードとなる。

デュアル発行の特典として、アメックスブランドのカードでは入会後3ヵ月間はポイント3倍となるほか、国内利用分1.5倍、海外利用分2倍のポイントアップが常時適用される。

年会費優遇は、セカンドカードのアメックスではなく、1枚目のカードに適用される。詳細は以下のとおりだ。

一般カード1,250円(税別)→250円(税別)
ゴールド1,905円(税別)→250円(税別)
ゴールドプレステージ1万円(税別)→2,000円(税別)
 

年会費 MUFGカード・アメリカン・
エキスプレス・カード
MUFGカード
(VISA/Mastercard/JCB)
本会員 家族会員 本会員 家族会員
ゴールドプレステージ 1万円(税別)
初年度無料
無料 1万円(税別)
→2,000円(税別)
無料
ゴールド 1,905円(税別)
初年度無料
1名無料
2名以降
400円(税別)
初年度無料
1,905円(税別)
→250円(税別)
1名無料
2名以降250円
(税別)
一般 1,250円(税別) 400円(税別) 1,250円(税別)
→250円(税別)
250円(税別)

「MUFGカード(VISA/Mastercard/JCB)」と、「MUFGカード・アメリカン・エキスプレス・カード」の年会費以外のスペックも比較してみよう。
 

MUFGカード ゴールド
(VISA/Mastercard/JCB)
MUFGカード・ゴールド・アメリカン・
エキスプレス・カード
ポイント
サービス
グローバルポイント
(1,000円につき1ポイント、
記念月1.5倍)
グローバルポイント
(1,000円につき1ポイント
記念月1.5倍
海外常時2倍
国内初年度1.5倍
※デュアル発行では国内常時1.5倍
※アメリカン・エキスプレス・
ボーナスポイント・
プログラム提携店で
ポイント最大10倍)
空港
ラウンジ
国内主要6空港と
ダニエル・K・イノウエ
国際空港(ホノルル)の
ラウンジ無料
国内主要6空港と
ダニエル・K・イノウエ
国際空港(ホノルル)の
ラウンジ無料
特典・
サービス
・三菱UFJ銀行
ATM利用手数料無料
・三菱UFJフィナンシャル・
グループ各社の優待
・三菱UFJ銀行ATM利用
手数料無料
・三菱UFJフィナンシャル・
グループ各社の優待
・アメリカン・エキスプレス・
コネクト
(旅行・グルメ・ショッピングの
各種優待)
・アメリカン・エキスプレス・
インバイツ
(チケット先行販売など)
・LUXA優待
(商品・チケットなどの価格優待)
付帯
保険
・海外・国内最高2,000万円の
旅行傷害保険
・年間100万円限度の
ショッピング保険
・最高2万円の
国内渡航便遅延保険
・海外・国内最高2,000万円の
旅行傷害保険
・年間100万円限度の
ショッピング保険
・最高2万円の国内渡航便
遅延保険

両者のスペックの相違点は、アメックスのほうがよりポイントが貯まりやすいことと、アメックスが提供する各種優待を利用できることだ。

このデュアル発行を有効活用できるのは、海外旅行の多い人やグルメやイベントを楽しむ機会の多い人と考えていいだろう。アメックスの海外利用時のポイント2倍特典や、アメックス提供の各種優待の恩恵を存分に受けられるはずだ。
 

5-3,セゾンカード ツインゴールドカード――VISA、Mastercard、JCB×アメックス

セゾンカードは、「ゴールドカード セゾン」の会員が“ツインゴールドカード”として「セゾンゴールド・アソシエ・アメリカン・エキスプレス・カード」を年会費2,000円(税別)で作れる仕組みを提供している。

セカンドカードとなる「セゾンゴールド・アソシエ・アメリカン・エキスプレス・カード」では、国内利用分のポイントが通常の1.5倍、海外利用分では通常の2倍になる。

「ゴールドカード セゾン」には空港ラウンジサービスがないが、「セゾンゴールド・アソシエ・アメリカン・エキスプレス・カード」には国内主要31空港とダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル)の空港ラウンジを無料で利用できる特典がある。
 

ゴールドカード セゾン
(VISA/Mastercard/JCB)
セゾンゴールド・アソシエ・
アメリカン・エキスプレス・
カード
年会費 1万円(税別)
※初年度年会費無料
2,000円(税別)
ポイント
サービス
永久不滅ポイント
(通常1,000円につき1ポイント、
特定の対象店舗で2倍)
永久不滅ポイント
(国内利用1.5倍:
1,000円につき1.5ポイント、
海外利用2倍:
1,000円につき2ポイント)
空港
ラウンジ
なし 国内主要31空港と
ダニエル・K・イノウエ
国際空港(ホノルル)の
ラウンジ無料
特典・
サービス
・国内ホテル優待、
・空港宅配優待
(VISA/Mastercard)
・ALSOK優待
・ゴルフデスク
・出光美術館優待
・全国の西友・リヴィンで5%オフ
・アメリカン・エキスプレス・
コネクト(旅行・グルメ・
ショッピングの各種優待)
・コナミスポーツクラブ優待
・全国の西友・リヴィンで
5%オフ
付帯
保険
・最高3,000万円の海外・
国内旅行傷害保険
・年間300万円限度の
ショッピング保険
・最高3,000万円の
国内旅行傷害保険
・年間300万円限度の
ショッピング保険
家族
カード
年会費1,000円(税別) 年会費1,000円(税別)

両者のスペックで大きく異なる点は、アメックスのほうがよりポイントが貯まりやすく、空港ラウンジサービスが付くことだ。付帯保険は「ゴールドカード セゾン」のほうが充実している。このように特典に違いがあるので、両方を持つことで幅広い特典を利用できることになる。

このデュアル発行を有効活用できるのは、ポイントをさらに効率良く貯めたい人や海外旅行の多い人と言えるだろう。「ゴールドカード セゾン」には、ゴールドらしいサービスである空港ラウンジサービスがないことを考えると、デュアル発行によって真のゴールドカードになると言えるかもしれない。

5-4,ダイナースクラブ コンパニオンカード――ダイナースクラブ×Mastercard

「ダイナースクラブカード」の会員は、コンパニオンカードとしてMastercardのクレジットカードを作ることができる。

一般グレードに当たる「ダイナースクラブカード」では、Mastercardプラチナグレード特典を利用できる「TRUST CLUB プラチナマスターカード」が、プラチナグレードの「ダイナースクラブ プレミアムカード」ではMasterCard最上位特典を利用できる「TRUST CLUB ワールドエリートカード」が年会費無料になる。

コンパニオンカードは本会員・家族会員で各1枚発行でき、家族カードも年会費無料となる。

一般カード

ダイナースクラブカード ダイナースクラブ
コンパニオンカード
(TRUST CLUB
プラチナマスターカード)
年会費 2万2,000円(税別) 無料(通常3,000円・税別)
ポイントサービス ダイナースクラブ
リワードプログラム
(100円につき1ポイント)
ダイナースクラブ
リワードプログラム
(200円につき1ポイント)
空港ラウンジ 国内31空港と海外主要空港の
ラウンジ無料
なし
特典・サービス ・空港送迎タクシー優待
・空港手荷物無料宅配
・空港前泊サービス
・空港パーキング優待
・グローバスハイヤーサービス
・空港特急列車優待
・グローバルWi-Fi優待
・JALエービーシー優待
・国内外ホテル優待
・パッケージツアー最大5%割引
・レンタカー優待
・対象店舗で所定のコースを
2名以上利用で1名分無料など
・Taste of Premiumの8特典
(国際線手荷物優待、
約200の対象店舗で
所定のコースを2名以上利用で
1名分無料など)
・世界100ヵ国・100万ヵ所の
ホットスポットで
Wi-Fi接続無料
付帯保険 ・最高1億円の海外・
国内旅行傷害保険
・年間500万円限度の
ショッピング保険
・ダイナースクラブカードの
保険が適用される
追加カード 家族カード
(年会費5,000円・税別)
家族カード
(年会費無料)

プラチナカード

ダイナースクラブ
プレミアムカード
ダイナースクラブ プレミアム
コンパニオンカード
(TRUST CLUB
ワールドエリートカード)
年会費 13万円(税別) 無料(通常年会費13万円・税別)
ポイントサービス ダイナースクラブ
リワードプログラム
(100円につき1ポイント)
ダイナースクラブ
リワードプログラム
(100円につき1ポイント)
空港ラウンジ プライオリティ・パス
(国内外1,300ヵ所以上の
空港ラウンジ無料)
ラウンジ・キー
(国内外1,000ヵ所以上の
空港ラウンジ無料)
特典・サービス ・コンシェルジュ
・ダイナースクラブ
銀座プレミアムラウンジ
・空港送迎タクシー優待
・空港手荷物無料宅配
・空港前泊サービス
・空港パーキング優待
・グローバスハイヤー
サービス
・空港特急列車優待
・グローバルWi-Fi優待
・JALエービーシー優待
・国内外ホテル優待
・パッケージツアー
最大5%割引
・レンタカー優待
・対象店舗で所定のコースを
2名以上利用で1名分無料など
・Taste of Premiumの18特典
(国際線手荷物優待、
約200の対象店舗で所定のコースを
2名以上利用で1名分無料など)
・世界100ヵ国・100万ヵ所の
ホットスポットでWi-Fi接続無料
付帯保険 ・最高1億円の海外・
国内旅行傷害保険
・年間500万円限度の
ショッピング保険
ダイナースクラブカードの
保険が適用される
家族カード 年会費無料 年会費無料

コンパニオンカードのほうが、スペック的に物足りないという印象は否めない。だが、国内・海外ともに加盟店が多いMastercardブランドであることを考えると、ダイナースクラブの加盟店の少なさを補えるという意味で、メリットは大きい。

年会費無料なので、ダイナースクラブ会員はデュアル発行を申し込んだほうがいいだろう。
 

6,デュアル発行サービスに申し込む前にチェックしたいこと

デュアル発行のカードの組み合わせについては、双方のメリットとデメリットをよく知り、互いに補い合えるものをチョイスするのが賢い。それには、各国際ブランドの特徴を知っておくことが重要だ。そのメリットが、自分に本当に必要なものかどうかをチェックしよう。

そうすることで、セカンドカード発行に伴う年会費の負担増以上のメリットを得られるはずだ。

執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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