老後の年金はいくらもらえる?夫婦の働き方別に見る年金受給額の目安

2019.11.22
FINANCE
(写真=Robert Kneschke/Shutterstock.com)
(写真=Robert Kneschke/Shutterstock.com)
老後にいくら年金をもらえるかは気になるところだろう。現在は夫婦の働き方が多様化しており、年金の受給額は各家庭によって大きく異なる。今回は代表的な夫婦の働き方4パターンについて、年金予想額を紹介する。自分たちに近い働き方のパターンを選び老後の資金計画の参考にしてほしい。

老後の年金受給額の目安は?働き方別4パターンで解説

ここでは、夫婦ともに現在40歳で65歳から年金を受給する場合の目安を紹介する。前提条件の年収は、国税庁が2018年に発表した民間給与実態統計調査より男性531万円、女性287万円とした。なお、年金の支給額は2019年時点の数字だ。

パターン1:夫もしくは妻のみ働いている場合(会社員と主婦(夫))

夫婦の年金額合計 毎月24万円
年金額内訳 老齢基礎年金
 6万5,000円/月
厚生年金報酬比例部分
 9万7,500円/月
老齢基礎年金
 6万5,000円/月
厚生年金報酬比例部分
 1万2,500円/月
前提条件 20歳~60歳まで会社員
 平均給与44万2,500円
20~29歳まで会社員
 平均給与23万9,200円
30歳~専業主婦(夫)

パターン2:夫も妻も働いている場合(会社員と会社員)

夫婦の年金額合計 毎月28万円
年金額内訳 老齢基礎年金
 6万5,000円/月
厚生年金報酬比例部分
 9万7,500円/月
老齢基礎年金
 6万5,000円/月
厚生年金報酬比例部分
 5万2,500円/月
前提条件 20歳~60歳まで会社員
 平均給与44万2,500円
20歳~60歳まで会社員
 平均給与23万9,200円

パターン3:夫もしくは妻のみ自営業で働いている場合(自営業と主婦(夫))

夫婦の年金額合計 毎月14万2,500円
年金額内訳 老齢基礎年金
 6万5,000円/月
老齢基礎年金
 6万5,000円/月
厚生年金報酬比例部分
 1万2,500円/月
前提条件 20歳~60歳まで自営業
20歳~29歳まで会社員
 平均給与23万9,200円
30歳~専業主婦(夫)

パターン4:夫も妻も働いているがどちらか自営業の場合(自営業と会社員)

夫婦の年金額合計 毎月18万2,500円
年金額内訳 老齢基礎年金
 6万5,000円/月
老齢基礎年金
 6万5,000円/月
厚生年金報酬比例部分
 5万2,500円/月
前提条件 20歳~60歳まで自営業
20歳~会社員
 平均給与23万9,200円

老後はどれくらい資金が不足する?夫婦2人世帯の老後の生活費は年間約350万円

総務省が2018年に発表した「家計調査年報」によると夫婦2人世帯の老後の生活費は、以下のようになっている。
  • 60~69歳まで:29万1,019円/月(年間約350万円)
  • 70歳以上:23万7,034円/月(年間約284万円)
この夫婦が仮にどちらも女性の平均寿命である約88歳まで生きるとすると、生活費の合計は以下のような計算で求められる。

(29万1,019円×12ヵ月)×10年+(23万7,034円×12ヵ月)×19年=8,896万6,032円

夫婦2人世帯における老後の生活費の総額は約8,900万円になる計算だ。

老後の資金不足額は夫婦の働き方によって大きく異なる

パターン1~4の夫婦が生涯受給できる年金と、その年金総額から老後の生活費8,896万6,032円を引いた老後の資金不足額をまとめたのが次の表である。
 
  88歳までに夫婦で受け取れる
年金総額
老後資金不足額
パターン1
(会社員と主婦(夫))
6,912万円
 =24万円×12ヵ月×24年
1,984万6,032円
パターン2
(会社員と会社員)
8,064万円
 =28万円×12ヵ月×24年
832万6,032円
パターン3
(自営業と主婦(夫)) 
4,104万円
 =14万2,500円×12ヵ月×24年
4,792万6,032円
パターン4
(自営業と会社員)
5,256万円
 =18万2,500円×12ヵ月×24年
3,640万6,032円

厚生年金保険に加入していないパターン3の夫婦の老後資金不足額は約4,800万円と非常に額が大きくなっている。老後資金には退職金も含めることができるが、パターン2が夫婦2人分の退職金が期待できるのに対し、パターン1と4では1人分となりパターン3では退職金は期待できない。より一層の自助努力によって老後資金を準備する必要がある。

老後に備えて活用したい「つみたてNISA」と「iDeCo」

どのような働き方をしていても多かれ少なかれ老後資金は必要になる。その資金の貯め方にはさまざまな方法があるが、国が老後資金の形成を主な目的として作ったのが「つみたてNISA」と「iDeCo」だ。それぞれを利用した場合、どれくらい老後資金にプラスできるのか見ていこう。

つみたてNISAは投資信託で年間最大40万円を運用できる

つみたてNISAは年間40万円を上限として最長20年、運用益が非課税で投資できる制度だ。投資できるのは投資信託に限られ毎月一定額を自分で決めた銘柄に投資する。

仮に2020~2037年までの18年間、毎月3万3,000円を年率3%で運用できれば2037年には約943万円老後資金を貯めることが可能だ。夫婦で積み立てれば約1,886万円である。もちろん元本割れすることもあるため、余剰資金で積み立てることを心がけよう。

iDeCo(イデコ)は自分で運用する老後の年金

iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称であり、自分で掛金を拠出し、自分で運用方法を選ぶ年金制度だ。つみたてNISA同様、運用益が非課税になるが国民年金の加入区分ごとに掛け金の上限が決まっている。例えば自営業者は月額6万8,000円、会社に企業年金がない会社員なら月額2万3,000円、専業主婦(夫)も2万3,000円が限度額だ。もちろんiDeCoも元本割れする可能性はあるため、リスクは把握しておこう。

仮に40歳からiDeCoに限度額まで掛け金を拠出し60歳になるまで年率3%で運用できるとする。60歳時点で貯まる老後資金は自営業者で約2,200万円、会社員もしくは専業主婦(夫)なら約755万円となる。最も老後資金が不足していたパターン3の夫婦の場合でも夫婦共につみたてNISAとiDeCoをフルに活用すれば、以下の通りギリギリ不足分をカバーできる金額が準備できる。

1,886万円(つみたてNISA)+2,200万円(iDeCo:自営業の場合)+755万円(iDeCo:主婦(夫)の場合)=4,841万円

ただしこれらは制度が用意されているだけで自ら加入しなければ利用することはできない。他にも個人年金保険など老後資金の貯め方はあるが、どの方法を利用するにしても準備は早めに始めたい。

老後資金は年金受給額にあわせ早めの準備を

夫婦の働き方別に4パターンの年金受給額の目安と老後資金の不足額を紹介した。特に自営業や専業主婦(夫)の家庭では老後資金は早めの準備が大切である。老後資金形成のためにiDeCoやつみたてNISAといった制度ができているが、これらは計画的に使用しなければ資金も順調に増えないだろう。今回紹介した働き方のパターンで自分たちに近いシミュレーション結果を参考に今から老後の資金計画を立ててみよう。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー)
 

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