一部のサラリーマンのように、毎月給料明細を見てはため息をついている人がいる一方で、なぜかうまくいっている人たちの元にはお金が集まっていく。実はお金を稼いでいる人は結構いるのだ。お金が集まる仕組みについて見ていこう。

「人脈」についての大きな勘違い

「お金が集まる仕組み」を考える上で、大切なのは「人間関係=人脈」である。こう言うと「人間関係が大事なことくらい知っている」という声が聞こえてきそうだが、その本当の意味を理解できている人は案外少ない。

「人脈」と聞いて大概の人が思いつくのは、いろんな異業種交流会やパーティーなどに顔を出して、自分の名刺を配りまくることだが、効果は今ひとつである。試しにもらった名刺を見直しながら、何人の顔と名前が一致するのかやってみて欲しい。おそらく思い出せるのは10名にも満たず、それはあなたの名刺をもらった相手も同じことである。

成功する人脈づくりの秘訣

そもそも、人は理由もなく他人を助けたりはしないものである。だから「知り合い」や「顔見知り」程度は、人脈の中には入らない。

それではどういう人が「自分の人脈」だといえるのか。筆者が考える人脈の定義とは、「自分がその人のために何かをしてあげられる」人のことである。

なぜ「何かをしてあげられる」人が人脈なのか。それは、こちらが与えられるものを相手が欲しているとは限らず、需給のミスマッチが起こる可能性があるからである。どういうことなのか、もう少し詳しく説明しよう。

たとえば筆者はよく、ビジネスパートナーに自分の知人を紹介するが、それはそうすることが、双方にとってプラスになると思われるときに限る。求めている2人をひき合わせれば双方から喜ばれるし、彼らも「今度この人が困ることがあったら、自分も手伝ってあげよう」と思ってくれるかもしれない。しかし、これを万一、求めてもいない人にやった場合、紹介された方はむげに断るわけにもいかず、かえって余計な労力を使わせることになる。

見返りを求めて親切を押し売りするのは迷惑行為でしかなく、また与えもせずに求めるのは虫がいい。だから相手の求めているものを与えることができて、実際に喜んでもらえた人が「自分の人脈」となるのである。

「有力人脈」を手っとり早く築く方法

ここまで、人脈の定義についてお話した。続いて「どうしたら自分の人脈を、有力な情報を持つ人にまで広げていけるのか」というのが、次の課題になる。

有力人脈をつくる上でもっとも手軽で、かつ簡単な方法が何かというと、それは成功者が開催しているセミナーに参加することである。

世の中の「人脈」において、わざわざ自分の時間を使って足を運び、「顔を見せにいく」こと以上のリスペクトはない。特に時間が貴重な資源であることを知っている成功者は、他人がそれをする意味もよくわかっている。だから、通常なら会うことが難しい成功者とも知り合いになれる場として、セミナーは重要なのである。

ここで絶対に避けていただきたいのが、「ドタキャン」をすることである。ドタキャンとは相手を軽んじる行為であり、心から人脈をつくりたいのであれば、くれぐれも軽率な行動は慎むべきである。これは何もセミナーに限った話ではない。

逆におすすめなのが「土壇場参加=ドタ参」(当日参加)だ。筆者が「ドタ参」を勧める理由は、

(1)誰もやらないことなので、主催者の印象に残りやすい
(2)「どうしても参加したい」という気持ちをアピールできる

…の2つである。

今までドタ参をして断られたことはないが、念のために「参加できる」となった段階で、相手に一報を入れておくと間違いがないだろう。

「ドタキャン」をする人がお金持ちになれない理由

今回は、成功者のマインドや人脈づくりの基本についてお伝えした。筆者が感じている「うまくいっている人に見られる共通点」とは、人との「信頼関係」を重視していることである。

これについては拙著『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』に詳しく書いたので、ぜひそちらをご一読いただきたい。あなたが日本の年収トップ1%に入ることを目指しているなら、本書が何かしら役立つに違いない。

なぜ成功する上で、人との信頼関係がそんなに重要なのか、試しに一文を引用してみよう。本書の139ページにこう書いた。

「有益な情報は必ず『人』から『人』へと伝わっていくものです。ですから、ドタキャンによって相手の信頼を失ってしまうと、もう次の良い情報は入手できなくなってしまうのです」

これが、成功者たちが人間関係を大事にする一番の理由である。人とのご縁を大切にせず、「情報はインターネットからいくらでも得られる」とか「この人とうまくいかなくても、また別の人を探せばいい」などと思っている人は、永遠にお金持ちにはなれない。

つまり「ドタキャン」をする人とは、「お金が入ってこない」人のことである。本当に必要な情報とは人が運んでくるのであり、そうした情報こそがお金を生むのである。

文・俣野 成敏 (またの なるとし)/ZUU online

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