クレジットカードの6大国際ブランド比較 VISA、Mastercard、JCB、アメックス、ダイナースクラブ、中国銀聯の特徴は?

2020.1.24
FINANCE
(写真=Olleg/Shutterstock.com)
(写真=Olleg/Shutterstock.com)
クレジットカードには、6つの代表的な国際ブランドがある。VISA、Mastercard、JCB、アメックス(アメリカン・エキスプレス)、ダイナースクラブ、中国銀聯だ。それぞれ、どんな特徴があるのだろうか? クレジットカードを選ぶ際の参考にしてもらいたい。

目次
1, 国際クレジットカードブランドの定義
2,6大国際ブランドの特徴を紹介
2-1,VISA――世界の決済インフラをになう国際ブランドの最大手
2-2,Mastercard――210を超える国や地域に加盟店網を持つクレジットカード
2-3,JCB――日本発の唯一の国際ブランドクレジットカード
2-4,アメリカン・エキスプレス(アメックス)――ステータスカードの代表的存在
2-5,ダイナースクラブ――特に高級店で本領を発揮するクレジットカードブランド
2-6,中国銀聯(ユニオンペイ)――中国に中長期滞在するなら必携の1枚
3,クレジットカードの選び方

1,国際ブランドのクレジットカードは世界中で使える

国際ブランドとは、世界中の国や地域で支払いに使えるクレジットカードのブランドのことだ。各ブランドは世界中に加盟店網を持っており、たとえばVISA加盟店ならVISAブランドのクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードで決済できる。

国際ブランド同士が提携して、互いの加盟店で決済できるようにするケースもある。たとえばオーストラリアやニュージーランド、カナダでは、アメックス(アメリカン・エキスプレス)加盟店でJCBブランドのカードを利用できる。

非国際ブランドとの違い 海外で使えるかどうか

「NICOSカード」「UCカード」「DCカード」などは、国際ブランドではないクレジットカードとしてそれぞれが加盟店網を持っている。しかし海外には加盟店がなく不便なため、国際ブランドと提携している。

たとえば「NICOSカード(一般カード)」は、VISAかMastercardから国際ブランドを選ぶことになり、カードフェイスには「NICOS」のロゴのほか「VISA」か「Mastercard」のロゴも入る。

国際ブランドは「決済カードブランド」と「T&Eカードブランド」に分類される

国際ブランドは、「決済カードブランド」と「T&Eカードブランド」に分けることができる。

端的に言うと、「決済カードブランド」は加盟店が多く決済機能が充実している。一方「T&E(トラベル&エンターテインメント)カードブランド」は、旅行(Travel)とエンターテインメント(Entertainment)関連のサービスが充実している。
 
ブランド種別 ブランド名 プロパー(自社)
カード発行
決済カードブランド VISA なし
Mastercard
JCB あり
中国銀聯
T&Eカードブランド アメリカン・エキスプレス
ダイナースクラブ
一般的にVISAやMastercard、JCB、中国銀聯が前者にあたり、アメックスやダイナースクラブが後者にあたると考えられている(JCBを後者に分類することもある)。プロパーカード(自社発行カード)を発行しているのは、JCB、中国銀聯、アメックス、ダイナースクラブで、VISAとMastercardは自社カードを発行せず、決済インフラとライセンスのみを提供している。

クレジットカードを選ぶ際は、このような分類があることを知っておくと、より自分に合うカードを選ぶことができるだろう。

2,6大国際クレジットカードブランドの特徴を紹介 VISAとMastercardの違いや歴史、グレードなど

まずは、6大国際ブランドのシェアなどを整理しておこう。
 
国際ブランド名 運営会社名 本社所在地 実質発足年 決済数
シェア
カード数
シェア
VISA Visa Inc アメリカ
カリフォルニア州
1958年 44.84% 24.77%
Mastercard Mastercard
Incorporated
アメリカ
ニューヨーク
1966年 24.46% 15.33%
JCB ジェーシービー 日本
東京都
1961年 1.04% 0.96%
アメリカン・
エキスプレス
American
Express
Company
アメリカ
ニューヨーク
1958年 2.26% 0.86%
ダイナースクラブ Diners Club
International
アメリカ
シカゴ
1950年 0.74%
(*)
0.48%
(*)
中国銀聯 UnionPay
International
中国
上海
2002年 26.66% 57.60%
(決済数シェアとカード数シェアは2018年度・THE NILSON REPORT調べ)
(*:Discoverブランドのカードを含む)

最も古い国際クレジットカードブランドはダイナースクラブで、最も新しいのは中国銀聯だ。世界のクレジットカード利用決済数の44.84%はVISAが占めており、圧倒的なシェアを誇っている。一方で2002年に発足した中国銀聯は、中国圏を中心にカード数シェアを伸ばし、決済数でも急激な伸びを示している。

次からは、各国際ブランドの特徴を解説する。

2-1,VISA――世界の決済インフラをになう国際ブランドの最大手

(写真=Theethawat Bootmata/Shutterstock.com)

「VISA」は自社カードを発行しておらず、多くのカード発行会社へグローバル決済の仕組みを提供している。

200以上の国と地域に加盟店を持ち、現在利用されているVISAブランドのカードは34億枚(2019年3月末時点)で、全世界のカード決済数の45%(2018年度・THE NILSON REPORT調べ)を占めるカードブランドだ。クレジットカードの券面に「VISA」のロゴマークがあれば、そのカードは世界中のVISA加盟店で利用できる。

VISAの歴史は、1958年にバンク・オブ・アメリカが消費者向けクレジットカード「BankAmericard」を発行したことに始まる。1976年にカードの名称を「VISA」に変え、2007年には世界各国の事業を統合し、グローバル企業としてのVISAを発足した。

VISAのカードのグレードは、

一般カード
ゴールドカード
プラチナカード
Infiniteカード

の順でランクアップする。加盟店が多いため、海外旅行でクレジットカードを使いたい人に向くブランドと言えるだろう。

【VISAブランドのおすすめカード】
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「VISA」についてもっと知りたいならこちら
>>クレジットカード「VISA」はどんなブランドなのか?銀行系や楽天など、代表的なカードも紹介 (2019.1.3)

2-2,Mastercard――210を超える国や地域に加盟店網を持つクレジットカード

(写真=Bilanol/Shutterstock.com)

「Mastercard」は、210を超える国や地域で利用できる。決済関連のレポートで有名な「THE NILSON REPORT」によると、世界のカード決済数のシェアはVISAが45%、Mastercardが24%。この2大ブランドだけで、世界シェアのおよそ7割を占めていることになる。

Mastercardの前身は、ショッピング決済の仕組みとして1966年に発足したインターバンク・カード・アソシエーション(ICA)。1968年にはメキシコやヨーロッパ、日本の金融機関も加盟し、1970年代後半にはさらにネットワークを広げ、名称を「Mastercard International」に変更した。

2002年にはヨーロッパのEuropay(ユーロペイ)と合併し非公開株式会社となった後、ニューヨーク証券取引所に新規上場している。その後も、各国の決済サービス企業を買収して拡大を続けている。

Mastercardブランドでは、

スタンダード
ゴールド
チタン
プラチナ
ワールド
ワールドエリート

の6つのグレードが用意されている。MastercardもVISAと同じく加盟店が多いため、日本はもちろん海外旅行でもクレジットカードを使いたい人に向くブランドだ。

【MasterCardブランドのおすすめカード】
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>>「Mastercard」はどんなブランド?ポイント還元率の高いクレジットカードも紹介(2019.3.1)

2-3,JCB――日本発の唯一の国際ブランドクレジットカード

(写真=TungCheung/Shutterstock.com)

「JCB(株式会社ジェーシービー)」は、1961年に株式会社日本クレジットビューローとして設立された。その英語表記の頭文字をとって、「JCB」と呼ばれるようになった。同年、日本初の汎用型クレジットカード(店舗を限定せず幅広く使えるクレジットカード)の発行を開始し、1972年には会員数が100万人を突破した。1981年には、クレジットカードの国際ブランドとして海外展開を開始する。

JCBブランドのクレジットカードの特徴は、日本人が観光で訪れることの多い世界32の主要都市に設置された「JCBプラザ」と、世界9都市に設置された「JCBプラザラウンジ」を利用できることだ。

JCBのポイントサービスについても触れておこう。JCBブランドと提携する他社発行のカードは、それぞれのカード会社のポイントサービスが適用される。一方JCB自体が発行するカード(プロパーカード)でクレジット支払いをすると、OkiDokiポイントというJCB独自のポイントが1,000円の利用ごとに1ポイント貯まる。

JCB自体が発行する主なカードとその年会費は、以下のとおりだ。
  • JCB一般カード(年会費1,250円・税別)
  • JCBゴールド(年会費1万円・税別)
  • JCBゴールド ザ プレミア(年会費1万5,000円・税別、ゴールド保有者で一定の条件を満たした人が招待される)
  • JCBプラチナ(年会費2万5,000円・税別)
  • JCBザ・クラス(公式サイトに年会費の記載なし)
カードのステータスはこの順で高くなり、JCB「ザ・クラス」はいわゆるブラックカードにあたるものと考えていいだろう。

日本唯一の国際ブランドということもあり、どのカードも国内利用における特典・サービスが充実している。国内利用がメインの人は、ぜひ1枚持っておきたいブランドだ。

【JCBブランドのおすすめカード】
JCB CARD W 楽天カード ビックカメラSuicaカード
ビューカード
年会費 無料 年会費 無料 年会費 524円
(初年度無料)
還元率
(通常時)
1.0% 還元率
(通常時)
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(通常時)
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特徴 年会費無料でポイント2倍 特徴 ポイントがザクザク貯まる 特徴 前年カード利用で翌年以降も年会費無料
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「JCB」についてもっと知りたいならこちら
>>「JCB」カードのメリットは?おすすめのクレジットカードも紹介(2019.11.20)

2-4,アメリカン・エキスプレス(アメックス)――ステータスカードの代表的存在

(写真=Nada Sertic/Shutterstock.com)

1850年にニューヨークで運送業として発足した「アメリカン・エキスプレス」は、その後送金為替業務を始める。世界で初めてトラベラーズチェック(旅行小切手)を発行したことでも有名だ。1958年には米国とカナダ、1980年には日本でもクレジットカードを発行。社名とカード名の「エキスプレス(急行列車)」は、運送業として創業したことのなごりだ。

アメリカン・エキスプレスはダイナースクラブと並び、富裕層向けのステータスカードとして知られている。特にプロパーカード(アメックス自体が発行するカード)は、一般カードであっても他社ゴールドカードに匹敵するサービス内容だ。具体的な内容についても少し触れておこう。

アメックスのプロパーカードで一般カードにあたるのは、「アメリカン・エキスプレス・カード」(カードフェイスの色からアメックス・グリーンと通称される)。これには、
  • 最高5,000万円の国内・海外旅行傷害保険
  • 国内28空港・海外1空港の空港ラウンジ無料利用
  • 国内外1,200ヵ所以上の空港VIPラウンジを1回32米ドルで利用できる「プライオリティ・パス」の年会費無料登録
などの特典が付帯する。

アメリカン・エキスプレスとダイナースクラブのプロパーカードは、どちらも利用限度額に一定の制限が設けられていない。自分の収入に見合っていれば、基本的には限度額を気にせず使えるということになる。

グレードは、
  • アメリカン・エキスプレス・カード(年会費1万3,200円・税込)
  • アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(年会費3万1,900円・税込)
  • プラチナ・カード(年会費14万3,000円・税込)
  • センチュリオン・カード(公式サイトに記載なし)
の順に高くなっていく。

アメックスのクレジットカードには旅行関係の特典・サービスが付帯するものが多いので、海外旅行の多い人に向いている。ただし加盟店が比較的少ないので、特に海外旅行ではVISAかMastercardブランドのカードも併用したほうがいいだろう。

「アメリカン・エキスプレス」についてもっと知りたいならこちら
>>「アメリカン・エキスプレス」はどんなブランドなのか(2018.10.12)

2-5,ダイナースクラブカード――特に高級店で本領を発揮するクレジットカードブランド

(写真=Casper1774 Studio/Shutterstock.com)

「ダイナースクラブカード」は、1950年にアメリカで創業した。1960年、ダイナースクラブカードを発行する日本ダイナースクラブが設立され、日本初のクレジットカード会社となった。

「チャージカード(翌月一括払い専用カード)」に分類されるクレジットカードで、その性質上利用金額には一律の制限が設定されていない。支払い能力があると認められた人にカードが発行されるため、プロパーカードに関しては持っているだけでステータスになると言われている。

プロパーカードのグレードは、
  • ダイナースクラブカード(年会費2万2,000円・税抜)
  • ダイナースクラブ プレミアムカード(年会費13万円・税抜※招待制)
で、年会費は他社ゴールドカードやプラチナカード並みに高額だ。これも、そのステータスゆえということになるだろう。

ダイナースクラブカードにも、さまざまな特典が付帯する。特筆すべきは、グルメ関係の特典だ。カード名にある「ダイナース」とは「食事をする人」という意味で、グルメ関連の特典こそがこのカードの真骨頂と言える。通常は予約が難しい高級料亭を予約できたり、国内レストランでさまざまな優待を受けられたりする。

その特徴から、ぜいたくにグルメを楽しみたい人に向くカードと言えるだろう。アメックス同様、加盟店が比較的少ないので、特に海外旅行ではVISAかMastercardブランドのクレジットカードを併用したい。

「ダイナースクラブ」についてもっと知りたい人は?
>>クレジットカード「ダイナースクラブ」の特徴を紹介 ステータスや年会費、アメックスとの比較も(2018.11.10)

2-6,中国銀聯(ユニオンペイ)――中国に中・長期滞在するなら必携の1枚

(写真=TY Lim)

「中国銀聯(ユニオンペイ)」は中国中央銀行の主導で作られた国際ブランドで、発行されているカードの9割はデビットカードであることが特徴だ。

中国では、銀行口座を作ると必ず中国銀聯のデビットカードが発行される。国際ブランド付きのクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードの総数では、中国銀聯のシェアは58%で世界トップだ。

カード決済数のシェアは27%に留まるが、それでもVISAに続く世界2位(2018年度・THE NILSON REPORT調べ)。発行枚数の伸びも著しく、2020年1月現在では銀聯カードの総発行枚数は80億枚を超え、うち中国以外で1.3億枚。世界176の国と地域で利用できる。

中国銀聯は2002年に銀行間決済ネットワーク運営会社として設立され、VISA、Mastercard、JCBなどの国際ブランドと提携。日本では2005年末にサービスが開始され、今では多くの店舗のレジで「VISA」や「Mastercard」と一緒に「銀聯」のロゴも見られるようになった。

特に中国では非常に便利なので、中国に中長期の出張や留学をする人は必携の1枚となるだろう。日本では、MUFGカードや三井住友カードなどが銀聯ブランドのカードを発行している。

3,どのブランドを選ぶかはカード発行会社との掛け合わせを考える

クレジットカードの国際ブランドを紹介し、その特徴を解説してきた。国際ブランドからライセンス提供を受けているクレジットカードの多くは、そのカード発行会社自体が提供する特典・サービスも利用できる。したがって国際ブランドだけでなく、発行会社も考慮してカードを選ぶことをおすすめする。

クレジットカードを複数枚持つ場合は、国内に強いJCBと海外に強いVISAを併用するといった工夫をしたい。併用を考える際も、各国際ブランドの特徴を知っておくと役に立つはずだ。

文・モリソウイチロウ(ライター)
 

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