最大2,110万円の税金が控除される「おしどり贈与」とは?

2019.3.5
FINANCE
(写真=Vyshnova/Shutterstock.com)
(写真=Vyshnova/Shutterstock.com)
贈与には、税制面で恩恵を受けられるいくつかの特例が存在する。その中の一つに、長年連れ添った夫婦に認められる配偶者控除「おしどり贈与」がある。微笑ましい名前だが、いったいどういったものなのだろうか?基本的な知識をはじめ、メリットや注意点を解説する。

おしどり贈与で最大2,110万円が控除される

おしどり贈与とは、夫婦の間で「居住用の不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」を贈与したときに受けられる贈与税の特例のことだ。暦年贈与、いわゆる通常の贈与の基礎控除である110万円に加えて、一定の条件を満たせば2,000万円まで、合計で最大2,110万円の配偶者控除を受けることができる。

例えば、配偶者控除を使わず、妻に2,000万円分の財産を譲る際には、贈与税が税率50%で課税される。この場合の控除額は250万円なので、相続税の額は「(2,000万円-基礎控除110万円)×50%-250万円」で695万円となる。これがおしどり贈与の申告をすれば、実質的な課税額は0円になるのだ。

結婚していればだれでもおしどり贈与の適用が受けられるのか? 

結婚した夫婦であれば、この贈与税の配偶者控除(=おしどり贈与)が適用されるのかといえば、そうではない。この控除を受けるためには、
  • 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎていること
  • 贈与された財産が、国内にある居住用の土地や権利または家屋、それを取得するための金銭であること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた者が実際に住み、その後も引き続き住む見込みがあること
  • 同じ配偶者から初めてこの特例の適用を受けること
という、4つの条件を満たす必要がある。結婚してまだ15年という夫婦や、賃貸用物件や投資物件は対象にならないので注意が必要だ。

住宅と土地を一括で贈与しなければならないという条件はないので、住宅のみ、土地のみの贈与でもこの特例を申告することはできる。ただし土地の贈与の場合には、上記の4条件に加えて「夫または妻が居住用家屋を所有している」などの条件も加わる。

また自営業の人であれば、店舗兼住宅を贈与するケースもあるだろう。この場合は、「居住の用に供している部分」に限り、おしどり贈与を適用することができる。なお、居住用部分が90%以上の場合は、すべて居住用不動産として扱うことができる。

これらの条件を満たし、
  • 戸籍謄本または抄本と(財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成されたもの)
  • 戸籍の附票の写し(財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成されたもの)
  • 居住用不動産の登記事項証明書など贈与を受けた人が、その居住用不動産を取得したことを証する書類
の3つの書類を、贈与を受けた年の翌年の2月1日~3月15日まで提出すれば、おしどり贈与の申告手続きが完了する。金銭ではなく居住用不動産の贈与を受けた場合は、上記の書類のほか、その居住用不動産を評価するための書類(固定資産評価証明書など)も必要となる。

逆に税金が高くなる可能性も?おしどり贈与の注意点とは

おしどり贈与を考える際の最大のポイントは、最終的な税負担が減るかどうかだ。相続の場合、配偶者は1億6,000万円か法定相続分相当分のいずれか多い金額まで非課税となるため、多くの場合税金がかからない。

このような税制や手間を考慮すると、おしどり贈与は相続時の税額軽減分を上回る財産がある場合や、自分の財産から自宅などを切り離し、配偶者の名義に変えたい場合などに限られることになる。

文・MONEY TIMES編集部
 

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