ENEOSカードは、ENEOSサービスステーションの利用時に、ガソリン割引やポイント高還元などのメリットがあるクレジットカードだ。ENEOSカード3種のうち、ここではガソリン等の値引きに特化した「ENEOSカード C」について詳しく紹介しよう。

目次
1,カードの基本スペックと審査基準
2,ENEOSカード Cの4つのメリット
3,ENEOSカード Cの3つのデメリット
4,ENEOSカード Cがおすすめなのはどんな人?

1,ENEOS カード Cの基本スペックと審査基準――ガソリンが最大7円/L引きになるカード

ENEOS(エネオス)のサービスステーションでお得に使えるクレジットカード「ENEOSカード C」は、ENEOS提携カード3種のうちの1枚。発行はトヨタファイナンスで、国際ブランドのほかに「TS CUBIC CARD」のブランドも付いているが、トヨタ関係のサービスは付帯しない。ENEOSのカードとして、その関連サービスが付帯するクレジットカードだ。

具体的には、ENEOSサービススタンドでのガソリン割引やポイントアップを受けられる。「ENEOSカード C」はガソリン値引き額がほかの2種より大きい代わりに、ポイントサービスは適用されない。

まずは、「ENEOS カード C」の基本スペックから見ていこう。

ENEOSカード Cの基本スペック……年会費、追加カード、電子マネーなど

国際ブランド VISA
JCB
年会費 1,375円(税込) 
※初年度無料、家族会員無料
ポイントサービス なし 
※ガソリン・経由などのキャッシュバック制度あり
通常ポイント還元率 なし
ポイント交換対象 なし
空港ラウンジサービス なし
付帯保険 なし
追加カード 家族カード
ETCカード
電子マネー 【別途カード発行】
QUICPay
【Apple Pay経由】
QUICPay

審査基準・審査難易度……世帯年収200万円でも審査通過の可能性あり

満18歳以上なら学生でも申し込める(高校生を除く)。主婦や年金受給者でも申し込めることから、審査基準はあまり高くなさそうだ。世帯年収が200万円に満たない場合でも、審査通過の可能性はあると考えていいだろう。

2,ENEOSカード Cの4つのメリット――ガソリン値引き、無料ロードサービス、クルマ関連優待、ETCカード無料

ここからは、「ENEOSカード C」の主な4つのメリットを紹介しよう。

メリット1,ガソリン・軽油が最大7円/L引きに

「ENEOSカード C」では、毎月のカード利用金額に応じてガソリン・軽油が最大7円/L引きになる。灯油は常時1円/L引き。値引き額と適用条件は以下のとおりだ。

ガソリン・軽油 月間クレジット利用金額 値引き単価
7万円以上 7円/L引き
5万~7万円未満 5円/L引き
2万~5万円未満 4円/L引き
1万~2万円未満 2円/L引き
1万円未満 1円/L引き
灯油 いつでも1円/L引き

値引き単価を決めるクレジット利用期間と、値引き適用期間、実際のキャッシュバックのタイミングは以下のとおり。

1ヵ月目 カード利用
2ヵ月目 値引き単価の案内
3ヵ月目 ガソリン・軽油の購入
4ヵ月目 キャッシュバック
(値引き分の減額)

値引きが適用されるのは3ヵ月目からだ。入会当月と翌月の購入分は特例が適用され、ガソリン・軽油が無条件で2円/L引きになる。

「月間クレジット利用金額」には、カードに紐づけられたApple Pay、QUICPay、ETCカード、家族カードの利用分も含まれる。値引き単価の適用は、本会員のカードと家族カードでの購入分を合わせ、ガソリン・軽油の合算で毎月150Lまで。免税ガソリンと免税軽油は値引きの対象外だ。

注意したいのは、一部サービスステーションではこの値引きが適用されないこと。カードに申し込む前に、自分がよく利用する店舗が値引きの適用対象になっているかどうか、よく確認しておきたい。

メリット2,ロードサービスが無料で付帯する

「ENEOSカード C」には、クルマの故障やトラブルの際に電話1本で365日・24時間対応してくれる「ENEOSロードサービス」が付帯する。これは、年間2回まで無料で利用できる。全国約8,500ヵ所の拠点から30分~1時間でかけつけてくれるので、いざというときに頼りになるだろう。車両総重量3t未満の自家用4輪車が対象で、無料サービスの範囲は以下のとおりだ。

サービス項目 サービス内容 ENEOSロードサービス
レッカーサービス ※1 レッカー車による移動 10kmまで無料
路上修理
(30分以内)
キー閉じ込み開錠サービス 30分以内無料
バッテリージャンピング
タイヤパンク時の交換作業
落輪時の引き上げ作業 ※2
ガス欠時の給油作業
その他、30分以内の作業
※1 自力走行不能な場合(キー紛失は対象外)
※2 落差1メートル以内、タイヤ1本までが対象

 

このほか、要望に応じてレンタカーや代替交通手段の案内、宿泊先の案内、24時間オープンのサービスステーションの案内なども受けられる(レンタカー代や宿泊費などの実費は自己負担)。

部品代やガソリン代などは実費、そのほかの特殊ケースは有料になるが、ほかのロードサービスに入っていないのであれば、これらのサービスを利用できるのは大きなメリットと言える。

メリット3,クルマ周りの各種優待が提供される

「ENEOS カード C」では、ガソリン代の割引とロードサービスだけでなく、修理費用の割引優待とレンタカー割引優待も提供される。

・「カーコンビニ倶楽部」でキズ・ヘコミの修理費用が5%オフに

全国に1,000店舗以上を展開している「カーコンビニ倶楽部」で、クルマのキズ・ヘコミの修理費用が5%オフになる優待が適用される。

・レンタカー優待

全国約1,000ヵ所のオリックスのレンタカーネットワーク(オリックスレンタカー、レンタカージャパレン、エックスレンタカー)では、10%オフになる優待が適用される。

メリット4,ETCカードを年会費無料で作ることができる

ETCカードが有料のクレジットカードも多いが、「ENSOS カードC」では、本会員・家族会員ともにETCカードを年会費無料で作ることができる。ただし、本会員がETCカードを保有していない場合、家族会員はETCカードに申し込むことができない。

現在年会費有料のETCカードを使っている場合は、「ENEOS カード C」を取得したタイミングで切り替えるといいだろう。

3,ENEOSカード Cの3つのデメリット――付帯保険、ポイント、年会費

ENEOSでガソリン・軽油がぐっと安くなる「ENEOSカード C」だが、年会費が近いほかのクレジットカードと比較してデメリットもある。

デメリット1,保険が付帯しない

「ENEOSカード C」には旅行傷害保険やショッピング保険などは付帯しない。年会費無料のクレジットカードの中にもこれらの保険が付帯するものがあることを考えると、やや物足りない印象だ。

特に海外では医療費が高額になることがあるため、海外旅行時には旅行傷害保険は必要だ。そこで、海外に行く機会のある人はこのカードとは別に海外旅行傷害保険付帯のクレジットカードを持つか、旅行代理店などで保険に加入しなければならない。

デメリット2,ポイントサービスがない

「ENEOSカード C」にはポイントサービスがなく、クレジット利用に伴って得られるメリットはENEOSサービスステーションにおけるガソリン等の値引きのみとなる。つまり、ガソリン等を給油しないことにはメリットを得られない。給油量が多くない人や、給油ニーズが一定でない人は、お得さを感じづらいだろう。

デメリット3,年会費が無料にならない

ENEOSカード3種のうち「ENEOSカード S」は所定の条件をクリアすると年会費が無料となるが、この「ENEOSカード C」にはそうした仕組みがない。初年度を除けば、1,375円(税込)の年会費が発生しつづけることになるため、それ以上の金銭的なお得さがない場合は、ほかのカードが候補としてより有力となる。

4,ENEOSカード Cはどんな人におすすめ?「カード診断」シミュレーターで検討を

前述のとおりENEOSカードには3種類あり、「ENEOSカード C」のほか、ポイントを貯めることに特化した「ENEOSカード P」、ガソリンなどの値引きとポイントサービスの両方を備えた「ENEOSカード S」がある。

それぞれのスペックで異なる点を整理しておこう。

ENEOSカード C ENEOSカード P ENEOSカード S
年会費(税込) 1,375円
※初年度無料
1,375円 
※初年度無料・
条件クリアで
次年度無料
燃料代値引き ガソリン・
軽油最大7円/L引き
灯油1円/L引き
ガソリン・
軽油2円/L引き
灯油1円/L引き
ポイント付与率 通常1,000円ごとに6P
(6円相当)
ENEOSで
1,000円ごとに30P
(30円相当)
通常1,000円ごとに6P
(6円相当)
ENEOS(燃料代以外)
で20P(20円相当)

「ENEOSカード C」はガソリンが「S」よりも安くなる代わりにポイントサービスがなく、「ENEOSカード P」はENEOS利用時のポイント付与率が「S」よりも高くなる代わりに燃料代の値引きがない。

「ENEOSカード S」はガソリンなどの値引きとポイントサービスの両方を備えるが、ほかのカードよりも値引き額が少なく、ポイント付与率も低い。ただし、ほかのカードと違って年会費を無料にすることができる。

どのカードがベストチョイスとなるかは、給油量や給油価格、給油以外のサービスステーション利用額、クレジット利用額などによって変わる。そこで役に立つのが、ENEOSカードの公式サイトにある「ENEOSカード診断」というシミュレーターだ。上記の項目を入力することでベストなカードを教えてくれるので、申し込みを考えている人は参考にするといいだろう。

 

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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