テクノロジーの発展や人口増加、高齢化社会など、世界の変化に敏速に対応し、将来性の高さを感じさせる「活力のある30都市」が発表され、東京が13位に選ばれた。上位の都市はいずれもイノベーションを生みだし、国際的な成功に導く環境が整っているということになる。

トップ3はサンフランシスコ、シリコンバレー、ニューヨークと米勢が独占。米都市はトップ10に6都市、トップ30に12都市ランクインし、圧倒的な強さをみせた。アジア圏は東京、ソウル、シンガポールが健闘した。

ランキングは米不動産サービス、ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)が「テクノロジー」「教育」「環境」「透明性」「インフラ」「国際特許」という観点から、世界131都市を評価した「世界都市活力指数2018年版」 に基づくもの。

活力のある世界30都市

30位 チューリッヒ(スイス)
29位 シンガポール(シンガポール)
28位 ソウル(韓国)
27位 ヘルシンキ(フィンランド)
26位 モントリオール(カナダ)
25位 フィラデルフィア(米国)
24位 エディンバラ(スコットランド)
23位 ストックホルム(スウェーデン)
22位 コペンハーゲン(デンマーク)
21位 ワシントンDC(米国)

20位 デンバー(米国)
19位 バンクーバー(カナダ)
18位 オースティン(米国)
17位 メルボルン(オーストラリア)
16位 ベルリン(ドイツ)
15位 ミュンヘン(ドイツ)
14位 シドニー(オーストラリア)
13位 東京(日本)
12位 シアトル(米国)
11位 シカゴ(米国)

10位 サンディエゴ(米国)
9位 トロント(カナダ)
8位 アムステルダム(オランダ)
7位 パリ(フランス)
6位 ロサンゼルス(米国)
5位 ボストン(米国)
4位 ロンドン(英国)
3位 ニューヨーク(米国)
2位 シリコンバレー(米国)
1位 サンフランシスコ(米国)

サンフランシスコ、シリコンバレーなど数多くのIT都市を誇る米国

JLLが年次報告書「世界都市活力指数」を発表するのは今回で5回目。2018年版の評価テーマが「敏速性・才能・テクノロジー」であることから分かるように、今回はテクノロジーにより焦点を置いて分析している。

そのため世界の一流テクノロジーハブとして注目を浴びるサンフランシスコ、シリコンバレー、ニューヨークがトップ3を独占する結果となった。過去15年世界中で生まれたITユニコーンの3分の1サンフランシスコとシリコンバレーの2都市が輩出しているほか、スタートアップの数も最も多い。

ニューヨークはIT関連の雇用数で米国最大規模を誇る。ボストンは研究・テクノロジー分野で突出しており、教育、インフラ、影響力が強みになっている。多数の特許が生まれる都市としても国際的に有名だ。

ロサンゼルスやサンフランシスコは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、南カリフォルニア大学、サンフランシスコ州立大学など、IT分野で優れた大学で数多くの優秀な人材を育成している。

ハードウェアとロボティクス分野で強い東京とソウル

北アジア圏からはアジア最大の経済都市、東京とソウルがランクイン。イノベーション精神あふれる企業がこの2都市に集中している。世界最高水準のデジタル・コネクティビティを備えた環境からは、特にハードウェアとロボティクス分野で優秀な研究成果が多数生まれている。

ソフトウェア分野の研究・開発が活発化しているシンガポールは、人材の育成に熱心だ。また国外企業誘致力が高く評価されており、Google、HCL、InfosysといったIT関連大手も研究施設を置いている。

オセアニア圏ではシドニーとメルボルンがトップ20入り。ITセクターの透明性の高さ、人材育成の支援体制などが高評価につながった。

不動のロンドン。パリ、アムステルダムが追い上げ

欧州トップ3はロンドン、パリ、アムステルダム。ロンドンは教育およびイノベーションの支援が活性化しているほか、多様性あるテクノロジー、創造的なセクターなどで欧州全体をリード。スタートアップやユニコーンの数も欧州一で、ソフトウエアとITサービスへの国外からの投資が過去10年間で最も多い都市である。2017年には10億ドル以上が国外から流入した。

ロンドンの後をぴったり追うのはパリ。調査分野が優れているだけではなく、欧州最大規模のIT労働市場と国際特許数を誇る。アムステルダムのIT市場は急速に拡大しており、人気ホテル予約サイト「Booking.com」、地図情報サービスのTomTomなど世界中で事業を展開している大手を筆頭に、ファイル転送サービスのWeTransferや決済サービスAdyenといった国際水準で活躍するスタートアップが生まれている。

急速に変化している10都市は新興国に集中

報告書では人口・コネクティビティ・再投資・不動産価格・経済の展望・企業活動・構造・小売販売を評価基準にした「短期的な活力指数」 も発表されている。

こちらはトップ都市の顔ぶれががらりと変わり、ハイデラバード、バンガロール、ホーチミン、プネー、コルカタ、ハノイ、南京市、デリー、杭州市、西安市がトップ10となった。 シンガポールとシアトルは急速に変化している都市としても評価されており、それぞれ26位と29位に選ばれた。

文・アレン(琴子、英国在住フリーランスライター)/ZUU online
 

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