デビットカードというと、「クレジットカードのように使える銀行キャッシュカード」という程度の知識しかない人も多いだろう。持っているだけで十分活用できていない人も多いが、メリットを知ると、これが実に便利なカードということがわかる。

審査なし、高校生でも持てるクレカ同様のカード

デビットカードは、クレジットカードのように使える銀行キャッシュカードと考えればいいだろう。券面にはクレジット番号が刻印され、店舗ではクレカ同様に使えるが、支払いは「一括」のみとなり、決済と同時に銀行口座から引き落とされる。

また、クレカと同じく券面のカードブランド(Visa、MasterCard、JCBなど)の加盟店で利用可能で、決済にあたって手数料は特にかからない。

最大のメリットは、何らかの理由でクレジットカードを作れない人でも、デビットカードを発行している銀行に口座があれば、審査不要で発行してもらえることだ。これなら、ネット通販やネットコンテンツの支払い、あるいは海外旅行などでクレジットカードを必要とする場面でも困ることはない。

デビットカードは高校生くらいから持てることが多いので、子どものいる家庭では、その本人名義の銀行口座を作って、デビットカードを持たせてもいいだろう。

毎月のお小遣いを口座に入金してデビットカードで支払わせることで、将来クレカを使うときの練習になるほか、利用履歴を親が確認して不適切な利用がないよう管理することも可能だ。

浪費グセのある人はクレカよりもデビットカードを

すでにクレカを持っている人は、デビットカードをお金の管理目的で使うという活用方法もある。

クレカの利用可能残高に余裕があるとつい浪費してしまうような人は、メインバンクとは別に作った銀行口座へその月に使っていい金額を入金しておき、そのデビットカードだけを持ち歩けばいい。デビットカードは、口座に入っている金額以上に使うことはできないので、使いすぎの心配がなくなる。

デビットカードを活用してお金の管理を行うには、メインバンク以外の銀行口座を新たに開設することになる。便利なのが、気軽に口座を開設できて、お金の出入りをスマホなどで管理しやすいネット専業銀行だ。

ここでは、デビットカードの利用を前提とした、おすすめのネット専業銀行を2つ紹介する。

「ジャパンネット銀行のVisaデビット」はクレジット番号を4つまで追加発行可能

ジャパンネット銀行のVisaデビットは、満15歳以上から年会費・発行手数料無料で作ることができ、口座開設もスマホの口座開設アプリのみで完結する。申し込みから5日程度でカードが届くというお手軽さとスピーディーさは、ネット専業銀行ならではだ。

カードブランドはVisaで、200以上の国と地域、国内外約3,800万の店舗で利用できるほか、「VISA」「PLUS」マークがある海外ATMから、現地通貨で預金を引き出すこともできる。

さらに、読み取り端末に触れるだけで決済できる、電子マネー感覚の「Visaタッチ決済」にも対応している。タッチ決済対応店舗では、暗証番号入力やサインなどのわずらわしい手順なく支払いが完了する。

タッチ決済は今後対応店舗が増えていくと予想され、日本以外ではすでにオーストラリア、台湾、シンガポール、イギリスなど71以上の国と地域で利用できる。ロンドンやマレーシアでは、公共交通機関の利用時にSuicaやPASMOのような感覚で使えるという。

また、非常に使い勝手のいいサービスとして触れておきたいのが、カード券面のクレジット番号とは別に、ネットショッピング専用のクレジット番号を4つまで発行できる「カードレスデビット」だ。

番号の変更・停止・再開が自由にできるので、初めてネットショッピングするサイトや海外サイトの利用時などに、セキュリティの観点で積極的に活用したいサービスだ。

なお、デビットでの支払いには500円につき1円相当のポイントが付与される(ポイント還元率0.2%)。還元率が低いと思うかもしれないが、デビットカードの還元率はクレジットカードと比べると低く、0.2%は一般的な還元率だ。このポイントはカードレスデビットの利用分にも付与される。

「GMOあおぞらネット銀行のVisaデビット」は高還元が魅力

ポイント還元率にこだわりたい人には、GMOあおぞらネット銀行のVisaデビット付キャッシュカードがおすすめだ。このカードでは、デビット決済した金額の0.6%がキャッシュバックされる仕組みになっており、キャッシュバックは毎月末日までに、前月分の利用金額に応じて行われる。

0.6%という還元率は一般的なクレジットカードの還元率と同じか、少し高いくらいと考えていいだろう。デビットカードでは、高還元の部類だ。

このデビットカードもやはり満15歳以上から年会費・発行手数料無料で作ることができる。カードブランドはVisaなので、ジャパンネット銀行のVisaデビットと同じく、200以上の国と地域、国内外約3,800万の店舗で利用できるほか、「VISA」「PLUS」マークがある海外ATMから、現地通貨で預金を引き出せる。

さらに、電子マネー感覚で決済できる「Visaタッチ決済」に対応しているほか、「Visa認証サービス」として、ネットショッピング時に通常のカード情報とは別に設定したパスワードを入力することで不正利用を防止する仕組みにも対応しており、セキュリティレベルを高めている。

ここで紹介したデビットカードのほか、多くの銀行がさまざまなスタイルのデビットカードを発行しているので、自分のニーズに合わせて選んでみてほしい。

文・モリソウイチロウ(ライター)
 

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