アルコール度数は、高ければ高いほど消毒効果があると思いがち。だが、実は度数が高すぎても消毒効果が得られず、適度なアルコール濃度に薄める必要があるという。今回は、新型コロナウイルスの影響で関心が高まる高アルコールのお酒に注目し、アルコール度数がひと目でわかる一覧リストでご紹介。アルコール消毒液の代わりにすぐ使えるよう、選び方の参考にしてほしい。

目次

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(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

高アルコール=消毒効果が高い、は間違い

お酒などに含まれるアルコール(エタノール)は、濃度が高いと消毒・殺菌効果も高いことがわかっている。そう聞くと100%の濃度が最も高い消毒力があるように思うが、厚生労働省は高濃度のエタノールを消毒用の代わりに使う場合、70~83vol%の濃度を推奨している。

アルコールは濃度が高すぎると揮発性も同時に高まり、効果が持続しないことが理由。適正度数は40パーセントから殺菌効果が高まり、70パーセントで最も高い効果を発揮するという。

市販のアルコール消毒液の濃度も60~70度台のものが多く、今月全国の酒造メーカーが急きょ製造に乗り出した高濃度エタノール製品の度数をみても、65度や66度、77度といった濃度が多くみられる。お酒として飲むには濃すぎるかもしれないが、手指などの消毒用としては薄めずそのまま使うことができるよう配慮されている。

アルコール77%のお酒が人気?

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山梨県の笹一酒造が発売した「笹一アルコール77」や高知県・菊水酒造の「アルコール77」、長野県・仙醸の「アルカス77」など、高濃度エタノール製品の製造を始めた各酒造メーカーは77%に照準を合わせている印象が強い。

これは品薄が続く市販のアルコール消毒液の濃度を参考にしたものと考えられるが、茨城県・明利酒類の「メイリの65%」や福島県・笹の川酒造の「SPIRITS66」など65度や66度のお酒も同じくらいの殺菌効果が期待できる。80度、90度以上の高濃度のお酒は70度前後の濃度に比べて除菌力が低下するが、適切なアルコール度数に薄めて使えば消毒液の代わりとして役立ってくれるだろう。

高濃度エタノール製品が手に入りづらい今は、度数にこだわりすぎず、近くの酒販店やインターネット通販の入荷情報をこまめにチェックし、入手しやすいものを適切な量だけ購入しよう。消毒液として代用できそうな高アルコールのお酒を度数別にリストにしてみたので参考にしてほしい。

消毒に使えるアルコール度数の高いお酒|60%~70%

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メイリの65%(茨城・明利酒類)

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メイリの65%(茨城・明利酒類)(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

茨城県水戸市の酒造メーカー明利酒類は、アルコール度数65%のウォッカを発売。4~5倍に薄めて飲むと15%程度の濃度のアルコール飲料として楽しめるが、消毒液として代用するならそのままの純度で。

明利酒類
商品名:メイリの65%
アルコール度数:65%
品目:スピリッツ(ウォッカ)
容量: 360ml
希望小売価格:1本あたり1,000円(税込)
※6本、12本、20本のケース販売のみ

High Alcohol Spirits 65%(広島・中国酒造)

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High Alcohol Spirits 65%(広島・中国酒造)(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

広島県廿日市市の中国製造は、顧客からの要望や情勢を受け、高濃度エタノール製品「High Alcohol Spirits 65%」を製造。4月9日よりオンラインショップで提供を開始した。

中国酒造
商品名:High Alcohol Spirits 65%
アルコール度数:65%
品目:スピリッツ(ウォッカ)
容量: 500ml
希望小売価格:1,265円(税込)

SPIRITS66(福島・笹の川酒造)

福島の笹の川酒造は、高濃度のスピリッツ「SPIRIT 66」を販売。アルコールと純粋のみで製造した飲料用のアルコールで無香料・添加物不使用なので安心して使うことができる。

笹の川酒造
商品名:SPIRIT 66
アルコール度数:66%
品目:スピリッツ
容量: 500ml
希望小売価格:1,375円

消毒に使えるアルコール度数の高いお酒|70%~80%

KOZURU SPIRITS 77%(鹿児島・小正醸造)

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KOZURU SPIRITS 77%(鹿児島・小正醸造)(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

鹿児島県日置市の小正醸造(こまさじょうぞう)は、不足する消毒液の代用品として高濃度エタノール製品「KOZURU SPIRITS 77%」を製造開始。4月22日より鹿児島県内の医療機関、看護施設、介護施設等へ優先的に供給する。

小正醸造
商品名:KOZURU SPIRITS 77%
アルコール度数:77%
品目:スピリッツ
容量:500ml
希望小売価格:1,300円(税別・酒税385円を含む)

HIGH SPIRITS 77(鹿児島・大山甚七商店)

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HIGH SPIRITS 77(鹿児島・大山甚七商店)(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

鹿児島県指宿市の大山甚七商店は、高濃度アルコール商品として「HIGH SPIRITS 77」のスピリッツの開発を発表。一度の製造で約1,000本(300ml換算)のため供給量に限りがあり、5月上旬から鹿児島県指宿市エリアのみの販売を予定している。詳細は公式HPやSNSアカウントで報告予定。

大山甚七商店
商品名:HIGH SPIRITS 77
アルコール度数:77%
品目:スピリッツ
容量:300ml
希望小売価格:未定
発売日:5月上旬予定(変更の可能性あり)

笹一アルコール77(山梨・笹一酒造)

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笹一アルコール77(山梨・笹一酒造)(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

山梨県の老舗酒造メーカー・笹一酒造は4月21日より、高濃度エタノール製品「笹一アルコール77」を販売開始する。できるだけ多くの人の手に届くよう、1世帯1本と数を限定している。

笹一酒造
商品名:笹一アルコール77
アルコール度数:77%
品目:スピリッツ
容量:500ml
希望小売価格:1,200円(税別)

砺波野スピリット77(富山・若鶴酒造)

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砺波野スピリット77(富山・若鶴酒造)(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

富山県の若鶴酒造は、高濃度アルコールの需要の高まりを受け、アルコール度数77%の「砺波野スピリット77」の販売を開始。週に約1,000本の製造量限定。

若鶴酒造
商品名:砺波野スピリット
アルコール度数:77%
品目:スピリッツ
容量:300ml
希望小売価格:800円(税別)

請福77(沖縄・請福酒造)

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請福77(沖縄・請福酒造)(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

沖縄県石垣市の請福酒造は、アルコール度数77%含有の泡盛を発売開始。法令の関係上、一日の生産量に制限があるため八重山諸島内の供給を想定。当面は直接販売で提供する。

請福酒造
商品名:請福77
アルコール度数:77%
品目:泡盛
容量:600ml
希望小売価格:2,500円(税込)

アルコール77(高知県・菊水酒造)

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アルコール77(高知県・菊水酒造)(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

高知県安芸市の菊水酒造は4月10日、高濃度のスピリッツ「アルコール77」の販売を開始。発売前から大きな話題を集めた。

菊水酒造
商品名:アルコール77
アルコール度数:77%
品目:スピリッツ
容量:500ml
希望小売価格:1,200円(税別)

どの酒造メーカーも、限られた製造本数で、必要な人へ届けることを目的としている。地元の医療機関、地元民を優先的に、数量限定で提供していることが多いので、ルールを守って入手しよう。

男の隠れ家デジタル編集部
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提供元・男の隠れ家デジタル

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