英語学習者なら、「ニュースを英語で読みたい!」という希望を誰もが持っているのではないでしょうか。

The Guardian、The Times、The New York Times、The Washington Postなど、いわゆる一般紙と言われる英字新聞には、難易度の高い語彙や表現も多く含まれているため、英語初心者にとってハードルが高いのは確かです。またこれに対し、イギリスの例ではThe SunやEvening Standardといったタブロイド紙と呼ばれる大衆紙がありますが、これらには外国人には聴き慣れない非常に砕けた表現や、時事の流行語などが頻繁に出てくるので、高級紙とは違った意味で難解です。

でも、諦めることはありません。いくつかのポイントを押さえれば、英語ニュースを読むのも決して夢ではないのです。「自分には英語ニュースはまだ早い」と思っている人も、これから紹介する5つのポイントを参考に、ぜひチャレンジしてみて下さい。

英語でニュースを読むための5つのポイント

English Hub
(画像=English Hubより引用)

1. 自分が一番興味のある分野から入る

何かを学ぼうとする際に、大きな原動力となるのは「興味」です。自分の興味が向いている内容であれば、少しハードルが高くても、チャレンジ精神も出てくるでしょう。

ニュース記事は通常、ジャンルごとに分類されているので、自分が一番興味を持っている分野の記事を選んでみましょう。アート好きな人なら、美術館の特別展のニュースなどから始めるのもよいでしょう。興味は、学習意欲をどんどん湧かせてくれます。

また、興味がある分野なら、すでにその話題に関する知識も豊富かもしれません。その際には、自分の持っている知識をフルに活用できるので、英語を完全には理解できない部分があっても、想像力で補いながら読み進めることができます。

興味がある話題を選ぶことは、学習が長続きする秘訣でもあります。そして、ニュース記事を探す・読む習慣がついてくれば、他の分野の記事にもチャレンジしやすくなります。

2. 背景知識のある話題を選ぶ

特に興味を持っている訳ではなくても、自分の置かれた環境や仕事などを通して背景知識があるトピックを選んで学習すると、内容に対する理解力がずっと高まります。最も良い例は、日本に関する話題でしょう。日本についての話題なら、すでにニュースを見聞きし、ある程度内容を理解していることが少なくありません。日本の話題に特化している英語ニュースサイトや日本の新聞の英語版などもあるので、日本語でニュースを読む習慣がある人には特におすすめです。

また、例えば経済や金融などのニュースは内容自体は硬いですが、株投資をしている人などであれば、日本語の株式用語にはすでに詳しいでしょう。そんな人はぜひ、株取引の話題を扱った英語記事にも挑戦してみてください。

いきなり金融専門紙を読むのが難しい場合は、英語学習者用のニュースサイトなどを使ってみましょう。自分の知識が豊富な話題であれば、多少難しい英語でも思った以上に内容が理解できることに驚くはずです。

3. 自分のレベルに合った英語で書かれているものを読む

前述した英語学習者を対象にしたニュースサイトの中には、初級や中級などの英語レベルに合わせて記事を選べるサイトもあります。1つの話題について、非常に易しい英語で書かれた記事から読み始め、徐々に英語レベルを上げていくということも可能です。

学習者を対象としたサイトの多くは、ニュース記事特有の表現や、記事で使われている英文法を学びながらニュースを読めるようデザインされています。そのため、必要な表現や単語を先に学んでから実際に記事を読むというステップでの学習が可能です。このステップを積み重ねていくことによって、英語を読む力は着実に鍛えられます。

4. 日本語訳付きのニュースサイトを選ぶ

難易度の高い記事に挑戦したいなら、日本語訳付きのニュースサイトや、日本語版と英語版の両方があるサイトの記事を読むのがおすすめです。日本語訳がついているサイトには、文法や語彙の説明を提供しているものもあり、学習に便利です。また、日本の新聞社が提供している英語版は、日本語ニュースの英語版なので、記事自体の難易度が高いものでも日本語版と比較して読むことが可能です。英語中級者なら、次の段階へ進む準備として、ネイティブレベルの表現に慣れることと、語彙の習得を兼ねて読んでみるのも良いでしょう。

この勉強法は、将来翻訳や通訳の仕事に携わることを目指している人には特におすすめです。通訳や翻訳は、ある言語を他の言語へ、適切に言葉を変換できる語彙力が必要です。つまり、例えば英日翻訳の場合には、英語で書かれた内容を全て理解できるだけでなく、それを正しい日本語に置き換える能力が要求されるのです。加えて、ニュース用語や時事用語などは、メディアで一般的に使用される訳として訳が固定されているものも多くあるため、2ヵ国語の時事用語を習得するには最適の学習法と言えます。

5. 同じ話題を扱ったものを複数の媒体で読む

1つの話題について書かれた記事を複数読む、という学習法もあります。まず1本記事を読み、内容を把握するのが難しい部分があるとします。その場合、他のニュースサイトで、同じトピックについて書かれた記事を探して読んでみます。同じ内容でも、書き手によって表現の仕方が違ったり、情報量が異なったりするので、複数の記事を読むことで情報を補うことができます。

ある記事では表現が難しくても、別の記事ではずっと易しい表現が使われているということも珍しくありません。なるべく日本語訳や辞書に頼らないで読解力をつけたいという人には、特におすすめの学習法です。

まとめ

いかがでしたか?自分の興味や英語レベルに合った学習法で挑めば、英語初心者でもニュース記事を読むことは可能です。初心者向けに書かれているニュースは、使われている語彙や表現自体はシンプルでも、内容は「時事ニュース」です。そこには、単なる語彙や表現だけでなく、記事を読むことでしか得られない多様な情報が含まれています。英語でニュースを読む醍醐味は、そこにこそあるのではないでしょうか。自分に合った学習法を見つけ、英語のニュース記事にぜひチャレンジしてください。

<この記事を書いた人>
Yukari

オーストリア、ウィーン在住。日本の大学ではフランス語を専攻、卒業後は英国の大学院で国際政治を学ぶ。これまでロンドン、ニューヨーク、トロント、モントリオール、パリ、シンガポールに在住。各英語圏における英語の違いに興味を持つ一方、イギリス英語に魅せられる。現在はリサーチャーとして主に欧州における英語・フランス語圏の政策調査に携わる傍、執筆活動も行う。

提供元・English Hub

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