マレーシアからの訪日外国人は近年増加傾向にあります。今後のインバウンド対策においても、マレーシア人を理解しておくことは重要です。
多民族国家であるマレーシアでは、宗教的観点から禁じられている食べ物や行動があります。
この記事では、マレーシア人の特徴や宗教、マレーシア人への有効な情報発信の方法について解説します。
目次
マレーシア人の特徴について
マレーシアではマレー語、英語、中国語、タミル語など複数の言語が使われており、複数の民族が共生する多民族国家です。
マレーシア人にはどのような特徴があるのか解説します。
マレーシアは多民族国家
マレーシアは多民族国家であり、マレー系、中華系、インド系などの民族と複数の先住民族から成り立っています。
人口が多いのはマレー系ですが、民族によって独自の言語、宗教、生活習慣などがあり、互いの民族を尊重しています。
国教はイスラム教
マレーシアの国教はイスラム教です。イスラム教の決まりは忠実に守られており、多くの女性が頭にスカーフを巻いていたり、ハラルと非ハラルのお店が区別されています。
一方、多民族国家であるマレーシアでは、イスラム教の祝日だけでなく、ヒンズー教の祝日、クリスマスといったキリスト教の祝日、中国の旧正月まで、様々な文化の祝日が存在することも特徴です。
マレーシア人の性格
マレーシアは熱帯地方にあるため、開放的で陽気な気質を持つ傾向があります。
また、マレーシアは民族によって性格に特徴があります。ここではマレー系、中華系、インド系を解説します。
ただし、もちろんすべての人が以下の性格に当てはまるわけではないため、あくまで傾向として認識しておきましょう。
マレー系
シャイで物静かな人が多く、初対面では無愛想に感じるかもしれません。細かいことはあまり気にせず、時間にもルーズなところがあります。
中華系
礼儀正しく勤勉な人が多いようです。マレーシアでは時間にルーズな人が多いといわれますが、中華系マレーシア人は時間を守る人が多い傾向にあります。
中華系マレーシア人は食べ物に対してのタブーがありません。そのためか、グルメな人が多く、外食好きで、話好きの人も多いようです。
インド系
マレーシアでの風習や風俗にあまり溶け込まず、音楽や食の好みもはっきりとしています。
表情や身ぶり手ぶりが比較的派手です。一般的には愛想が良いといわれることが多いようです。
理解しておくべきイスラム教のルール
宗教に対して寛容的なマレーシアであっても、イスラム教のルールは存在します。
イスラム教徒が気をつけている習慣や、現地を訪れた際にどんなことに気をつけるべきであるか紹介します。
宗教による習慣
イスラム教徒には、さまざまなルールがあり、それらのルールを忠実に守って生活しています。ルールの一例を紹介します。
- 酒、豚は口にしない。
- 左手は不浄なものとされているため、握手や物の受け渡しは右手を使う。
- 人差し指ではものを指さず、親指を使う。
- 子供でも頭を撫でることはしない。
- 女性にこちらから握手を求めない。
- 礼拝の時間に配慮し、日没後1時間後までは訪問や電話は控える。
訪日マレーシア人のよく訪れるシーズン、情報収集手段は?
近年のマレーシア経済発展などの影響を受け、訪日マレーシア人は増加傾向にあります。
訪日マレーシア人はどのシーズンに多く訪日するのでしょうか。また、マレーシア人が活用するSNSについても解説します。
訪日マレーシア人は増加傾向:冬季がピーク、春季も人気上昇中
マレーシアのインバウンド市場はというと、ここ数年は順調に増加傾向にあります。
2014年は24万9,521人だった訪日マレーシア人観光客数は、2018年には46万8,360人を記録しています。
マレーシア人の最も多く訪日する月は12月で、9月から12月の間に旅行者数が増加する傾向にあります。また3~4月の春季も人気が高まりつつあります。日本の春の魅力が、マレーシア人の中で広がっているのかもしれません。
マレーシア人のSNS事情:Facebookでの情報発信が有効
海外の統計サイト「Digital 2019」によると、マレーシア人によく使用されているSNSアプリは、WhatsAppであることが分かっています。日本ではあまり聞き馴染みがありませんが、WhatsAppはアメリカ製のアプリで、世界中で利用されているチャットアプリの一つです。
またFacebookも高い普及率を誇っています。
WhatsAppはメッセンジャーアプリとしての側面が強いため、Facebookを交流や情報収集ツールとして活用していると考えられます。そのため、Facebookでの情報発信は有効といえます。
マレーシア人の特徴を理解し、インバウンド対策へ
マレーシア人はイスラム教徒の人が多く、豚肉やアルコールの提供には注意が必要です。
一方で、イスラム教徒でも食べられるハラルフードの提供や、礼拝できるスペースを確保するといった工夫で、訪日マレーシア人の旅の満足度をあげることができるかもしれません。
また、マレーシアではFacebookの利用者が多いため、Facebookを活用した情報発信が有効です。マレーシア人の特徴や宗教観、SNS事情を正しく把握し、インバウンド対策に役立てましょう。
文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ
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