英文法には自信があるという人でも、冠詞の「a」と「the」の使い分けに絶対の自信がある、と言い切れる人は少ないのではないでしょうか?

今回は、アプリで受けられるオンライン講義「スタディサプリ」で「神授業」を展開する関正生先生の著書『核心のイメージがわかる!英文法キャラ図鑑』から、「キャラ化」された英文法像を通じて、定冠詞theと不定冠詞aの正しい使い方をインプットする方法を抜粋してお伝えします。

関先生の明快な解説で、「今までモノクロであった英文法の世界が、とても色鮮やかな世界に見えてくる」感覚をぜひ体験してください!

「核心のイメージ」で明確になるtheとaの使い分けとは?

日本人にとって、冠詞をマスターするのは難しく、英語教育の世界には「前置詞3年、冠詞8年」という言葉があるほどです。ここではまず、定冠詞のthe と、不定冠詞のaの核心のイメージを押さえ、さらに使い分けをマスターしていきましょう。学校ではよく「最初に出てきた単語にはaを付け、2回目からはtheを付ける」と習いますが、そのルールはいったん忘れて読み進めてください。

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「核心のイメージが分かる!英文法キャラ図鑑」(関正生著)より(画像=English Hubより引用)

1. 定冠詞 the

theの核心のイメージは「共通認識」。 あなたと私、そこに居合わせた人みんなで「共通に認識できる」 ものにtheを使います。つまり、「せ~の…」で皆が一斉に指をさせるものにthe を使うのです。

  • The sun rises in the east.
    太陽は東から昇る。

sun「太陽」は「共通認識」できるので、必ずtheが付きます。 太陽は、「せ~の…」で一斉に指をさせますね。

同様に、「月」や「地球」にもtheが付きます(the moon / the earth)。これらは「天体のthe」などと呼ばれていますが、「共通認識」という発想から考えれば、問題ないでしょう。

east「東」にもtheが付きます。「東ってどっち?」 と言う人はいても、「どの東?」と言う人はいませんよね。つまり、「方角」も必ず共通認識できるのでtheが付くのです(=「方角のthe)。

また、「最上級」にもtheが付きます。

  • Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
    富士山は日本でー番高い。

「一番~だ」と言われたら、みんなで一斉に指をさせますね。だからtheが付くのです。

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「核心のイメージが分かる!英文法キャラ図鑑」(関正生著)より(画像=English Hubより引用)

2. 不定冠詞 a

一方、aは共通認識できない、「たくさんある中の1つ」を表すときに使います。以下は『シンデレラ』に出てくるセリフで、 a pumpkin は 「どれでもいいから1つのかぼちゃ」を表しています。

  • Bring me a pumpkin.
    かぼちゃを1つ持っておいで。

さらにaは、①「ある1つ」、②「同じ」、③「~につき」の3つをチェックしておけば万全です。

①「ある1つ」

  • That is true in a sense.
    それはある意味では本当です。

「たくさんある中の1つ」→「ある1つ」となりました。 in a senseは、 「たくさんある意味の中の1つの意味で言うと」から「ある意味」 になります。

②「同じ」

  • Birds of a feather flock together.
    類は友を呼ぶ。
    ※ flock=群れを成す

「1つ」→「種類が1つ」→ 「同じ」 となりました。

birds of a feather は「同じ羽の鳥(同じ種類の鳥)」という意味で、直訳は「同じ種類の羽をもつ鳥は、群れを成す」となります。そこから「類は友を呼ぶ」ということわざになりました。

③「~につき」

  • I practice tennis twice a month.
    私は1か月に2回テニスを練習する。

「1つの」→「1つにつき」となりました。twice a monthで、 「1か月につき2回」を表します。

冠詞を使ってみよう

【定冠詞 the】

Open the door.
ドアを開けて。

※このセリフを言った、あるいは言われた人の間で、「ドアが共通認識できる」 状況下で使われます。部屋のドアの数は問いません。

【定冠詞 the】

Do you have the time?
今何時かわかりますか?

※theは「共通認識」なので、the timeは「その場にいるみんなで共通認識できる時間(共有している時間)」 → 「現時刻」を表します。 よって、Do you have the time? で、「現時刻を何らかの手段でもっていますか (もっていたら教えて)」→「今何時かわかりますか?」となるわけです。

【不定冠詞 a】

I go to a restaurant about once a week.
私は大体週に1回レストランに行く。

※aは「~につき」を表しています。Once a weekで「1週間に1回」という意味です。

「キャラーニング」ですっと頭に入る英文法のイメージ!

キャラ化した冠詞の世界はいかがでしたか?『核心のイメージがわかる!英文法キャラ図鑑』には、全部で22の英文法キャラたちが登場します。今回の記事で、英文法の本質がすっと頭に入る感覚が気に入ったら、ぜひ関先生による姉妹編の『核心のイメージがわかる!前置詞キャラ図鑑』や『核心のイメージがわかる!動詞キャラ図鑑』も手に取ってみてください。今日から文法書や単語帳の丸暗記はやめて、イメージで捉える英語学習を始めませんか?

書籍概要

English Hub
(画像=English Hubより引用)
タイトル 核心のイメージがわかる!英文法キャラ図鑑
著者 関正生
価格 本体1,200円(税別)
出版社 新星出版社

<この記事を書いた人>
English Hub 編集部

English Hub 編集部では、英語学習に取り組む社会人の皆様に向けて、英語の勉強に役立つおすすめの英会話サービスや教材、アプリ、学習ノウハウ、英会話スクールのキャンペーン情報、インタビュー記事などをご紹介しています。

提供元・English Hub

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