フィリピン・マニラは世界で「最もダイナミックな都市」を決めるグローバルインデックスで、初めて10位以内に入りました。

総合不動産サービス会社JLLのシティモメンタムインデックスで、「有利な人口構造パターン、堅調な国内経済と、スキルある人材のプールが、ダイナミックな不動産市場をささえている」ことを背景に、マニラは第8位と過去最高のランクとなりました。

マニラは、グローバルトップ10に入る東南アジアの都市3つのうちのひとつで、2019年は12位、2018年は18位でした。

「ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)セクターが、アニメーション、ゲーミング、およびヘルスケアといった、さらに価値の高い活動に移行するにつれ、オフィスの賃貸面積をけん引しています。」

JLLのシティモメンタムインデックス2020では、以下のような社会経済指標と商業不動産指標を合わせて、世界中の130の都市を対象に、不動産の観点から世界で最もダイナミックな都市を格付けしています。
 

社会経済モメンタム 商業不動産モメンタム
・「エンジンルーム」*人口
・経済生産高
・リテール売上高
・飛行機での乗り継ぎの利便性
・法人本社機能
・外国直接投資(FDI)
・賃貸面積、賃料、供給
(オフィス、リテール、ホテル)
・投資取引
・透明性

*20歳から40歳までの年齢層に属する人口 (出所:JLL

結果から、世界経済が同時に減速しつつある中でも、いくつかの都市は素晴らしいダイナミズムを見せていることが分かります。その多くがアジアにあります。

シティモメンタムインデックスのトップ10のうち、ハイデラバード、ベンガルール(旧称バンガロール)、デリー、チェンナイと、インドの都市が4都市ランクイン。ベトナムのホーチミンシティとハノイはトップ10以内をキープしつつ、去年と順位を入れ替えたような状態になっています。
 

順位 都市名 国名 2019年の順位
1 ハイデラバード インド 2
2 ベンガルール インド 1
3 ホーチミンシティ ベトナム 8
4 ナイロビ ケニア 6
5 チェンナイ インド 7
6 デリー インド 4
7 ハノイ ベトナム 3
8 マニラ フィリピン 12
9 シリコンバレー アメリカ
10 深圳 中国 19

同リサーチでは、「急成長中の都市が人、ビジネス、投資を引き付ける一方で、環境の悪化、渋滞、過密、社会的不平等、安全、値ごろ感などに関連した課題に直面している」と述べています。

たとえば、気候変動により、熱波、洪水、干ばつなどの異常気象が頻繁に起こったり、その度合いが著しくなったりしています。急成長中の都市はこういった異常気象への対応の準備が甘いことがあります。軟弱な都市計画と検査が行き届いていない不動産建設が加わり、異常気象に弱い都市を作り上げています。

急速な都市化と堅調な経済成長もまた、既存のインフラに大きな圧力をかけるとJLLのリサーチでは述べられています。多くの都市が、より高度な公共交通機関やユーティリティの高まる需要に追い付けず、世界で最も渋滞のひどい都市となってしまっているのです。

メトロマニラは、フィリピン政府の8兆フィリピンペソ(約17兆円)にも上る「ビルド・ビルド・ビルド」プログラムを通じて、慢性的な渋滞とバランスの悪い開発を緩和するために大規模なインフラの底上げを行っています。

「各都市は、いまだかつてないペースとスケールについていかざるを得ない一方で、低炭素社会に向けた取り組みや、気候変動、急速な経済の過渡期、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)への期待への対応といった大きなプレッシャーを受けています。これらのプレッシャーの多くが、新興経済圏にある最もシティモメンタムインデックスが高い都市に多く見られます。というのも、急速な人口、社会、経済的な変化を吸収するという課題が急を要するからです。」

これらの情報は、各都市が気候変動、経済ショック、地政学的な混乱に対して、より回復力を持たねばならないことを示唆しています。

同レポートではさらに、「不動産業界は、このような都市化における課題に対して、サスティナブルで、拡張機能のある、スマートな開発の促進、再生力のある建設工程の採用、「ちょうどよい過密度」の維持、透明性の向上、超小型モビリティの推奨、そして、繁栄する包括的で安全かつ手ごろな値段のコミュニティーの創造により、解決に向けた大きな役割を果たすことが必要です。」と述べています。

以上

提供元・YANUSY

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