進化する教育関連ビジネスについて

2020.2.23
BUSINESS
(画像=Getty Images、The Motley Fool Japanより引用)
(画像=Getty Images、The Motley Fool Japanより引用)
米国の教育システムにおいては、様々な問題が指摘されていますが、それでも、高等教育は世界のトップレベルで、世界中から多くの学生が集まってきており、世界有数の研究者を多く輩出しています。

米国では、200兆円の産業と言われています。そしてこれは成長し続けています。

もっとも、200兆円と言っても、多くは人件費ですし、また、その大半は政府(連邦・州政府)や学校法人や非営利団体のような形で運営されているものが多いです。

民間企業は、隙間を埋めるような形でビジネスをしていますが、そこには、大きなビジネスチャンスが広がっているようです。

「教育」という大きなくくりで見ると、3つの分野があります。

幼稚園から小学生までのK-12と言われている分野の生徒のレベルを上げるものや、試験準備、大学入試対策。次が大学生の卒業のためのサポート(学習を助ける)、そして従業員教育。

教育の幅も大きく広がっています。

日本は、米国のK-12のビジネスが中心。従業員教育もあります。

大学生のサポートのビジネスはほとんどありません。

卒業が簡単だからかもしれません。米国は卒業が難しいですが、就職までのサポートの要求も強いようなので、学生のサポートもあるようです。

社会の教育に対する需要の増加と、教育レベルの向上への要求水準の高度化によって教育ビジネスは今後も成長性を期待できそうです。

そうした要求を満たす一つの手段として、IT化も含め方法も進化してきています。

それが、今注目されているEduTech(エデュテック)です。

こうした教育産業の中で、注目している米国の企業1社と、米国で取引可能な中国の教育産業のトップ企業を紹介してみたいと思います。

Chegg(NYSE:CHGG)は2000年に創立した米国のEduTech企業です。

もともとは、ネットで教科書の販売と教科書レンタルのビジネスをしていた会社です。

同社のメインターゲットは、高校生と大学生です。

高校生16百万人、大学生20百万人がCheggの対象市場になります。

その中で、現時点で、Cheggのサービスを受けているのは、3.1百万人です。

それでもシェアとしてはトップと言われています。

即ち、未開拓の市場が非常に大きいということでもあります。

教科書関連のビジネス(販売・レンタル)はしていますが、このビジネスのウェイトは下がってきているうえに、そのほとんどがeTextbookの形態になってきています。

Cheggの業績は急速に伸びていますが、その原動力になっているのは、Chegg Servicesと呼ばれるもので、Chegg Study、Chegg Writing、Chegg Tutors、Chegg Math Solverなどがあります。

Chegg Studyは、大学生の学習を助けるものです。

Chegg WritingとChegg Math Solverは、高校生が大学レベルの文章力と数学力に対応していくためのレベルに達するのを助けるものです。

Chegg Tutorsは、家庭教師のマッチングサービスです。

Chegg ServicesがCheggの業績急成長の原動力ですが、このサービスは、サブスクリプションベースで行われています。

利用者(サブスクライバー)は3.1百万人で、+38%の増加です。

Chegg Servicesの売上の伸び率は、FY2012~FY19の7年の平均年率増加率(CAGR)は+45%。

そして、インターネットベースでもあるので、売上の伸びに対してコストの伸びは限定的。したがって収益が伸びやすいです。

前述のように、大学卒業生に対する企業からのレベルアップ要請、そして、大学からの入学生に対する最低レベルの要求など、高校生、大学生に対する要求が強くなっています。

環境的にも追い風が吹いているうえに、技術面での急速な進化により効率的な学生サポートが可能になることなどから、今後も成長が見込まれそうです。

過去3年のEPS成長率は96%、そして足元の四半期の成長率は+157%と急加速しています。

ROE17.2%、利益率21.9%となかなか魅力的なビジネスです。

急成長銘柄であるので、PERも51倍とかなり高めです。

また、海外展開も視野に入ってきているようです。

大学生がビジネスの中心ターゲットである点で、日本にない形ではありますが、教育の重要性が叫ばれているのは日米一緒です。注目してよい会社だと思います。

もう1つ取り上げたいのが、New Oriental Education & Technology(NYSE:EDU)です。

米国預託株式なので、米国市場で購入できます。

このNew Oriental は株価が27倍にまで株価を上げた驚異的な成長株として注目されています。

2006年のIPOの初日に株式分割調整後で$5.15まで下落し、引け値ベースでの最高値140.75(1/16/2020)まで上昇しています。

中国が教育熱心な国柄であることは広く知られた事実です。

その中で、最大の教育ビジネスプレーヤーです。

カバーしている範囲は極めて広く、幼稚園から高校生、大学生、そして職業訓練まで、ほぼ全ての分野をカバーしています。

幼稚園から小学生レベルまでは、英語・算数・音楽・美術などを教える、中学生から高校生レベルには、補習塾や大学入試予備校を提供しています。

海外留学のサポートや、大学以上には海外のテスト(GRE・GMAT・TOEFLなど)対策、英語教育、第二外国語(日本語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語など)、企業研修、職業訓練にも対応しています。

海外で学ぶ中国の学生は引き続き増加しており、年率10%近く増えています。

中国における英語教育のマーケットサイズは2009年-2014年の間、年率25%で伸びており、2014年末時点でも$13.6bil市場です。

今や$20bil(2.2兆円)くらいのマーケットになっていると予想されます。

そうした環境の中で、1,304の学習センター、97の学校のネットワーク、36,400人の教師を中国全土に広げています。中国教育業界のリーディングカンパニーです。

国を挙げて教育に注力しており、ひとりあたりGDPの成長余地がまだまだ大きい中国に、中流階級がもっと増えていくと、教育への投資が増えるものと想像されます。

これは日本がたどってきた道でもあるので、想像しやすいかと思います。

過去3年のEPS成長率は+22%。直近の四半期のEPS成長率は+157%。ROEが18.9%、利益率も15.9%とまずまずです。

上で紹介したCheggに比べると、人の介在する割合がずっと高いです。

また学習センターのようなものが中心でもあるので、その分、PERも少し低く約40倍くらいです。

教育産業にも面白い株が沢山あります。Chegg(CHGG)とNew Oriental(EDU)、注目してみてください。

文・松本義和/提供元・The Motley Fool Japan

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