【後編】「TikTok」が世界制覇する日

2020.2.14
BUSINESS
(画像=Getty Images、The Motley Fool Japanより引用)
(画像=Getty Images、The Motley Fool Japanより引用)
日本でTikTokといえば、中高生の世代で流行しているイメージが強いですが、これはバイトダンス社による意図的な戦略によるところが大きいです。

特に新しいSNSを流行させる場合、より若い世代の方がSNSを使用する確率が高いことと、テキストよりも動画に親しんでいるのは若い世代であり、中高生をメインにマーケティングした結果が、日本におけるTikTokと若い世代を結びつけるイメージへと繋がっています。

若い世代への人気を継続したまま上の世代まで幅広く取り込むことをリフトアップと呼びますが、TikTokは中国国内の競争を勝ち抜いたように、日本市場でもリフトアップできるのか注目が集まっています。

日本には「SHOWROOM」や「17LIVE」などのライブ配信サービスが既に人気ですが、TikTokの中国バージョンである「Douyin」にはライブ配信機能が備わっており、今後は日本版TikTokでも導入されることは間違いありません。

なぜなら中国では、ライブ配信機能とショートムービー機能の両方がひとつになったビジネスモデルがスタンダードだからです。

例えば、ライブ配信のインフルエンサーは企業とタイアップしてショートムービーを制作したり、ショートムービーのインフルエンサーはライブ配信で沢山の投げ銭を得ることが出来ます。

それぞれの機能が行き交うことで、より多くのビジネスチャンスが生まれているのです。

数年後、日本の動画市場が熾烈な競争の末に激変している可能性が極めて高く、豊富な資金力と技術力を持つバイトダンス社といかに差別化できるかもポイントとなるでしょう。

TikTokを使ったマーケティング戦略

TikTokは日本の音楽市場を重要な位置付けとしています。

なぜなら日本は音楽の市場規模は米国に次いで2位、ゲーム市場においてはアメリカ・中国に次いで3位に位置しています。

また日本で成功を収めれば韓国、東南アジアでも人気に火がつく可能性が極めて高く、アジア市場を制覇するためにも日本は欠かせない地域なのです。

実際、TikTokは日本企業と様々なPR戦略を実行しています。

例えば音楽イベント「ULTRA JAPAN」ともTikTokはコラボして大きな話題となりました。

イベントの前からフェスに出演するダンサーを積極的にTikTokで起用し、イベント中もTikTokの専用ブースを作り、お客さんがTikTokに投稿する流れを創り出しました。

オンラインとオフラインの世界が絶妙に混じり合い、音楽系イベントと音楽系アプリの相乗効果を存分に発揮した好事例といえるのではないでしょうか。

その他にも「AbemaTV」はプロモーションにTikTokを使用しています。

AbemaTVの主要ユーザーは10代~30代ですが、特に10代の視聴が多い反面、いかに継続して視聴してもらうかが大きな課題でした。

AbemaTVとTikTokのユーザー層は重なっており、ドラマの注目度を上げるためにTikTokを戦略的に使った展開をしたのです。

まずドラマのPRの際、AbemaTVは様々なSNSを使って宣伝をしました。

その後にTiKTok内で盛り上がるような設計にしたそうです。

最初の起点がTikTokでないことがポイントで、話題になってからTikTokでバズらせる面白い戦略です。

来年のさらなる視聴数の伸びにも注目です。

TikTokと他のSNSの違い

まずYoutubeとの違いですが、TikTokがレコメンド型であるのに対して、Youtubeは検索が中心です。

動画の平均的な長さも、TikTokが1分、Youtubeが5分と大きな違いがあります。

長い試聴が可能なYoutubeはエンタメ系コンテンツを得意としており、その他の動画に課題を残しています。

また動画と動画の間にCMが入るため、スムーズな連続視聴とはいえません。

そして最大の違いがスマホを意識したTikTokは「縦型」設計の動画なのに対して、Youtubeはスマホ全盛の前から存在するためPCを意識した「横型」設計の動画を採用しています。

つまり、スマホ1台で動画撮影から編集、視聴まで全てを可能とした面白さこそTikTokの強みなのです。

続いてインスタグラム(以下インスタ)との違いですが、インスタは「映え」の文化であり「バズる」SNSではありません。

それに対してTikTokでは映える以外にも「面白い」などが重要視されるため、評価軸が沢山あり、より広いニーズに対応していることも特徴といえます。

またTwitterは拡散能力は他のSNSを凌駕しますが、言葉の壁があり、グローバルに展開する場合に課題があります。

TikTokの中国版「Douyin」には、Twitterのフィード機能のような役割を持つ「モーメント」が備わっており、やがてTikTokにも反映されるはずです。

このようにTikTokは他のSNSの優れた長所を取り入れ、「最強のSNS」となることを虎視眈々と狙っているのです。

後編・まとめ インフルエンサー・マーケテングの時代がやってくる

ここ最近、日本のテレビタレントがYoutubeへと主戦場を移し始めています。

これはテレビメディアが主役だった時代の終わりの始まりであり、5G時代に突入すれば、その流れはさらに加速するはずです。

それと同時にインフルエンサーの需要がさらに高まり、中国のように日本でもインフルエンサー・マーケティングが浸透すると言われています。

現在、日本のインフルエンサーを起用したSNSマーケティングの市場規模は2018年で219億円程度でしたが、将来的には1000億円規模になると予想されています。

どこにいても動画をストレスなくシェアできる時代に突入したとき、様々なSNSが動画機能を備えていき、「TikTok化」していくことが予想されます。

日本でTikTokがどのように盛り上がり社会現象となるのか、とても楽しみであると同時に、どのように世界展開するのかも注目です。

例えば米国の場合、Tiktokを通じて中国政府が個人情報を入手することも可能であるため、国家安全保障上の問題を危惧しています。

その他にも欧米諸国の多くが米国と同じように個人情報の在り方を危惧しており、各国でどのように受け入れられていくのか、そのヒントが「カテゴライゼーション」という世代別に分けたマーケティングではないでしょうか。

なぜなら情報がフラット化した現代社会において、国を超えて世代別で同じ対象に興味を持ちシェアする時代に突入しているのです。

SNSの発展は価値観のフラット化を促し、特にZ世代から熱狂的な人気を誇るショートムービーアプリTikTokの勢いは圧倒的です。

近い将来、国や地域の特徴を熟知して、上の世代を取り込むリフトアップ戦略が成功したとき、TiktokがSNSの覇権を握る可能性が極めて高いはずです。

文・アートノミクス/提供元・The Motley Fool Japan

【関連記事】
仕事のストレス解消方法ランキング1位は?2位は美食、3位は旅行……
就職ランキングで人気の「三菱UFJ銀行」の平均年収はいくら?
職場で他人を一番イラつかせる行動トップ3
2019年に始まる「5G」とは何か?
【初心者向け】ネット証券おすすめランキング(PR)
PREV アップルの売上10兆円へ!利益・株価も過去最高!ケタ外れな成長の理由はiPhone?
NEXT 大阪出身の元CAが明かす「大阪人との接し方」、オチより大事な2つのこと

READ MORE...