アマゾンに反撃する既存小売業

2020.1.12
BUSINESS
(画像=Getty Images)
(画像=Getty Images)
アマゾン(NASDAQ:AMZN)無しには生活できない、という人がいるなど、アマゾンの我々の生活への浸透は凄まじいものがあります。

何か物を買う時に、取り敢えずアマゾンのサイトを覗きます。

他のネット通販のサイトに比べて圧倒的に見やすく、買いやすい。おまけに配送が早い。

Business Killed by Amazon(アマゾンによって殺されたビジネス)という言葉があるように、廃業に追い込まれたビジネスも多数あるようです。

そんなアマゾンなので、小売業の中での地位高く、破竹の勢いかと思いますよね。

巨人ウォルマートに次ぐ2位です。でも売上高はウォルマートの1/3以下。まだまだですね。
 
The Motley Fool Japan
(1$bil=約1090億円)(画像=The Motley Fool Japan)
アマゾンは、ネット通販市場では約40%のシェアを占めるダントツのトップですが、米国小売全体に占める割合は4%程度と言われています。

今年の株価の動きを見ると、意外や意外。既存小売業のパフォーマンスがアマゾンを圧倒しています。

FANG相場の反動もあるかと思いますが、これは意外でした。

アマゾンはNASDAQにも劣後していますし、下に上げた主要小売業銘柄にも劣後しています。
 
The Motley Fool Japan
(11月8日現在)(画像=The Motley Fool Japan)
何が起きているのでしょうか。

旧来型の小売業におけるネット通販事業が予想以上に伸びていることが、この株価に現れているのです。

従来型の小売業がネット通販を取り入れ、従来のリアル店舗型ビジネスとネット通販ビジネスをブレンドした新しい形のハイブリッド型のビジネスモデルを作り、アマゾンに反撃を開始したような展開になっています。

特に食品・雑貨部門において顕著です。

小売りの巨人であるウォルマートが特にその力をネット通販でも見せています。

第2四半期の業績では、既存店売上は2.8%の伸びでしたが、ネット通販ビジネスはなんと+37%の伸びで市場を驚かせました。

しかも、対前年同期比+37%を2四半期連続で達成しています。

では、こうした従来型のリアル店舗を多数持つハイブリッド型のビジネスモデルの強みはどこにあるのでしょうか?

実は、それまではネット通販に比較すると、多くのリアル店舗を持つことは、大きなコストとして、足枷となっていました。

しかし、ハイブリッド型では、それをうまく利用することで、レバレッジできていることが、ネット通販ビジネスの成長の糧となっています。

足枷と言われたリアル店舗の存在がなぜ、逆にハイブリッド型になったことで、大きなプラスになったのでしょう。

ネット通販の購入者への配達を、最寄りのリアル店舗から行うことで、翌日配達が可能になっています。

即ち、アマゾンにおける配送センターの役割をリアル店舗が担っているということです。

アマゾンのような大型配送センターがポツポツとあるのではなく、小型の配送センターが無数にあるような状況です。

ウォルマートは、年間$98.5もしくは月額$12.5の会費を払えば、食料・雑貨の無制限配達サービスを6月から試験的に開始しています。

アマゾンもこれへの対抗策を打ち出してはいるものの、リアル店舗1600店で実施予定のウォルマートに対抗するのは難しい。

もう一つの強みとして、消費者がネットで買い物をして、リアル店舗でピックアップするもの。

ピックアップのできる店舗が2100店舗あります。仕事の空き時間にネットで購入し、会社帰りに車で店によってピックアップしていくということができる。

アマゾンはホールフーズで同じことをしていますが、高級自然食品スーパーのため、店舗数としては500程度に過ぎません。

ターゲットの場合、店舗でのピックアップが出来るのは1851店舗。これも凄いですね。

ネット通販の最大の問題は、配送コスト。

もともと利幅の薄いビジネスであり、配送コストを販売者側が負担すると利益が圧迫され、購入者負担だとリアル店舗より価格がアップしてしまう。

その点、店舗でのピックアップが、消費者・販売者双方にとって理想的な形に見えます。

コスコは、オンラインで販売する品物を限定して、配送の効率化を図っています。

アマゾンのネット通販ビジネスは、利益率も低く、アマゾンの成長はAWS(Amazon Web Service)のクラウドビジネスの成長が支えている状態です。

そうした中で、従来型小売業が展開しているハイブリッド型への展開、特に食品・雑貨部門では、アマゾンは遅れを取っています。

この分野ではウォルマートがリードしています。

もし、アマゾンがこの分野でもトップを狙うのであれば、ホールフーズの統合を更に進め、更に、店舗を増やしていく展開というのも同時に行っていくのでしょうか?

まだまだ、いろいろな展開が考えられそうです。

アマゾンはSWA(Shipping With Amazon)というサービスで、アマゾンの配送網を外部にも提供することで、配送コストを低減させることも進めています。

アマゾンの自社で全てインフラを整えてきたビジネスモデルは、ネット通販他社を寄せ付けないものですが、リアル店舗を大量に持つ従来型の小売業との競争では、必ずしも有利には働いていません。

アマゾンはきっとまた新たな方法で我々を驚かせてくれるのではないかと期待もしています。今後の動向が楽しみです。

文・松本義和/提供元・The Motley Fool Japan

【関連記事】
仕事のストレス解消方法ランキング1位は?2位は美食、3位は旅行……
就職ランキングで人気の「三菱UFJ銀行」の平均年収はいくら?
職場で他人を一番イラつかせる行動トップ3
2019年に始まる「5G」とは何か?
【初心者向け】ネット証券おすすめランキング(PR)
PREV 「いきなり!ステーキ」が突然の大量閉店 営業利益98.2%減の衝撃
NEXT 三越伊勢丹HDが特別損失67億円! バブル入社組は消えゆく運命?

READ MORE...