部下の会議の出席回数を減らそう!

リーダーになると出席する会議がかなり増える。会議のはしごで、1日の大半が会議で終わってしまうなんて人もいるだろう。会議の中には有用なものもあるが、メールや社内SNSなどで済ませられるような定例の報告会議もある。出ているメンバーがほぼ同じで、毎週やっている定例会議などは、やめられるならやめてしまったほうが良いかもしれないが……。

※本稿は、吉田幸弘著『リーダーの「やってはいけない」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

部下は「一応出て」と言われたら出ざるを得ない

私も、リーダーだったときには、出席しているすべての会議を洗い出して、この会議は毎週出ていたけど今度から隔週にしよう、などと頻度を減らしたりしていました。あるいは、会議の時間を短縮するための工夫をしていました。

リーダー個人のことだけを考えれば、これだけでも十分でしょう。

しかし、部下の場合はそうもいきません。

かつて、ある会社の研修に行ったときのことです。その会社の営業マンがどのようなスケジューリングかをヒアリングしたところ、会議に参加している時間が多く、営業に費やす時間が少ないことがわかりました。

しかも、その営業マンは、本来出る必要がないと思われるような会議や打ち合わせにも多数の時間を使っていたのです。

たとえば、営業部の会議にマーケティング担当が参加する、あるいは営業部の若手メンバーが生産部門のことを学ぶために生産管理部の会議に出る、といったことならまだいいでしょう。

問題は、「一応、○○さんも参加しておいて」と言われて、実際に出てみたら発言する機会さえない会議や、取引先が1名で来社しているのにもかかわらず、こちらは一応出ておいてくれないかと集められた4、5人のメンバーで対応したりする打ち合わせです。

部下にとって適正な会議かを判断すべき

だからこそ、部下が育つリーダーは、部下がどんな会議に参加しているか、あるいはこの会議だったらA君が出るのがいいだろう、別の会議だったらB君が出るのがいいだろうというところまで考えています。

部下が最大限のパフォーマンスを発揮できる場を把握しているのです。

会議の内容であったり、目的であったり、あるいは他の参加者を見たりして、これなら部下に合っているかどうか、部下に足りない知識を吸収してもらえるチャンスかどうかなど、幅広い見地で検討してから参加させるようにしています。

逆に言えば、そう思えない会議には決して参加させません。

そもそもの話ですが、現在5人のメンバーが参加している2時間の会議に、今後は2人のメンバーしか参加しないとします。

仮に1時間×1人当たりの人件費を3,000円とすると、この決断だけで3,000円×2時間×3人=18,000円が浮くことになります。

それだけではありません。その3人はこの時間を、他の業務に費やしたりできるので、実際にはここでの計算以上の効果があるはずです。

この話は、会議や打ち合わせだけに限りません。実は社外研修などもそうで、部下に何となく参加させているというリーダーは少なくありません。

しかし、部下が育つチームのリーダーは、部下に適正なものかどうかをしっかり判断したり、あるいは部下が参加する理由をはっきりさせてから、研修に行かせています。

時間は大切な資源です。特に会議などは、有用なものもあればそうでないものもあります。そして、その優先順位は部下ごとに違います。

その点まで意識して、部下を会議に参加させるようにしていきましょう。

*リーダーの「やってはいけない」
吉田幸弘 発売日: 2019年03月19日
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THE21オンライン
(画像=THE21オンライン)

吉田幸弘(よしだ・ゆきひろ)
リフレッシュコミュニケーションズ代表
1970年、東京都生まれ。大手旅行代理店を経て、学校法人、外資系専門商社、広告代理店で管理職を経験。「怒ってばかりのコミュニケーション」で降格を経験したことからコミュニケーションを学び、2011年に独立。現在はコーチングの手法を駆使し、経営者や中間管理職向けにコンサルティング活動を行なう。(『THE21オンライン』2019年10月25日 公開)

提供元・THE21オンライン

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