帰宅後や休日に送られてくる、会社からの仕事メールについてどう思いますか?ネットやモバイル、スマートフォンの普及に伴い、一昔前に比べると会社との業務時間外のやり取りが頻繁に発生しています。皆さんは、業務時間外の仕事メールについて、どのようにお考えでしょうか?

※本記事は、2016年11月8日に配信された記事を編集し再投稿しています。

業務時間外の仕事メールを禁止している国がある

2013年にドイツで最も人口の多い、ノルトライン=ヴェストファーレン州では「反ストレス法」の制定を呼びかけています。この「反ストレス法」とは、業務時間外の仕事関連のメールや電話での連絡は禁止するというものです。

ドイツはお国柄、勤務中は仕事をきっちりこなし、仕事が終わるとプライベートの時間を有意義に過ごすという文化があります。また、年間30日前後ある有給休暇においても約90%消化、1日の労働時間が10時間を超えてはいけないなど、労働に対する意識の高さは明確です。

2016年にはフランスでも同様の法律が検討されています。従業員50人以上の企業は、業務時間外に仕事関連のメールをしないことを義務付けようとしています。これはメール等の業務に伴う働き過ぎの悪影響を減らすためのもので、業務時間外のメールは従業員の私生活にも影響を及ぼし兼ねないことが理由とされています。

実は日本でも禁止しているようです

日本の労働基準法でも、業務時間外の業務連絡に該当するであろう法律があります。
それは、労働基準法第35条に記されている、会社側は従業員に対して少なくとも週に1日の休日を与える。また、労働基準法第37条では、PM10:00~AM5:00の間に労働をさせた場合、その時間は通常の労働時間の賃金より0.25倍以上の割増賃金を支払わなければならないと記されています。

上記の通り、日本でも業務時間外の労働に関しての法律が制定されていますが、残念ながらネット上には、「休日に仕事のメールをしなければならない」等の声が数多く見られます。「メール」を「業務」と意識している会社が少ないように思います。

業務時間外の仕事メールは「心」と「体」に影響を及ぼす可能性も

業務時間外のメールのやり取りにストレスを感じる人もそう少なくないのでは…日本で多い「過労死」や「過労自殺」。このような過労で亡くなっている人の大半が、業務時間外の業務連絡電話やメールを受けているとのこと。

休日でも仕事に縛られ常に緊張状態だったり、ストレスを感じたり、多くの人は業務時間外の仕事メールで会社からの「束縛」を感じています。

ドイツの研究チームによると、自宅で仕事のメールを確認したり、休みの日に上司から業務連絡を受けたりすることは、精神的にも肉体的にも健康を害することが分かりました。57,000人を対象にヨーロッパで実施した調査によると、勤務時間外や休日に働く人は、不眠・頭痛・疲労・不安神経症・胃の疾患に見舞われやすいことが判明しています。

引用元:自宅で仕事のEメールを確認すると、精神疾患、頭痛を引き起こす可能性(ドイツ研究) : カラパイア

このように、業務時間外のメール対応に対する慢性的なストレスを感じることで、「心」だけでなく、「体」の健康も奪うことになる危険性もあるのです。

業務時間外に仕事メールが送られて来た時の対処法

世界的にも、業務時間外の仕事メールは「心」や「体」を害することが分かりましたが、そうはいっても会社はそんなのお構いなしに仕事メールを送ってくる場合もあります…「心」や「体」を健康に保つために、簡単にできる対処法を考えてみました!その対処法のポイントを書いてみたので併せてご覧ください!
 

Fledge
(画像=Fledge)

1:メールの最後に一言添えてみる

まずは、返信メールをする時の対処法。ただ返信をするのではなく、最後に一言自分の想いをぶつけてみましょう。
 

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2:普段から積極的に自分の話をしてみる

相手に自分のことを知ってもらいましょう!趣味の話や、自分が業務以外の時間に何をしているのか等、積極的に話してみましょう。
 

Fledge
(画像=Fledge)

3:デジタルデトックスデーを作ってみる

メールを見る見ないに限らず、PCやスマホ、タブレット等の電子機器を持ち歩かない日を作ってみましょう。
 

Fledge
(画像=Fledge)

相手との良好な人間関係を築くためにも、ただひたすらに否定や不満をぶつけたり嫌なことから逃げたりするのではなく、相手の立場や状況を考えて臨機応変に対応していくことが大切です。

便利だからこそ、考えるべきことがある

緊急の対応をしなければならない時や、大事な連絡をしなければならない時等、業務時間外でもやむを得ずメールをしなければならないこともあります。メールを気にするも気にしないも個人の自由です。

しかし、メールは手軽さ故に、相手の時間を考えず送ることができてしまうのもまた事実です。最近では、LINEやSkype等の普及に伴い、更に手軽に業務連絡することができます。世の中が便利になる一方で、起こり得る弊害も多くあることを、誰しもが考えなければなりません。

便利さに甘えるだけではなく、企業も個人も、その便利さ故の弊害があることを肝に銘じることが重要なのかもしれません。企業は従業員のストレスを考えて、業務時間外の連絡を自粛したり、個人はストレスを感じないように、上記のような自分なりの対処法を見出したり…お互いにどのような状況でストレスを感じるのか、考え実行していくことこそ、問題の解決の糸口になるのではないでしょうか。

文・YUKA SUZUKI/提供元・Fledge

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