サムスン電子が日本時間1月15日にオンラインの新製品発表会「Galaxy Unpacked」を開催。5Gスマートフォンのフラグシップモデル「Galaxy S21シリーズ」と完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Pro」を発表した。例年は2月にスペイン・バルセロナで開催されるMobile World Congressで披露されてきたフラグシップモデルGalaxy Sシリーズの新製品だが、今年はひと足早く発表された形だ。

フラグシップスマホ「Galaxy S21」シリーズの新製品3機種(写真=BCN+Rより引用)
完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Pro」(写真=BCN+Rより引用)
1月15日に開催されたオンライン発表会「Galaxy UNPACKED 2021」(写真=BCN+Rより引用)

Galaxy 21シリーズは3モデルを発表

 Galaxy S21シリーズのラインナップは最上位の「Galaxy S21 Ultra 5G」のほか、「Galaxy S21+ 5G」「Galaxy S21 5G」の3機種。いずれも最新の5nmプロセスルールにより製造されるモバイル向けSoCとAndroid OSを搭載する。グローバルモデルの発売はS21+とS21が1月29日からスタートする。価格はS21+が999ドル(約10万4,000円)、S21が799ドル(約8万3000円)を見込む。S21 Ultraも発売日は1月29日。価格は1199ドル(約12万4000円)を予定する。

Galaxy S21 5G(写真=BCN+Rより引用)
Galaxy S21+ 5G(写真=BCN+Rより引用)
Galaxy S21 Ultra 5G(写真=BCN+Rより引用)

 S21にはバイオレット/ピンク/グレイ/ホワイト/ブラック/シルバーの6色が揃う。S21+はバイオレット/シルバー/ブラックの3色、Ultraはブラックとシルバーの2色展開だ。3機種ともにコンテンツに応じて最大120Hzまで画面のリフレッシュレートをダイナミックに切り換える「Dynamic AMOLED 2X」有機ELディスプレイを搭載した。画面のサイズと解像度はUltraが約6.8インチ/WQHD+、S21+は6.7インチ/FHD+、S21は6.2インチ/FHD+。

最上位のUltraはSシリーズ初のSペン対応

 Ultraは本体の側面に収納できる専用スタイラスペン「S Pen」にGalaxy Sシリーズとして初めて対応した。Wi-Fi 6Eの高速無線通信機能もサポートする。

UltraはSシリーズで初めてスタイラスペンの「S Pen」による入力に対応した(写真=BCN+Rより引用)
S Penを装着できる純正ケースも発売される(写真=BCN+Rより引用)
S Penに続き、上位モデルのS Pen Proも発売を予定する(写真=BCN+Rより引用)

 カメラの性能は2020年のGalaxy Sシリーズからさらに飛躍を遂げた。フラグシップのUltraは超広角/広角のほか、ズーム倍率の異なる二つの望遠カメラを載せたクアッドレンズカメラを採用。レーザーAFセンサーも搭載したことで、静止画・動画撮影時にフォーカス合わせの精度・スピードがほかの機種に比べて高い。Ultraはメインカメラの広角レンズに108MP(約10億画素)のイメージセンサーを組み合わせた。解像度の高い写真を広い画角で撮ってから、後で残したい箇所を切り取って保存する楽しみ方ができる。

上位のUltraはクアッドレンズカメラにレーザーAFセンサーを搭載(写真=BCN+Rより引用)

 ディスプレイの上部にピンホール形状の切り欠きを設けてフロントカメラを配置する。S21+とS21は10MP、Ultraは40MPという高画質なイメージセンサーを載せた。

 メインカメラによるビデオは8K撮影のほか、すべてのレンズで4K/60fps撮影をサポートする。AI画像処理による自然なポートレート写真、明るく色鮮やかなナイトモード撮影も可能だ。Ultraは2つの望遠レンズによる光学/デジタルズームとOIS(光学式手ブレ補正)を組み合わせて高精細な100倍望遠ズーム撮影ができる。

動画は8K撮影に対応(写真=BCN+Rより引用)

 ディスプレイの駆動、AI処理にかかるバッテリー消費の負担を見直したことで、S21+とS21はそれぞれの前機種と同じ容量のバッテリーを積みながらより長い時間連続駆動ができる。UltraにはGalaxyシリーズとして初めて大容量5000mAhのバッテリーが搭載された。

 ほかにもS21シリーズの3機種はUWB(超広帯域無線)やBluetooth BLEテクノロジーへの対応により、同社のSmartThingsエコシステムに対応するコネクティッドデバイスの遠隔トラッキングができる「SmartThings Find」や、一部自動車に対応するデジタルキーの機能を実現した。

 例えば、サムスンのトランキングデバイス「Galaxy SmartTag」を、財布など通電しないアクセサリーやペットの首輪などに付けてスマホから位置情報がトラッキングできるようになる。ただし、この機能が日本にもしGalaxy S21シリーズが投入された際に使えるようになるのかは現時点でわからない。