米国の調査機関のケネスリサーチはこのほど、食品のカプセル化技術に関する世界市場の調査結果を発表した。調査報告によると、世界の食品カプセル化市場は2016年から2024年にかけて年間平均6.8%で成長し、24年には524億ドル(約5兆4千億円)に達することが見込まれている。

食品のカプセル化技術は、ベーカリーや菓子、飲料、機能性食品、スナック、インスタント食品、生鮮食品、冷菓など幅広い分野で採用が進展。同分野の参入企業はライコレッド、バルケム、フリースランド・キャンピーナ、ナショナルエンザイム、リポテクノロジーズ、シムライズ、アドバンスドバイオニュートリション、GATフードエッセンシャルズ、ケリーグループ、カーギルなど。

栄養関連ではビタミン・ミネラル、プロバイオティクス、プレバイオティクス関連などが挙げられ、それ以外では味や香りづけ目的でフレーバーをカプセル化する傾向が目立っているという。

世界的に見ると、アジア太平洋地域の食品カプセル化は過去最高の年間平均成長率になることが予測されており、その要因として飲料や高級食品関連でのフレーバーとカラーの採用増を例示。機能性食品やサプリメントのニーズ増により、中国やインドなどでの需要が高まることも見込まれる。現在では大手事業者のみならず、中小企業でもジェネリックのカプセル製品を競争力のある価格で供給している状況でマイクロカプセル化、ナノカプセル化などの技術が市場に浸透している。

報告書はグルーバルシナリオや市場規模、傾向と予測などを取りまとめた。北米、中南米、欧州、アジア太平洋、中東・アフリカに区分した形でリポートしている。

提供元・食品新聞

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