「ブレンディ ザリットル緑茶」。個包装のスティックには一部紙素材を使用することでプラスチック使用量の削減を図った。(味の素AGF)(写真=食品新聞より引用)

味の素AGF社は「ブレンディ」ブランドの新シリーズとして、1リットルの水に溶かして飲む大サイズのスティック「ザリットル」を開発し、2月24日から「ザリットル」5品を新発売する。

プラスチック使用量削減などの高まるエシカル消費への対応や、在宅時間とともに増加傾向にある家庭ゴミを極力減らしたいニーズへの対応が開発の背景。

新型コロナウイルスの感染拡大で、巣ごもり消費や、スーパーでの買物頻度を減らし一回あたりの買物時間を短縮化する動きも踏まえて開発された。

6日発表した古賀大三郎リテールビジネス部長は「コロナで生活者の購買行動が変化し、買物頻度が減り一度に買う量が増えている。一方、一度の買物でそんなに多く持ち運びはできず大きくて重いものは少し敬遠される傾向にある。このような社会課題に『ザリットル』でお応えできるのではないかと考えている」と説明する。

古賀大三郎リテールビジネス部長(味の素AGF)

物流費の削減や店頭オペレーションの改善といったオペレーションへの貢献も見込む。大容量のペットボトル入り飲料と比べると、商品輸送の負荷軽減と輸送時のCO2削減が図れるほか、店頭での品出しがしやすくなるメリットがある。

包材面でも環境を配慮。

「ザリットル」は個包装タイプ(スティック)のパウダードリンクで、個包装には一部紙素材を使用することでプラスチック使用量の削減を図った。

「緑茶」「烏龍茶」「ルイボスティー」「ジャスミン茶」「コーヒー」の5品をラインアップし、スティック1本あたりの想定定番売価は「緑茶」と「烏龍茶」が税別80円で、そのほかが税別100円。箱売り(6本)と1本ずつのバラ売りの両方で店頭展開していく。

「ザリットル」5品。左から「緑茶」「烏龍茶」「ルイボスティー」「ジャスミン茶」「コーヒー」

売場については「テスト販売の結果も踏まえて提案していく。基本的には飲料の売場や同じようなコンセプトで販売している濃縮缶とともに並べてもらうことで製品コンセプトを伝えていきたい」と述べる。

中身は5品いずれもAGFスペシャルティ技術を結集し「冷たい水にさっと溶けるだけではなく、豊かな香りを実現した」。

溶けやすさの原理は、通常製法のインスタントティーの場合、パウダーの中に空気が入っており水に浮きやすく水に触れる面積が少なくなるため溶けるのに時間を要するのに対し、AGFのインスタントティーは、パウダーを砕いて中の空気を抜き、砕いたパウダーをくっつけたものとなるため水に浮きにくく溶けやすくなっている。

家庭内だけではなく、マイボトルに入れてアウトドアで楽しむといった様々な活用方法も提案していくという。

提供元・食品新聞

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