新機能は巻き返しを図る逆襲の一手か、はたまた事実上の敗北宣言か…。
KDDIの提供するQRコード決済サービス「au PAY」に、新たに各種ポイントサービスを管理できる機能が実装された。この機能によって「Tポイント」や「Amazonポイント」、さらには各航空会社のマイレージも取り扱っているという。しかしここで注目したいのは、「楽天ポイント」「dポイント」など、ライバルサービスのポイントも含まれていることだ。近年注目されている各企業の“経済圏”への囲い込みを考えると白旗を上げたようにも受け取れる。
今回はそんなau PAYの新機能についてご紹介していきたい。

他社ポイントも扱い始めたau PAY

 お伝えした新機能はau PAY上の「お金の管理」から利用が可能で、従来から銀行口座やクレジットカード、電子マネー等を管理が可能となっていた。そこに今回、ポイントサービスも追加され、各種ポイントの貯まり具合も確認できるようになったという。近年注目を集める“ポイ活”をしている人たちにとっては、一目で確認しやすくなって嬉しい話かもしれない。

 しかしこのポイントの種類に、楽天ポイントやdポイントといった種類が含まれているのが気になるところだ。楽天ポイント・dポイントといえば、ご存知の通り「楽天ペイ」「d払い」という同じQRコード決済業界でシェアを争う競合他社で扱われているポイント。見ようによっては他社サービスとの併用を推奨している、とも受け取れてしまう機能とも言えるだろう。
 さらにうがって考えると、近年は「楽天経済圏」を筆頭にスマホキャリアをはじめとした各企業が“経済圏”の拡大を競っている状況だ。自らのテリトリーで他社経済圏の利用を推進するような動きは、「au経済圏への囲い込みを諦めた」と思われかねないのではないだろうか。

au PAYの放った一手は業界にどんな波紋を生むか

(Image:Ned Snowman / Shutterstock.com)
QRコード決済の戦国時代を生き残れるだろうか(写真=オトナライフより引用)

 

 しかし当然ながら、「企業が簡単に敵に塩を送るような真似をするわけがない」と考えることもできる。であれば逆に白旗を上げたのではなく、「他ポイントの利用者にau PAYを導入させやすくする布石」という捉え方も可能だ。他ポイント利用者に対してau PAYへの入口を広げておくことで、これまでなんとなく他ポイントを貯めていたライトユーザーをau経済圏の一端に引き込む施策なのかもしれない。

 KDDIにどちらの意図があるにせよ、au PAYが他グループのポイントサービスに門戸を開いたという事実は間違いない。この大胆な決断が吉と出るか凶と出るか。QRコード決済のシェア争いの動向とともに注目していきたい。

参照元:au PAY「お金の管理」にポイントをまとめて管理できる新機能を追加【au pay】

※サムネイル画像(Image:wallet.auone.jp)

 

文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

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